忘れられた魔道と機械の時代を駆ける騎士たち

魔法と機械が共存する世界――。
かつて魔法は人々の生活を豊かにし、戦場では強大な力として君臨していた。しかし、時代の流れとともに魔法は姿を消し、今や「魔導技術」として機械の動力源に利用されるのみとなった。かつての魔法そのものは、古びた資料や伝承の中に記される過去の遺産であり、現代の人々にとってはもはや触れることすら叶わぬ幻想となっている。

その世界で、各国は領土と名誉をかけた争いを続けていた。戦いの主力となるのは、「フレーム」と呼ばれる人型兵器。金属の巨体に魔導技術を組み込み、機械の力で戦場を駆ける鋼鉄の騎士たち。各国はより強力なフレームを開発し、兵力の増強に血道を上げていた。

アルトリウス王国も例外ではない。隣国ヴァルヴァリス帝国との緊張が高まる中、王国騎士団は最新鋭のフレーム「オメガフレーム」を導入し、戦力の強化を図っていた。
その王国騎士団に、新たに配属された若きルーキーがいた――リオン・アークライト。
平凡な騎士見習いだった彼は、未熟ながらもオメガフレームのパイロットに抜擢され、戦場という非情な現実に身を投じることになる。命を懸けた戦いの中で、リオンは自分の弱さや限界に直面し、苦悩と葛藤を繰り返しながらも、一歩ずつ成長していく。

だが、戦場の混乱は単なる領土争いにとどまらなかった。
突如として始まったヴァルヴァリス帝国の侵攻。その背後には、王国と帝国の確執を超えた、謎めいた陰謀が蠢いていた。

――鋼鉄と魔法が交錯する戦場で、若き騎士たちの運命が動き出す。
己の信念と誇りを胸に、リオンは今、戦火の中へと踏み出す。