タイトル未設定2024/07/17 17:54
頭の鈍痛は酷くなる一方であった、低音が私の脳の奥から警報を出していた。音色はコントラバスの重低音であった。ソプラノとアルトの刺す声は頭の中で響いた、曲自体がハミングして私を壊していた。
チェシャ猫は私の事を見ていたが私は笑おうとしなかった。この女性が私の足を内回りに動くと私は彼女に話を聞いていた。私は彼女に話していた、私は時折彼女の事を思い出していた。それは茶の間の奥で茶を嗜んでいる時もそうであった。
「チェシャ猫はここに来ていた」
私は膝を曲げて散策に向かう、もう時間は無かった、私は後ろから動かされるよう動いた。
チェシャ猫は私の事を見ていたが私は彼女が見ていることなど知らなかった。
私は竹林の裏手から時折したを見て、青い空を歩いていた。
「おい、どこに行く」
シュンは私に口を聞いた、その言葉はどこか焦っているよう見えた。彼は扉から巫女の服が見え隠れしていた。
私は照れた顔をすると彼は私が見ていたより明らかに赤い顔をした。私はそれが楽しくてあれこれ言及するのも良かったが彼の啜り泣きそう涙の潮の味を感じてやめた。
「何気にシュンから話してくれるのは初めてね」
私は彼女が話していたことを思い出した、私はジュンに泣きはらした海の味を感じた。私が後ろを振り替えるとシュンは呆れたようついて来た、しかし、数歩歩くと日課の掃き掃除に戻った。
カラカラと細い竹が擦る音がした。
自由になり私がチェシャ猫を追っていると禅も私に手を振ってみた、禅は何を考えているか分からなかったが気難しそうに影を顔に落とし読書を行っていた。
青いカラカラした音は聞こえるのだがその居所が分からなかった。自由になれたが良いが何でも出るため気力を限定できず困り果てていた。
何もできないことから茶を飲んで落ち着こうと事務所に有る薪を片手に火を吹いた。私は充分に熱が伝わると囲炉裏の上で瀬戸物の薬缶の中に淹れてある沸騰させた水を急須に入れ替えた。
灯篭とした男ですら私の事をどうにもできなかったわけであるが自身の聴力の無さに失望することになってしまった。
いまだに青いカラカラした音にであっていないからだった。
私は緑茶の仄かに香る渋みを感じていた。
鉄のように硬く見える絶壁の削り痕から浸食されている断崖から飛んでみたらスカイダイビングをしている中年の老人の気分になるのだろうか、身体が風に煽られて円形の戸の前へ動いた。
しかし、半ねむの状態に等しかった。
高高度降下低高度開傘
私は身体が風に煽られて円形の戸の前に動いた、私は崖っぷちから風下を覗くのも良いだろうと考えていた。
通りを登ると私は突き当りから空の景色を見ることができた、彼女の城下町にその奥には寺が見えた、城下町と神社の間には、鬱蒼とした山毛欅と杉の森林が多く広がっていた。
左右を見渡しても森林が広がっていないところは無かった。私は遠くら鳥居の「天」に似た門が見えた。ヒカリを背にして生暖かい風の声が聴こえた、鳥居の奥が遠くから私の髪を撫でるよう吹いた。
日没まで私は居たかもしれないチェシャ猫と奥から時折ジュンの声が聴こえた。ジュンは時折飲み物を持って来るため羅城門を登り降りた。
チェシャ猫はヒナがプレハブ小屋に腰をおろすと欠伸を欠きながら「にゃ〜ゴログルグル」手を自分の股の中にしまった。
人外からの評価など当てにはならないと思っていたが私は彼女が聴いているより多くの事を知っていた。
柊の葉が枯れ落ち斜陽から伸びた濃い影が腹を覆う、私は下半身が日射の陽光に照らされて風鈴に風が当たるようであったが、日の陽が強く成るにつれて胸元から全体が気持ち悪くなって行く。
私は彼女のひじ掛け椅子を取っていた、私だけではなくヒナが話しているとさくじょうもうの痕から伝統的な網目模様が見えた。
私は彼女が話していたが私にはとても上手なこと出会った。城下町は私に家を持っていた、私は彼女に話していた。
私は彼女に話していたからだった。
チェシャ猫は私に聞いていたことでも彼女に話していた。私は彼女に話を聞いていた、私は彼女にはとても話しを聞いてもらえる姿勢ではなかったのでなだめた。
私はチェシャ猫の話を聞いていた。
彼女の事を聞いていた、私は彼女を話していた、それでも彼女のカラカラなる青を見つけることはできなかった。
シュロとジェンに至ってもシュンの圧力には屈しなかった。峠から見た彼らは類人猿が、猿が火を持つのを暖かく見守ることに近かった。
シュンは火を手に着けると森のなかに入った。ヒナはシュンが柳の木を持って森の中に入るのを見ている。掘っ立て小屋からモノを取り出すと私は羅城門の階段を降りて森の奥の赤い火達磨を追った。
手を休めたが森の中へ入る時低音響く声が聞こえた。しかし、私は振り返らなかった。私にはとても大きな影響だった。
隣の家主も聞いていた、私はしわくちゃな枯れた声が聞こえて、海から引っ張り上げられたに近い感覚がした。
私は彼女に話を聞いていた、私は彼女へ聞いていた事より彼女のことを聞いていた。私には彼女が話しを聞いているよう感じた。
私は昨日のことであったが熱っぽい感じがしたのだがそれでも慣れない環境は嫌であった。
チェシャ猫はゆっくりと弄ぶと手を繋いだ。猫が手を繋ぐ行為が出来るとは目が丸くなった。
「なんだい、猫だからって手を握る事ができないと思ったのかい。そうやって上顎を挙げていると痛い目見るよ」
彼女は遠くを顎でさした、奥を見ると火の手があがっていた。
「鉄火場の焔私が教えた魔法だ」
炎の火力は鉄を溶かす程の熱は有った、しかし、灼熱の火に当たっても体を燃やさなかった。
炎が身体を掴んでも燃えることはなかった、ランタンが空に舞うこの街の最後の叫びだろうか、炎は燃えても暖かく包んだ。
竹は私が聴いているより大きかった、シュンに向かいその炎を向けていると竹が値を食い破り地面を突きあげる、私は燃え盛り消失する自身の肉体の気力が失われて行く中、かすれ行く意識の中で天辺に伸びる金色の竹のしなやかな感覚を感じていた。
「全く、調子がいいな」
チェシャ猫は私を見るとクスクス笑った、私は彼女に半紙を渡していた、私は彼女にはとても大きな入れ墨を残した。私は彼女に話をしていた、チェシャ猫の言葉は私にはとても面白く聴こえて笑いが込みあがった。
登る途中には頑健な岩石でできた岩の階段が有った。「なんだ気持ち良いじゃん」私は彼女から聞いていた所は「変な心地」と言われていたため来るのを避けていたが案外ヒトの評価は当てにはならないな。
ある夏の日は熱かった、私は浅井家で熱中症をおこしたのだった、『日吉神舎』を参拝した後、家に帰る途中貰った「御裾分け」された食べ物が会わず腹を壊してしまったため、救急箱に有った解熱剤を飲んだのだった。
私は目が覚めると徹の顔が有った通婆さんも心配してくれた私は狐のお面と紅のリボンを持って居た。
「なあ、婆さん渡したいものが有るのだが」
徹は婆さんの顔を真剣に見ていた、婆さんは徹の凄んだ顔を見て頷き居間を出た、顔を覗いた先は堅く閉ざされた木組みの扉であった、私はその扉の先へ行った、少し湿っぽい密閉された部屋であった、私は婆さんが着物を触っているのを気づいた。
「ヒナこれは君に似合うと思うのだがどうだろう。」
通が手に持って居たのは紅と純白の巫女服であった。




