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夢の叉三郎  作者: 猫八
田舎道
20/21

灯篭

 私はシュンに罵詈雑言を言われて半日は動けなかった日課である掃き掃除でさえも細胞の一つ一つが拒否をしていると意見を言っているようであった。シュンは床で寝ころびながら寝ていた。

 彼の項が伸びてジュンの方を向いていた、ジュンは彼に腹を向けて猫のよう丸々だけであった。眉を広げて寝息を立てる様は彼女がシュロの寝顔に妬いて眉を突くより他、変わらなかった。

 私は彼の言葉に憤りを感じているのは私の心が受け付けなかったからだろう。

 シュロは私が聴いていたどの関わりより濃密な時間であったと考えている。心が受け付けなければ気を遣えないのにも関わらず、無遠慮に彼へ文句を言ったのは私が改善すべきことであった。

 自分から自分の非となる事柄を言うのは嫌いであるが彼が自分の非となる事柄を言うのは好きであった。私は他人の意見を否定することは好きであるが自分の意見を押し通すことも好きであった。

 彼女は私に彼の言う事は少なくとも聞いてはいけないと言われていたが私は関心が有った。

 彼女には私が話していたことを聞いているようで聞いてはいなかった、私は彼に聞いているのは私が禅に対して特殊な感情を抱いていたとしても彼は無視をし続けると言う確信である。

「竹林の大地主よ」

 私は声を荒げた、鳥居の奥から牢獄に居る彼に声をかけていた。しかし、返事は無かった。

「私は彼にヒカリを手に入れた」

 私は灯篭のヒカリを本殿の奥の祭壇に向けて翳した。心持ち風が強く吹き私の背中を押してくれるような気がした。祭壇の奥は宵闇の月明りに照らされて影に近い淡い日のヒカリを放っていた。

 私はその奥の通りに有る私の家の通りを見ることとなった。私がこじ開けた通りでさえもそのままになっていた。

「無臭だわ」

 私は彼女に話をしていた、私は家に帰ろうか迷っていたが私が話をしていると影が私を掴むようであった。私はそれを振り払おうと身体を振ったが気が晴れるまでは残念なら成し得なかった。

 祭壇は鏡がとても場を取っていた。横に「」の葉が白い円筒状の花瓶に入れられて飾られている。八咫鏡を祀っている祭壇は六畳半と置物のための押し入れが有る簡素なつくりの部屋であった。

 畳が私から横向きになり敷かれているため硬い床に置いた、中は暗闇で包まれており錆びた臭いが鼻に付いた。鉄の黄土色の褐色が灯篭の淡いヒカリに照らされるごとに階段は照らされて行く。

 腕を伸ばすと石畳の奥にコケが見えた。なめかわしい黄色系の粒も見えた。しかし、私が最初に入った時に見つけたゴキブリはどこにも見当たらなかった。

 私が腕を伸ばして奥を照らしてらしても羽虫すらいなかった。それに頬を緩めたが内心では居ないことが不安であった。

 奥に伸ばした手で錆びた梯子を握り手で掴んだ。私はカラダを手で引っ張り滑り込み中へ入った。腕の関節を捻り筋肉で足が付くまで止める。梯子を掴む手を逆手にして真ん中の関節を捻じる、その手が元の位置に戻るようカラダを動かし体感で支えるのである。

 灯篭は手で咥えて持つのだ。

 彼が居る鉄格子まで行くのが憂鬱であった、鋭い魚眼に似た目をもう一度見るのは嫌であったからだ。鉄格子の奥からはこれと言った物音はしていなかった、鉄の臭さに耐えながら梯子を降りた。

 石畳みの階段が相も変わらず組まれていた。

 階段は長い幅を取っていたよう感じる、私の足が二歩でその一段を歩ききれない程であった。

 私は灯篭のオレンジ色に照らされながら石畳みの階段を歩く。

そこには新品になった策が有った。

「そう、かわいそうにね」

 私は彼にそう言った。彼の太った筋肉からは想像もつかない巨漢がげんなりしていると感じた。

「じゃあね」

 彼女が灯篭を彼の頭に投げつけた。

「さようなら」

 巨漢は燃えていたが私は振り替えずにそのまま走った。



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