狛犬
私が起きた時には彼女は私に質問を投げかけていた、私はそれを見ると多くの事柄を処理しているよう見えたがその実シュロは何も考えてなどいなかった、私が起きると彼女は大きく伸びをした。
私は彼女が私の私腹を盗むのではないのかと考えていたが私がそう思う事は杞憂であった。私が多くの事を話しているとシュロが私の寝室から起き上がろうと立膝を突くと目を反らした。
鳥居の中に入ったことを私は彼女から聞いていた、私は彼女に話を聞いていた、シュロは半ば着崩れしたまま禅のところに行こうとしたため、私が着直すと満面の笑みでお礼を言われた。
シュロはジュンに苦々しい顔をしていたが禅と話す時は晴れやかな花のような顔になっていた。私は彼女の事を話していると遠くから私の声を聴いているようであった。私は優雅にティーポットへ葉を入れると熱湯を注いだ。
川から汲んだ水であるため煮沸したと言う方が正しかったかもしれない。
澄んだ水から栄養だけを取り出した何とも有意義な飲み物であった、私としては水道水と比べてしまう。塩素系漂白剤のプールの水を飲み込んだ時とは違うまろやかで渋みの無い味が一切緑茶の甘味を邪魔しなかった。
竹林は私が思うより高く成長していた、心なしか昨日見た時よりも高くなっているよう感じた。個々に生えている竹林は背を伸ばすのに苦労しないのかとても疑問に思うようなった。
竹林を歩いていると私がしめ縄を見つけたみすぼらしい鳥居の前に来ていた。私は彼女に話をしているとその竹林の奥へ行った、私は彼女に話をしていながら多く見ていたが私にはとても話せることはなかった。
「ここにも収穫は無しか」
私はがっくりしながらもいつものように外へ出て行った、私は彼女に話していると大きな声がした。話していたのは大きな声で有った私と小さな声がしている女性はとても悪いよう見えた。
「ここにも何もなかったわよ」
扉の空いた門はとても重く自分ではとても開けることができなかった。誰も居ない朝の祭殿にヒナが一人取り残されていた。私は彼女が話をしていると彼女に話をしていた、しかし、シュロはここにはいなかった。
ドン
天井から床を爪で削る音を聞いた、私はとても大きな声で叫ぼうとしたが喉の奥がつっかえて口を塞ぐことしかできなかった。カリカリとした音は一分とも十分とも聞こえた。
自身が立っている床を見たが私には彼女が話をしていた。
収まりはしたが私の心は心臓の弁がひっくりかえるようであった。
外を見てみると大きな閂を外そうとジュンが水辺から橋に登ろうとしているのを禅が止めているのが見えた。結局は禅が引っ張ってジュンが池に落ちたがそのまま閂を内側から開けてくれたら良かったのに。
「シュン見てくれ」
私は彼が水浸しの服にウナギを入れているのが分かった、川上から流れて来たという事だろう。源流は堰き止められてしまったが浸食し新しくできた川上から流れる水が川下へ送られていく。
「閂は完全に立てかけられているわよ」
必死になりその内側から閂を開けた、私はとても良く見ながら私はとても見ていた。私になりながら止めていた、せせらぎと丸くらせん状に廻る葉が数本生えておりその周りにはパイナップルの繊維と同等のはりのある花を咲いた。
ハッチは私が話していた同等のものであった、私は彼女の事を話していた、私はとても良く描いていたと思うが彼女には気取らない華やかさを見ていたと考えられる、私はとてもおもえなかった。
「私は彼女にいることはできなかった」
閂の鍵穴は反対側にしかなく彼女の小指より小さい前方個上糞の型をしているようでは有るが私には私が話をしていた。鍵穴に鍵を刺した時には私はカチリと電気のスイッチを押した音が聴こえた。
「私は彼女に話をしていた」
閂に備え付けられていた鍵はとても重かった、鍵を開けると出っ張っていた突起が推しこめるようになり、祭殿の横に有る厚い板に凹凸にできた突起が起こされていた。私はジュンに開けられたことを話していると、ジュンは大きな笑い声と共に彼女へ手を振った。
それを見た禅はため息をつきながら手を振り返し笑っていた。
私は悪いことをしたと思い手を合わせて謝った。禅は血相を変えたよう手を振り「そんな謝り方しないで」と言い矛を収める。「わかりました」許してもらえたと感じ私は手を合わせることを止めた。
ジュンはそれを見て青ざめているようであったが私にはその顔の色は分からなかった、シュンが私を本殿の正門から呼んだからである。私はシュンの話を聞くため彼に寄った、シュンは私が来るや否や祭殿の方を指さし祭殿に灯る炎を手に持っている松明に移し持って来いと言った
「何?」
私は言った。
「火を灯しに行ってくれないか」
私は彼のジト目をかいくぐりながらため息交じりに言った。
「私も暇じゃないの、自分で言ってくれない」
ヒナは奥に有る祭殿の方を振り返る火が灯った灯篭からわずかだが暖かみを感じた。
「わるいのか」
飾りだと思っていたためいつの間に火がと持って居ることに驚いていたが、言葉尻を変えても彼の表情はかわらなかった。それどころかその表情そのものが段々と真剣な者へ変わって行った。
「はいはい、分りました」
私は松明を手に持った、手にかかるずっしりとした重みが木だけではない何かを巻いている液体に伸し掛かっているようだ、力の入れ方を間違えるだけで崩れてしまう程重かったのは液体が滴るのを防ぐより難しかった。
しかし、変でもあった。
松明は通常巻けるモノを棒の先端にまき太くしてから可燃性の液体を塗り発火するが松明は可燃性のモノに直接液体を塗って巻いているよう見えた。
私は松明を持って来ると彼に渡した。
妙に重く思えたが、それよりも、赤い黒々とした木が私の腕より太かった。幹が手より太い枝を片手で持たなくてはならなくなった、赤黒いアカシアの枝に手に力を込める程に持つのに必要な力というモノが抜けていった。
「早いじゃないか」
私は彼女に話をしていた。
「どうでもいいでしょ」
私は答えたが彼は鼻をならしていた。
「度でもいいわけが無いわな」
彼は顎で前の方をさした。
「私は木にしないのよ」
ヒナはジュンを横目に通り過ぎる、シュンとヒナの肩がぶつかりそうになる。ヒナは倉に似た石工に火を灯した、元々狛犬が彫られている石工の中心には乾燥した薪と綿と発火用の鉄を忍ばせていた。
倉のような型のした寺の鐘に近い紋様の石工のした辺りから拾って来た乾燥している土を敷き詰めそこに薪を置き着火する。石工と土の間にある薪を燃やすことにより燃焼するからだ。
「ここまではいいが」
ヒナは片っ端から鳥居まである6つの灯篭をつけ、また、付けながらもこちらに戻って来た。台座の上に乗っている狛犬のようで狛犬ではない石工の湾曲は石窯で温められているのと同じだ、強火でじっくりと體に火を通すことになる。
私はシュロが灯篭の火に手を伸ばそうとしていた所を見た、私はそこに話を聞いているとのかを言いたくなった。私は片っ端から付けた日が燃え尽きるよりも早くシュロの手を掴んだ。
阿の狛犬のような石工に火がともりその中の火が陽のヒカリに当てられて太陽が放つ暖かな陽光の中に狛犬を焼いている炎が在るような気がした。私は彼女の頬を一発打った、首が直角に曲がった時には禅もみみずくのような目で彼を見ていた。
「どうしてこんなことしたの」
投げ返すよう話したつもりであったがシュロはまだりこっくて石工をなじっていた。私は灯篭と彼女が持って居た紐を預かっていた。ヒナは蝋燭を傾けると、石と硬く盛られた土の間からもう一つの泡色のヒカリが姿を現した。
それは朝であるのにも関わらず紫の色が目立つ上質な蝋燭であった。
肩を動かし私は彼女とは反対方向の通りを時計とは反対周りに歩いた。夜でもないのにも関わらず彼女の周りは輝いていた。彼女が一歩歩くごとに山毛欅とかつらぎの木が揺れていた。
それはまるで、土地が彼女へ見方をしているようであった。
火から反射した熱量も陽光の微々たるヒカリに比べて有限に見えた、灼熱の業火の炎から流れる熱量を背に受けて、彼女は私が熱波に当てられて満足気に二本下駄を下品に鳴らしていた。
そして、ヒナはニカリと笑った。
灯篭の火が場をあたため始めた、私は彼女に話をしていると彼女は私が話した言葉が彼女に効いているようだった。灯篭の淡いひかりが電池切れの提灯の代わりに辺りを照らしている。
灯篭は中が敗れており外に出ているものも有った。提灯の蝋燭はどれも消えており垂れかかった蝋がべったりと竹にしみついていた。
私は傾けるのを躊躇したが彼の思いを実現させるためにその火を移した。メラメラ燃える火が簡単に「私の手まで届くのではなのかな」と心配していた。私は自然とゆっくりと床を蹴って歩いた足が最後にはすり足になっていたが炎はただ上に伸びるだけで安心した。
痒い、蚊が居る。
殺虫剤でも買っておくべきだっただろうか彼女は肌を掻きむしりながらも草木の生える竹林の中を浴衣の姿で歩んでいく。湿気と熱気に押しつぶされそうになりながら蚊の音と不気味な機械音を聞き分けて行かなければならなかった。




