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夢の叉三郎  作者: 猫八
田舎道
14/21

斜陽

結納でもないのに礼服を着ていたのですから。

 彼女は夢の中にいる彼女の事なんぞ誰も聞いてはいなかった。雲に満ちた空より掃除の済んだ家の綺麗な棚が晴天の青い空に似ていた。棚の下段から上着を取る、シュンは上着を腕に巻いて押さえつけていた。

 結納の儀式も彼女の締め付けにはとてもかなわなかった、私は家に帰る頃に大きな鞄の場所すらわからなくなっていた。私は彼女に大きな鞄が彼女の家に有ると考えていたがどこにも見当たらなかった。

 シュロはジュンの言葉を森の鳴き声として耳に残した、シュロはジュンに耳打ちをしていた、写真の背景は白くただれており荒れ地の魔女は膨れた顎に有る脂肪を震わせて走っていた、荒れ地の魔女の写真を見ていたからだった。

 写真には彼女の家が離れにあった私の家には荒れ地の魔女の居場所すらわからなくなっていた程である。私は彼女の腹に手あたり次第触れてみたがゼリー状の寒天の重み程度の重さは有ったことは嬉しかった。

「じゃあ、結納の儀式でもしようか」

 禅が指を振りながら話しかけていた。

「冗談じゃありません」

 「どうしてこんな奴と」と言いかけたところで彼女はそのでかかった言葉を喉の奥へとひっこめた。

「俺は構わないぞ」

 シュンが思いもよらない発言がした私は必死に目を疑ったが、彼の目はとても真剣であった。

「私は絶対いやよ」

 ヒナはシュロが裸足で石畳から細やかな土の上を走るよりも速く首を振った。シュンはため息をついていたが「どうする」と言わんばかりであった。

「桜餅を貰えそうだからな」

 彼の手が私を掴むよりも早く私はシュンへ詰め寄った。

「どうして、即答するのよ」

 私はシュンを名指しで指した、シュンはどうして怒られているのか分からない程に困惑していた。

「お前にも言っただろうが俺は金が欲しくてこの仕事をしている」

 彼は腕を組みながら斜頸ぎみに私を見ていた、梟のようなみみずくの目をしながら彼女を睨んでいるのだ。

「信じられない」

 ヒナは手を大きく広げて本殿を飲み込む大きな手で彼の無学な頭を称えた、シュンは私の事を病的なまでに追い詰めた。

「何よ、私は怖くないから」

 彼の目は嫉妬に駆られていた、眼はどこにも焦点が合っていなかった、私を見つめているのに私の後ろにいる霊的な存在を凝視しているような感覚だ。しかし、握り締められた拳はヒナの眉間を殴り抜ける確かな意志が有った。

 拳に溜まっている力が肩に溜まる力に変わった時にシュンの道丹に溜まる力は私に肩を下ろすころには殺気も、もうなくなっていた。彼は私を一瞥するとため息を漏らしてだが、木陰へ行いき胡坐の真似をした。

 咲いた桜の花びらが、彼が持っていた小説に当たる嫌そうに弾くと私の目を気にしてか、ちらりと見るときバンで汚れていても読みかけの小説に目を通すこの作業をやめることは無かった。

 私の身体は体と呼ぶにふさわしくおいて朽ちてしまったようだ、ヒナの身体は危険視号を出しているのにも関わらず、運動もせずに私のカラダは體となると勘違いするより酷く身体が硬直してしまった。

 起きることを待つように太陽に充てられて背が低い草木のみならず発揮根っこに住まうげじげじの足の数まではっきりと輝いて見えた。涼しくも影が濃い斜陽の陰に隠れて小説の一行を目で追っていた。

 私はしたり顔の目を見て

春風に揺られていた、シュンは小説の一ページを捲りながら暖かい風の陽気を楽しんでいた、シュロの面倒を見るのはシュンの役割であった、しかし、シュロはそのようなことはきにせずに置いてあるしめ縄を持とうとした。

本殿の遮りは私の事を話していた、私がはなしていると、私とシュンとの家の間に小さな隔たりがあることを知った。私は家に帰ると小さな小鉢を手に入れた。私はシュロに話をすると彼女も納得してくれたのか、彼女が指さした場所に立ってくれた。

鍵は彼女が出て来たことも有り蝉に話を通していた。

本殿の場所を取り抜ける。

私は本殿の鍵を開けた。

「綺麗、わたしではこうまで造れないわ」

 紅色の赤い大黒柱に細い目に似た木目の杉の木が筋立て縦に筋立て並んでいた。床はタイルを敷き詰めるようならんでおり並んでいた。

「綺麗」

 私は彼女に話をしていた、私の家には彼女が居たがとても話のできる状況でもなかった。中央部に有る神棚は浅井家や親せきの家の寝室に置いてある仏壇より大きかった、私が真正面の真ん中へ均等に置かれていた。

「私には彼女ができると思っているわ」

 泥で造られた土壁の合間に神木が赤く塗られていた、扉から土壁と変わる間に薄桃色系の灰色じみた安い色合いであった。「それにしても」とあたりを見回す彼女は泥土でできた壁の角と窓辺の横ですら見入っていた。

「賽銭箱が無い」

 私はシュロが遊ぼうと言ってきたが彼が「ほんとけ」というのでムッとしたが。

「それは、賽銭箱は無いだろ」

彼は腕組みをしながら頑固な眉間の間の毛を寄せていた、頬を膨らませ目を閉じて綿を見舞いも後ろを向く。

 ヒナが何か使えるものが有るか辺りを探すとシュンは私の背に向かうよう反対側に廻り鍵穴を調べていた。

 ヒナが異変に気付き後ろを向くと彼は動きを止めて手をいじくっている時より体を丸めていた。

「どうして?」

 私が話すと彼女の家の住処まで変わっていた、話は神様の諸事情にまで届いた、諸形容される神が使用されるモノにまで移り変わった。

「どうしても何も、神様は買い物しないからな」

 シュンの言葉に彼女は小さな笑みをこぼした、彼の追撃は止まらなかった、彼女は「分かりました」と一言言うだけであった。

「なら何でお金が必要なの」

 彼女が強い語気でシュンへ詰め寄った。シュンの唇が触れる距離まで狭まった。しかし鼻先がお互いに触れても離れられなかった。シュンがヒナに手を向けた、彼女は下半身と胸を抑えたがシュンはジト目に彼女を見ていた。

 ツッカエタようで開かない。

 つくと彼は紅の色の大黒柱にもたれかかった、腕を組み片足へ体重をのせて薄ら梟寄りの目になった、頬杖を突きながらため息をつく。

「開かないのね」

 畳は赤い影に熟れて影ができていた、シュロが外から本殿の中を覗いていたのだ、私は怖くならないよう手招きをして優しく招き入れた、彼女は笑っていた、私が怒っていないことを悟ると駆け足になり走って来た。

 それは祭殿の中の長方形の畳でできた敷地の中での話だった。

「向こうにクチがあるからだろう」

 彼は扉を指さしたが扉の向こうには水連の花が見える五月雨に切り分け繋げた橋がある。橋の先端に建てつけられた向い側の扉に鍵が付いているという事だろうか、私は開けようとするがしまっていた。

「私が話していた、話をしていると彼女が多くの家に居た」

 私の事を話している、とても大きな家を持って居た、私にとっては彼女に話をしていた、大きな家を話していた。

「私は彼女をはなしていた」

 私の家には彼女が居たが私には多くの事を話していた、彼女は紅色と褐色の色を持って居た。私の事だけではなく、私が話している家の事も待っていた。

「ちょっと待って、」

 シュンがヒナを制止する、シュンは肩を吊り上げたが私はシュンが大声を出して呼び止めることが分からなかった。シュロが赤い大黒柱の一つに隠れるきっかけになってしまった。

「あっそう、そんなことは考えもしなかったわ」

 手を取りやめてシュンの方へ向く、私はクルクル回る彼女に話していた、彼女が私を見るとニかッと笑った。

「お姉さんいい人だね」

 その畳の上に伸し掛かる、身体を摺り寄せながら畳をゴロゴロと廻っていた、シュンもこれにはまいってしまい外へ出てしましった。「散歩に行って来る」と言い事務所の或扉まで向かって行った。

 横目に見るとカラダが震えているよう見えた、私は手を大げさに広げた、シュンがシュロへ怒っているよう見えたからだ、私はシュロを慰めるために大振りの手を開いたが彼女の機嫌を損ねるだけであった。

「シュロは違うの」

 ヒナは首を傾げながら話していた、私はシュロを見ていると笑っている様にも見えた、飽きたので外の空気も吸いたく一度本殿を出た、彼女の話声が後ろから聴こえるがヒナには聞こえなかった。

「お姉さんには夢の話をしてあげる」

 私が暇な時に彼女は夢の話をしてくれた。

「夢?」

 彼女の家に入っていた、私は家に帰ると彼女に話していた、彼女の目は私が思うより真剣なまなざしであった。硬派な衣装を身にまとい玉串を持つ様は次期の巫女を彷彿とさせた。

「そう、分ったわ、教えて」

 私は彼女の言葉に頷いた、私だけではない私と私の體が彼女という未知に反応をしていた。ヒナは自分の水筒を横に置くと直ぐに替えのモノを差し出した、彼女は快く受取り飲んだ。

「ある夕焼けより後のお城と白い白昼夢を見るための場所が有るの、そこを私は歩いていたわ、丸くて私には入れそうにない場所、ここと違って硬い詰め物を敷いた家が多くある場所だったから、足は疲れたかけれど楽しかった、ここと違うところは異国情緒が溢れる田舎道と閃光のような光が溢れる場所であったことよ、私ったら疲れているのよね、こんな変な夢を見るなんて、でも都会から来た貴方であるならばこの不思議な現象も解くことができると考えたから言ったの」

 私は彼女に話をしていたが、彼女の家の言葉を見ることができなかった、彼女の潤いしい唇が流した涙で熟れていた。

 彼女は泣きながらスカートの丈を捲る膝裏から太ももが見え。太ももが見えたところで手が止まる。泣きはらした目のように赤く抉れている、腫れた傷があった。

 私は目が丸くなった、すぐにでも誰かに伝えたかった、シュロは私の袖を掴んだ、私は彼女の名誉のために沈黙することにした。

「わかった」

 私は彼女の頭に手を当てるとそのまま撫でた彼女はなまじ本気で怒ったが頬の涙が枯れないうちに赤く充血した瞳で鳴いていた。夏風がシュロの頭上を掠めた。

「お姉ちゃん何とかして欲しいの」

 風が泣き止む時にシュンがこちらに手を振っていた、私は手で払うと「あっち行って」と言っていた、シュンは彼女の素っ気ない対応に胃が体の上に挙がったが眉をひそめて帰った。

「お姉ちゃんに任せなさい」

 夏風の東から吹く風が林の葉を煽りざわめきが起きているよう聞こえるウサギなどの動植物は一匹も着の下の獲物を食べ止むことはしていなかった、太陽の容器に充てられて身体が厚くなると考えたが湿気が多くうんざりしていた。

 根を張る植物は東から吹く風に揺られることはあるが、決して地に生えた根っ子を掘り返されることは無かった。

 シュンに手招きされた所まで行くと彼女はハエが止まっている糞尿の近くに行った、藁が有ったが縄にするにはあまりにも小さいように感じた。

「・・・こっちにも鍵穴は有るじゃない」

 私が指を指すと確かにそこに鍵穴は有った、私が見たのは丸く金属製で浅井の家に有った合成金属でできたドアノブに近かった、もっこりした台形の銀色の中心にはニヤケタ口に似ているギザ場の鍵穴であった。

「すっかり見落としていた」

 彼は覗き穴を見るようまるい目さらに近づけた、私は彼に話をしていると小さなビー玉みたいな目を凝らして見ているのだ、私は話していた。

「そうね」

 しかし、板しかなかったのであるが彼女は自信満々に神棚の横の扉を指さした。で、あるがシュンがふざけることはヒナの目からしても考えられなかった。

「・・・何か言う事があるんじゃない」

 戸棚は開かなかったのであるが鍵穴はどこにも見当たらなかった、シュンは無いと思っていたがつっかえ棒を置く隙間は橋の扉であっても有りはしなかった。

 彼女はジト目になりながら彼の事を見ていた。

「なんだよ」

 彼は腕を組みながら彼女の目を見ていたシュンには彼女が多くの事を話していた、シュンは彼女に聴いていると彼女の家の間取りを見ていた。

「例えば『ごめんなさい』とか」

 天井を見たり床を見たり時には神をまつる祭殿に備え付けられた畳のへりを見たりしていた、鮮やかな赤系の灰色の炎の色は私が着ている白の服にかかり揺れている。

「お前に言うことは無い」

 ヒナは語気を強くシュンに言うがシュンは知らない顔をしていた、彼は遠くを見ているようではあったがその実酒樽を近くから見るよう大きな黒い眼が同様に私を見据えていた。

「あっそ」

 シュンは私へそっぽを向いた。

 戸は、真正面から見て横に有る、金属質な扉に見える扉は私が手を掛けてもびくともしなかった、恐らくは鍵穴が事務所から本殿へ続く赤く焼けた道の道中のみ鍵穴は有るからだろうと考えるが引き戸の手を掛ける堀の下には丸い突起が口をまっすぐ突き立てて鎮座しているようだ。

 硬い木を使用しているからかこの扉は閂を当てても壊れなかった、閂の強度は私が床に置いていた。

木材でできた木の出っ張りが外に向かい飛び出でいたが部屋の中ではなく、部屋の外に置いてあった。

 その後一度もヒナはシュンに文句は言わなかった。

「早く挙げましょう」

 私はシュロに話しかけていた。

「分かっているわよ」

 私は彼女に話をしていると、彼女の家に待っていた。

「重いわね」

 シュロの小さな身体で大きな藁の巻き物を持っていくが、身体のちからを総動員したとしても彼女がしめ縄を持つことはできなかった。

「私が持とうか」

 シュロの顔があまりにも赤く染まっていくので私は心配になってしまった。

「私が持つから良い」

 シュロは私の手を払った。

「私一人で大丈夫!」

 私はシュロの言葉を信じたい一方、シュロの顔があまりにも青くなっている。

「よろしくね」

 私は強く彼女に行った背中を伸ばして、持ち上げようとしたが赤い顔がさらに紫っぽくなって行く。溜息をもらした、私が縄の端の両端を持つと軽くなる、拳を固めて私の足を殴る。

「やっぱりダメじゃん」

 シュロの手にしめ縄を落とした、地面に近い所まで手が落ちる。しかし、彼女の青白い顔いろに比べて、持って居るモノが土を被ることはない。

「あれを持って入ってくれないか」

 シュンはシュロが持っているものを片手で持ち上げるとヒナに渡した、ヒナはしめ縄を鳥居へ持っていくと手を天に掲げた。鳥居に付けるために縄の端をらせん状に結ぶ、縄は曲がるごとに軋んだ音を出す、内側に曲げられた縄が鳥居へ括りつけられた。

 光が当たるようで風が鳥居の奥から本殿に設けられている鈴を鳴らした、突風は社の下をすり抜け奥の用具場の青い鉄製の壁を打ち鳴らす、神社の桜吹雪が良く映っていた。


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