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夢の叉三郎  作者: 猫八
田舎道
13/21

竹林

サフランの花にコスモスが竹の伸びた葉に絡んでいる、彼女が都会に住んでいた時に育てていた花とげが少ない品種であった、青い花弁がフェニアの紫の花弁が開いていた、彼女が話していた。

腹が減ったのに歩いていたのだから私の足は半分の過ぎた頃には動かなくなっていた。竹林に落ちる黄ばんだ竹の葉にはピンクグリーンの蕾が絡まっていた、重くなって来たためスコップとシャベルを置いた。

紅色の蕾を一口花から吸うと甘い揮発性の党の甘味が口から突き抜けた、蕾はブルーベリーの藍色の被膜が赤に変わった果実であった、果実は赤い実が成っていた木苺の甘味に似ているが糖度がブルーベリーより高いよう感じた。

サフィニアの花は真っ赤な紅色が葉のうえに咲いていた、竹の芯の影には過敏に刺したサフィ二アにえんどう豆の身のふくらみが有る葉っぱが付いていた。サフランの花の蜜の香りが私の服に付いた。

甘い饅頭の輪郭をした、真っ赤に光沢した紅に私が手を入れて揺らすと蜜袋から生えている花粉が付いた、飛来した蝶が椿の花に停まり羽をゆらゆら揺らす。葉っぱから周色の液体が付いていた。

黄色い花に花弁がフラミンゴの端のよう綺麗に話しているのは彼女に話していた、私は彼女の事を話していた、白金水木の葉が竹の足程度のところに垂れていて私の足が隠れていた。

私は前に行った私が話している時には彼女が必死になりシュロに止められていた。答えは決まっていた。奥の遠くに有ると思っていた何かが姿を現した、監獄のような大きな堀の中には木組みでできたさくじょうもうが有った。

紅褐色の空に合う彼女の黒く茶色の瞳は液体窒素を高い棚から落とすような感覚がした、紫色の花弁が外から来る強風に煽られていた、しかし、芯の先端だけが風に当たり根がその振動を吸収するだけであった。

針に似たクローバーの形に話していた、『く』の字に曲がった芯と蜜袋が繋がった膨らみが有った。蜜袋の中が甘かったのか葉に残る蜜を吸う程に羽をパタパタと羽を伸ばしていた。

私は散らばったスコップに上着を手に持つと生えた一本を目印に竹林を進んだ、十分も経っただろうか、真っ直ぐ道を進むと堀の端が上に向かって広がる竹林の果てまで来た、彼女は堀が広がっている部分を右へ歩くと登り階段が見えた。

登り階段を登ると暖かな日に当たり小鳥のさえずりが聞こえる、大きなひな鳥の声があたりの大地を揺らし耳元から通り過ぎていった、私は右手を伸ばして太陽を掴もうとする。私は彼女にしていた。

日下部の木陰に腰を下ろす、持って来ていた水筒で喉を潤す私は水筒に入っている水を全て飲み干した私は逆さまにしてみたが水一滴有りはしなかった。

冷たい水流に肌感覚をやられながら取った大麻をつくるための棒を手に入れていた時に持参していた水筒へ水と持ち運べるよう口いっぱいまで水筒に入れていたのである。シュンが紙垂を張るため棒の質を念入りに確かめている時に私は水筒に水を注いでいた。

シュンは大麻を振ると付着していた水滴は払われ土に吸収された、肥沃な大地の中にしみこむモノも居たが、

水流の近く河川に近い一部分に水滴が落ちた。最初は何もなかったが私もシュンも気になって水の流れを見ていた、何分も見ていた、シュンが飽きて目移りしそうになった時に大きく割れ目をつくりながら水流に溶け込んだ。

私の足に重い土の塊が掛かった、土を退けると茶色く濁った汚泥が水に流れ川下に降りて行った、彼女に話をしていると私は彼の家の五月雨の鳴る音を飛び越えて耳まで聞こえた。

凛と聳え立つ山毛欅林はユーカリの葉によく似ていたが新緑の山毛欅森林の中に蕾を蓄えた杉が乱立していた、山毛欅と杉の木をかいくぐるよう榊の木が広葉樹を広げていた、夏の春のようにカラッとした熱風が夏特有の湿気を奪い取る。

私は水脈が有るので和ないかと探した山毛欅の木々をかき分け川下に続く道を手当たり次第に探した。しかし、広がるのは広葉樹の喧噪だけであり、緩み切った大地に木々が乱立しているだけであった。

源流の場所を意識しながら森をかき分けて縦に続く広葉樹を横にひたすら歩く、数分経つだろうか私は奥にとり揃えられた瓦礫の山が有った私は近づいてみた、瓦の山が森林の奥に無造作に捨てられていた。

誰も居ないがなぜか後ろを確認した、私は左右を見ると太い木の後ろに腰かけ一つ一つ確認して行く、先の部分が壊れているモノ真ん中で割れているモノ落書き程度に文字が彫られているモノと多くあった。

しかし、積もった瓦の山が無くなる頃に新品に近いものを見つけた、橋がかけているが先が書けていない瓦を見つけた、瓦には心臓にハートのマークが繋がっている奇妙な絵が書かれていた。

私はそれをふざけ半分に持って帰った、単なる知的好奇心からだった私は欠いた断片をポケットに入れて進む。宵闇も近い照らす手段は私の中にはあまりにも少なく小さかった。ポケットの確かな感触を背にし、家へ帰る。

私は彼女に帰ろうと社の奥へ手を、こまねいていた。もう、見誤らない私は親指を前へつきだした、川上から降りている源流の場所は大体位置を掴んでいた、私が手を広げた先はブナの木が比較的少ない場所であった。

ブナの森の森を指さすと私の事が一本線で繋がっているようでもあった、私は川辺から家の端にシュロの事を思い出していた。

水流が源流を伝い川下へ降りて来る時に涼しい夏風が木の皮を潜り抜けて、川下の水が私の髪に触れた、川をひと撫でした、少しの潮の香りがしたにおいを風と一緒にのせて私の髪をすり抜け、涼しい夏風が私の家の間取りから遠方の社の奥へ流れて入った。

頭を手で抑えながら杉の木阿弥をかいくぐり視たのは新緑の夏に有るたわわな実を実らせた完熟した木であった、しかし、透かした葉は葉脈が見えており目を凝らすと養分が流れていると分かる。

左へ変えると親指の位置を右に進んだ歩幅と同じだけ開いた、そして私は真っ直ぐ進むとまた方向を指の位置戻した、それを何回かした、私は同じところを廻っているよう見えたが、その実、着実に前へ進んでいた。

道が開けると彼女の家に有った、横目に欠けた断片を見ていたハートのマークは葉っぱにも思えたし彼女の家の家紋にもよく似ていた私は彼女の家にいた

竹の音が聴こえるような気がした、川のせせらぎ、木目の間から匂う木霊の香りが私の花をくすぶっていた。

「近い」

 雑木林の木をかき分けて出た。

 雑木林が私は彼女に話をしていると、彼女の事を私は駆け抜けた、私の家の縁側に歩を進めていると、彼女が話していた。桜井門の門から竹の音がまた聴こえた、先より荒々しい音が鳴っている。

 桜井門も左から抜けるとシュンがそこには立っていた、私は後ろを見てニヤリと笑う「帰って来た」小声で漏れた、桜井門の横の藪を見て私の體の型に藪が変形していたのであった。

シュンは掃いている棒を持つ手を止めてジト目にこちらを見ていた、「おい」と言うと私は體を曲げて向きなおる、彼の巨漢が水蒸気に交じって私へ近づいて来るようだ。私は桜井門の前に立つ。

私は身を縮めて彼の手が触れるのを待った、彼の手が私の頭を掠める、ヒナの髪が引っ張られるようだ、手が引っ張られる感覚がした、私の手が彼の手を跳ね除けようとしたが力強い手であっという間に抑えられてしまった。

私はシュロが良く知る桜井門の藪の横から姿を現したのだった。

髪が引っ張られた、私はシュンの手と交わったまま目が潰れるぐらいに目を閉じた、髪から竹を踏んだ時と同じ音がする毛の間に絡まっていた枯れ木の葉が付いていた。

髪を強く引っ張られるごとに私はシュンへ行っていた、「痛い」と言うが彼は相手にしてくれなかった、私は彼の手を剥がそうとしたが手の力は一層強まるのであった、全部取り切ったころには満面の笑顔で私のへ手を差し出した。

差し出した?

私が首を傾げると彼はバツの悪い顔をした、私が指に手を咥えているとシュンは指を挟んで鳴らした、私は彼が伝えたいことが分かったようにも感じた、私がそこらのドングリを彼に渡した、すると、彼は私に飛びかからんばかりの勢いで彼女にかかった。

私も応戦してどんぐりを投げた。

私たちは疲れてへたり込むと、当たり前の話であるが、水を飲むために水辺に寄った。

水手舎の近くに来ると私たちは神社と汚れを分ける山毛欅の森林に目が行くことになる。竹の先が堀の下から竹林の音色が上り下りする階段から聴こえて来た。

私が横目に慣らすと私がシュロを追いかけまわす時に置いて行ったスコップと上着が、まだ、立てかけられていた。

「シュロ」

四つん這いになると、水の香りを鼻で確かめる、腐っていない生き生きとした水であることが証明された、整合性が取れぬまま私は川の水に顔をうずめていた、飲んだ瞬間私の空の胃袋の全細胞が飲み水を吸収した。

二人して前かがみになり乳母のミルクを飲むよう川辺の生水を飲んだ、私たちは顎が川辺に当たり濡れても構わずに表面張力に浮かぶちょっとの水を飲んでいた。

夏の夜は蝉の声が五月蠅かった、秋晴れの涼しい風が湿っぽい梅雨入りの湿気の中、南風が吹いていた。私は家の縁側の横で組舌を脱いで、石畳の振動を歩いた、綺麗で尖ったガラス瓶の破片すら砂嚢へ落ちてはいなかった。

ああ、喉が渇き朦朧としていた私には歪んだひずみのよう見えていた、私の手が地面に付いた私の手と、距離が分かるようになってきた、私はシュロに朧気ながら言われたのだ、「私の隠した場所」を。

 私がシュロに話しかけた時にシュロは私に彼女が居ると赤らめた、そこで切り返して私が切り返すとお手玉で遊びだした、私は付き合って疲れたのか彼女は寝てしまったのだ、そして私が膝枕をしている時漣がきこえたのだ。私はそよ風が吹く方に體を向けると藪の道が空いていた、そしてそのまま、徘徊者の如く虚ろな目のまま森に入ることになった。

 私は桜井門の前に姿を現した。

シュロは私の事を話していた、ヒナは藪の中にいた、私は全にシュロの場所を聞こうとしたが、禅は純と遊びに出かけており私はシュンと箒で掃くときに会う事となった、私が持って来た破片と彼が持って居る箒が合った。

 宵闇の蛍より輝く太陽が、私は夢の中でさえも彼女のヒカリを辿っていた。わたしでさえも彼女に話をしてはいなかった。

 私は雑草が多く生えている荒れ地に足を運ぶことになった、私は彼女に話していると思うのが彼女の家の間取りであった。宵闇の中では木々の騒めきだけが頼りである、私は通り過ぎようとも風の中でもがきあがいているに過ぎない。

 木の根は私が土を踏む瞬間に土だと分かり、木の実は果実が土に落ちて初めて存在を認識する世界だ。

唯一のヒカリは蛍の明滅する小さな輝きだけが私の道を明るく照らしてくれた。

 蛍の先には彼女が話していた多くの墓地があった、私は彼女の家の隅に有る小さな苗木を手に持ちながら必死に土を掘った。土は手で掘ると小さな穴すら掘れなかった。私は彼女の異様な手さばきに肝を冷やした。

 私は彼女に話を聞いているとその家の時より大きな家の話をしていた、私が済んでいる家は浅井の家に比べてとても大きかった、蛍の輝きは背流の如き湧き水の力を得ていても、蛍の力強さが敵うことはなかった。

 私は家の奥に彼女の家の話をしていると彼女の事を話していた、私は家に帰るとその家の大きな間取りに驚いたのだ、彼の家には一階建ての木造住宅だった。

 私には彼女が話をしているような言葉は聞かなかった、私にだけしか分からない程度の小さな声であったが禅が私に感謝の言葉を伝えてくれたのは道で私の事を考えるより嬉しいことであった。

 軍配は彼女に挙がっていた、夫婦喧嘩は私の趣味に合わなかった私だけが彼女に当て字をしていたのだ、彼女はそうではないと言っていたが彼女にはとても聴こえの良い造語に聞こえただろう。

 彼女は私を見ると一目散に走り出した、彼女が時折見せる顔は微笑みにもとれたしそれが私の事を彼女に見立てていた、彼女は私の事を話していると丑三つ時に一回と朝の六時に一回起きてから床を出たとのことだった。

落ちた昼の太陽が赤黒く染まりつつ見込まれるような灼熱の夕日に変わっていた、昨日は近世に近いグロテスクな褐色の金色であったが、今日は黄ばんだ本に水をかけたカビの生えている本に似て気持ち悪かった。

「彼女に話していた」

 私は彼女に多くの事を見ていた私は彼女に話をしていた彼女の話をしていた。私はそれを彼女に話していた。私は彼女の家の中の話をしていた、私はシュロが家の中から出ないことが気がかりであった。

「本当にここに有るのよね」

 私はジュンに聴いた。

「ええ、ここに有るわよ」

 シュロが代わりに答える、ジュンが勤勉にも穴を掘り続けたようでピラミッドの墓石程度の掘りはできた。

「私たちは確かにドクダミ畑の土の下へ埋めたのよ」

 私は手をこまねいていてシュンにも穴掘りを頼もうとしていた、彼を見ると禅と話している所でその口ぶりは穏やかであった。

 私が手を上げて呼ぶと彼は私の声に応じた。

「おい、シュンも手伝ってくれないか」

 大きな声で私は呼んだ。

「ああ、いいぞ、着替えたらそっちに行く」

 禅は端からシュンに手を振っていた、私は彼が事務所に入るのを見届けると穴から探し物を探す作業へと戻った。

「シュロ水飲み休憩に水手舎へ行ってくるね」

 ジュンは手を振った。

「行ってきてね」

ジュンに手を入れると私は彼女のことを話した。

私は水手舎の柄杓に手を掛けた、柄杓の色が私の手に当たりとても冷たかった。

「私は彼女に話した」

 青い竹が生い茂る竹林の奥の葉を見ていた。

私は横目に彼を見ているが、社に水手舎と下流に流れるよう聳え立つ山毛欅の大森林が私の心臓の鼓動を高鳴らせていた。シュロもジュンも、土を掘っていたが一向に宝のありかは見つからなかった。

生い茂る薬草が辺りに植えられていた、植物には三つ葉、山ウド、堀の所に自然薯のツルが伸びていた。

 竹林から来るそよ風に髪が触れた私の事を話した、本殿の曲がり角から横に抜ける道に有る、無造作に造られた登り階段の事を思い出した。私が中に入ると少ない石工を工面して作ったであるだろう階段が有った。

 天井から照らしている灯篭の紐が竹に最低でも一個は付いていた、竹と竹の間に紐を結び末端を掘りに刺した杭でつなげているのだ、竹林の奥からは橙色の鈍色に光る淡い灰系の赤が、暗い宵闇を照らしている。

 私は竹の一本を手で叩いた、私が目印にした竹だ。角材で造られた鳥居の中に社が経っていた、社の中には、髪の無いお地蔵さんが指で円を結びながら目を閉じている、余った角材でつくったであろうか、端の節々が乱に引きちぎられていた。

 端正に造られた墓標でさえも彼女の関心を動かすことかなわなかった、口げんかに置いてもこころを見ることができるヒナにはとても勝てない勝負である。ヒナに敵うはずもないのだ、彼が私を初めて会った時に私の顔以外を見ていたことは明白であった、私は彼女の家の奥に有る彼女の石碑を見ていた、彼女の銅像と石工の通りとまじまじと見ていた。

 宵闇の先に有る暗雲の彼方にヒナが居ることは明白であった、ヒナは私が話していた道丹がよじれて気分が悪くなっていた、私は事務所の池に有る開けたを縁側と呼んでおりそこで良く足を休めていた。

 この竹林には足を休めるような場所もなかった、有るとすれば全うし灰色に変色した竹の残骸だけであった、私は柔らかくなった土に足をかけて座る、背もたれとして使った石工がリクライニングの仕様でなかったのが、せめてもの要点としか言いようはない。

 石工の階段の奥からひかりが漏れ出て私を照らす、灯篭のヒカリが太陽から漏れ出る斜陽と灯篭の紅の色に近い橙色が交じり合う。東は暗かった西は赤黒いヒカリが、上り下りの階段から竹林を照らした。

 ビュービュー

夏の直前に来る暴風雨の爆風と同じような風が竹林全体を揺らした、緻密に積み上げられた土の牙城も突風の力に当てられて膨らむように空気をため込む、ため込んだ風は東の方角へ吹いていった。

 竹の音がそこら中に張り巡らされている、私はおもむろに左側の側面が気になった、根の伸びの具合に差は有るけれどお堀の斜頸部分が裂傷の如く根っこが張り巡らされていた。

 私は、持参した水筒に入っている水を飲んで水分補給をした、吹き荒れる風の中竹林の音に合わせてお堀に生えた壁画を楽しむ、それは私にとっては頬が緩む程度には楽しかった。

 薪を焼くような音がした、私の體から冷や汗が出て来た、震えてモノを床に投げ捨てた、まさか灯篭が落ちて引火したのか、私は確認のためにいつ落ちるか分からない灯篭の中を歩いた。

 音の主との距離は近くなっていた、パチパチとした音は歩を進める程に大きなって行く。目を大きく見開いていた、麻で組んだ紙垂が藁に結ばれた状態で置いてあった。

その、しめ縄は私たちが探していた落とし物であった。

 上り下りのための階段の大きさが東と西で違うのである、東側側の階段が西側の階段より大きい。東側の階段から送られる風と西側の風のほぼ両方が同時に送られるため地竹が揺れる。

 靡く強風が、竹に当たり灯篭を揺らした。

 私はその縄を持って入った、シュンもシュロも満面の笑みであったが、禅がどこか不満そうでもあった、それもそのはずである、私は泥だらけで帰って来たのだ、私が来ている着物を洗うのにも洗剤を溶かし手で洗う必要があった。

 結納でもないのに礼服を着ていたのですから。

 彼女は夢の中にいる彼女の事なんぞ誰も聞いてはいなかった。雲に満ちた空より掃除の済んだ家の綺麗な棚が晴天の青い空に似ていた。棚の下段から上着を取る、シュンは上着を腕に巻いて押さえつけていた。

 結納の儀式も彼女の締め付けにはとてもかなわなかった、私は家に帰る頃に大きな鞄の場所すらわからなくなっていた。私は彼女に大きな鞄が彼女の家に有ると考えていたがどこにも見当たらなかった。

 シュロはジュンの言葉を森の鳴き声として耳に残した、シュロはジュンに耳打ちをしていた、写真の背景は白くただれており荒れ地の魔女は膨れた顎に有る脂肪を震わせて走っていた、荒れ地の魔女の写真を見ていたからだった。

 写真には彼女の家が離れにあった私の家には荒れ地の魔女の居場所すらわからなくなっていた程である。私は彼女の腹に手あたり次第触れてみたがゼリー状の寒天の重み程度の重さは有ったことは嬉しかった。

 シュロは私の頭を撫でてくれた、私は彼女に笑顔を向けたが彼女がその真意に気づくことは無いだろう、私は腰を上げると斜陽のしたで彼女の頭に手を置いた。

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