3-18
「溜まり場みてえなもんだ。それに敵を切ってストレス発散もできるんだぜ?最高のゲームだ。それだけだぜ」
「ええ、そうね。あんたが来るまで死ぬとか知らなかったわけだし、普通にリアルなゲームとして楽しんでたわよ」
「私もみんなといる時間が楽しかったから……」
そう言う彼らに、ぼくは困惑の目を向けて言う。
「死ぬってわかっても続けるのか?」
「当たり前だ」
当然、といったような顔で彪馬はぼくに言う。
それを聞いて他二人を見るも、彪馬に賛同と言ったような顔しかしていなかった。
「なんでだよ!」
「居場所がねえからだ」
ぼくが叫んでそう言うと彪馬が冷静にそう返す。
「ま、オレは元々不良で、今じゃはぐれものみたいな扱いでまともに町も歩けねえからな。昔つるんでたやつに会えばその時点で首が飛ぶかもしれねえ。だから、ここにいるしかねえんだよ」
それを聞いてぼくは、そうか、と相槌すら打てず黙り込む。
「それにオレとつるんでるってわかったらこいつらだってどうなるか分からねえ。だから、このゲームはやめられねえよ」
「……」
ぼくがその話を聞いてしばらく黙っていると、彪馬は、気を使わせわりぃ、と一言いう。
いや、きっとその言葉を引き出させたことが気を使わせたんだろうな、とぼくは思いつつも重々しく口を開いて言った。
「いや、ぼくの方から聞いたんだ。むしろ話させて悪いな」
「構わねえよ」
「じゃあ、あの時ぼくが戦闘してきた時に乱入してきたのは?」
「ああ、自分のテリトリーで戦闘されるのは侵略戦争受けてんのと同じだろ。だから仲裁って言う体で戦闘止めに行っただけだぜ?」
「なるほどな」
ぼくはそう頷く。
そして、不意に見た奈永に向かっていった。
「そう言えば、剣は?」
「あ、えっと私は……」
そう奈永はおどおどした様子で口をモゴモゴさせながらぼくに言った。
「私の剣はみんなと違ってただの剣だから」
「というと?」
ぼくが聞き返すと、えっと……、と言って走り去ってしまった。
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