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3-13

 いや、その彼女の持つ剣は剣と言うには少し違ったかもしれない。

 どちらかと言うと形状は短剣に近いのだ。

 持ち手の部分は、両手で持つ余裕はなく、刀身も約30㎝ほどしかない。

 彼女の剣は持ち手の部分が赤くきらびやかに光り、剣先は波打つような光沢を見せている。

 今まで見てきた剣の例にもれず美しい。

 あ、いや、もちろんうちのシュナが一番かわいいんですけどもね?

 そんな、短い剣から繰り出される一撃を見てぼくは思わず叫びそうになった。


 「シュッ——」


 そう、叫びそうになっただけである。

 なぜ叫ばなかったのかって?

 答えは簡単、呼ぶ必要がなかったから、めちゃくちゃ簡単に避けられたから。

 体をすっと右に引くだけで初撃は余裕で避けられた。

 その後、彼女は躍起になって距離を詰めたりいて攻撃を繰り出してきたものの、その攻撃の全てがぼくにとっては避けやすい攻撃で、簡単に避けることができた。


 「えっと……舐められてる?」


 思わずぼくは言った。


 「あ~、もうイライラするわね!なんなのよ!ちょろちょろ動き回って!さっさとくたばりなさい!」


 ぼくの言葉が着火剤になったのか、彼女はより躍起になって攻撃を連発してくる。

 しかし、その攻撃のどれもがぼくに当たることはなった。

 むしろ、ぼくに反撃する余裕すらあった。

 だからぼくは、彼女に向かってこぶしを放ち、相手の顔の手前で寸止めした。


 「やっぱり女性は殴れないかな~」


 ぼくはそんな風にお茶らけて言ったがこれは本心である。

 いや、女尊男卑主義者だなんて自分のことは思ってないけど、何と言うか、陰キャだからと言うか、女性耐性がないからだというか、自分が女性じゃないからよくわからないというか、何と言うか女性に対してはちょっといろいろ気が引ける点があるのだ。

 だから寸止めした。

 決してふざけているわけじゃない。


 「ちょっとあんた?舐めてるのあんたじゃない?全くいい加減にしなさい!」


 そういって彼女は、左手片手で剣を握って、ぼくの右腕に突き刺してきた。

 彼女の顔の目の前で握りこぶしを作り、威嚇と言うか降服勧告をしているその右腕をだ。

 ちょ、ちょっとタンマ!ふざけてやっただけじゃん~、わかったわかった、ごめんって~、って言うノリくらいで済むと思ったんすけどね。

 ……あ~、現実って世知辛いですね。

 と言うか——。


 「——いってぇ!!」


 もちろん剣で腕を刺されたのだ。

 当然の反応である。

 その後ぼくが、いてぇ~、あ~、なんてことしやがる!仮にもぼくは上級生だぞ!今まで一回もそういうこと笠に着たことないけどな!などと床に倒れこみ悶え苦しんでいると、二階堂がそのぼくに攻撃を仕掛けた張本人に、いろいろと話をしているのが耳に入った。

 そして、大丈夫か?と二階堂に声をかけられて手を貸してもらい立ち上がる。


 「それで、なんでいきなり切りかかったんだよ霧花(きりか)


読了ありがとうございます。もし、面白い、続きはよ、と思いましたら、いいねブックマーク感想修正点等々いただけるとモチベーションにつながりますのでよろしくお願いします。また、ツイッターでは、ボチボチ日常の愚痴だとか、更新状況だとか言っておりますのでよかったら見ていただけると嬉しいです。ではでは、次回もお楽しみに~

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