3-12
例の二階堂は……いた。
そして、二階堂と一緒にいるという女子二人も……。
ここはいきなり話しかけるべきか?
いや、怪しまれる、主に女子二人の方に……。
だって、多分あの女子二人二階堂と同級生っぽいし……。
あ~、話しかけづらい。
辛い、苦しい、きつい。
何だ、この三重苦は!
そんな時、二階堂の周りに衛星のようにくっついている二人のうち一人と目が合う。
その瞬間、ぼくは死を悟った。
ああ、終わった。
これ社会的に死ぬか、向こうの世界に連れていかれて物理的に死ぬやつだ……。
そして、二階堂も女子の視線の先を見てぼくを発見する。
そして、彼はぼくの方に向かって来る。
「お前一昨日くらいにやり合ってたやつじゃねえか。生き残ったのかよ、あの状況からよ。で、オレに用か?……ああ、あの様子だとあの女倒せてねえよな。じゃあ、オレらと組みに来たってことか?」
「ああ、うん、まあ、そんな感じかな?」
ぼくはいきなり話しかけられて戸惑いつつ、変な冷や汗をかいてそう応対する。
「やっぱか、んじゃ、話しづれえし向こう行くか?」
来た、向こうに行こうの提案だ。
片桐には行くなと言われたが、それはあくまでぼくの安全を考えての話だ。
いや、実際死にたくはないし、断ってもいいんだけど、どうやら行かないことには話が進まない感じがある。
と、言うか今のところ二階堂は、こいつ殺すみたいな雰囲気は感じ取れないし行ってもいい気は正直した。
しかし、どうやら論点はそこじゃないらしい。
ああ、確かに二階堂からはだまし討ちで殺そうだなんて様子はない。
けれども、問題は取り巻き二人だ。
この二人からは完全にぼくを邪魔ものとする視線がぼくに向かって降り注いでいる。
しかも、何も言わないで黙っているのがなおさら怖い。
せめて、何あいつ、きっも、くらい言ってくれればまだマシなのかもしれない。
いや、それでもメンタルけっこ来るけども、無言の圧でも簡単に潰れかけてるけども。
いや、もしかしたら彼女らが勝手な行為、つまりぼくを殺そうとしても最悪二階堂が静止してくれたり……いや、それは楽観視しすぎだろうか。
ともかく、いかなければ話は進まない。
言うなれば、選択肢で永遠にノーを言っても物語が進まない状態と一緒だ。
やるしかないのだ。
覚悟を決めろ、最悪シュナがいる。
「……わかった。でも、ここで行くなんて言わないよね?さすがに人いるしさ……」
「ああ、もちろんだぜ。更衣室にでも行かねえとな」
そういって、二階堂と二人は一階にある保健室隣の更衣室に向かって歩いていく。
そして、ぼくもそれについていく。
その間も、ぼくは彼女らに睨み続けられた。
そんな状態がしばらく続いて、更衣室に入ってすぐにぼくらは向こうの世界へと移動した。
そして、ぼくと二階堂は男子更衣室に入り、彼女らは女子更衣室に入って、別々になったわけだが、ぼくらが男子更衣室から出た瞬間、彼女二人のうち、身長が高い方が剣を持ってぼくに襲い掛かってきた。
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