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3-4 

 そこにいたのはふくよか、言ってしまえばいい感じに肥えた体系の男が一人。

 あぐらをかいて座っており、左手側からは光が漏れており、ディスプレイか何かがあるとわかり、その光に照らされて右手側にポテトチップスの袋があるのがわかる。

 さらに、丁寧に割りばしまで。

 まあ、ポテトチップスの油を機材に付けたくない気持ちはわかるが、それにしてもいかがなものか……。

 服装はメガネに黒のスーツ姿、しかし、ボタンが閉まらないのか、シャツのボタンはしっかりしめているものの、ジャケットのボタンは一つもしめていない。


 「なんだ?このオレに用か?」


 そう言いつつ、片桐と呼ばれた男はこちらを向く。


 「ああ、美結が連れてきた新しい仲間に紹介しようと思ってね」

 「……フン、そこのちんちくりんか。男か、まあ、いいだろう。女じゃないだけマシだな」


 そう言って、片桐はぼくの姿をじっくりと凝視する。

 ちんちくりんとはなんだ、と言いたかったが、まあ、初対面からギスギスするのは嫌だったので言葉にはしなかった。

 一応175あるんだけどな……。


 「フン、まあ、戦えそうだな。女を前線に出すなどオレの気が気じゃないからな。それに、タイプでない女を見ているのはとてもじゃないが気分がいいとは言えない。男なら、まあ、普通に話せるだろうしな」

 「そうか、気に入ったらなら良いんだが。……簡単に自己紹介してくれるか?」

 「ああ、構わんとも。オレの名前は片桐(かたぎり) 朱壱(しゅういち)。見ての通り、ニートだ!!ここでは、就活に落ちてから世話になっている。もう当分、向こうの世界には帰ってないな」


 さも当然かのように、オレはニートだ!と言い放った片桐に、ぼくは苦笑いしか向けることができなかった。


 「フン、まあ、そんなところか……?いや、仲間だというのなら剣を見せないといけないか?……お前はもう出しているのか、フン、準備がいいな。それで、能力は?」


 片桐は腕を組んでそう言う。

 さっきから右手を顎に当てたり、腕を組んだりしているのできっと癖なのだろう。

 と、ここでぼくは一つ迷いが生じる。

 ここで本当の能力を言うべきか?

 信頼関係的には確実に行った方がいいのはわかるんだが、どうにも気乗りがしない感じがした。

 いや、明らかに本当のことを言った方がいいのは確かなんだが……。

 ん?ちょっと待てよ、と、ぼくは考え直す。

 そう言えば、彼女にぼくは能力を言っているじゃないか……ああ、嘘を言う意味がなくなった。

 ぼくはそう思って、本当のことを片桐やサトーに言った。


 「ぼくの神剣の能力は、相手の能力をコピーする能力ですね。まあ、と言っても条件があったり、コピーした能力は1日1回1分までって誓約がありますけどね」


 尤も、それだけじゃないけど……。


 「フン、使いようによっては前線も、オレのように後衛もできそうだな」


 そう言うと、片桐は自分の腕を胸に入れ、神剣を取り出す。

 その剣は、色は全体通して黒だが、光沢など光の反射によってところどころ白に見えるところもある。

 見た目的には、刀身の刃の部分が波打っているような見た目をしており、ナックルガードはグリップを持った時に腕に対し垂直になるように、3重の円が作られている。

 ガードの部分は、バネのような螺旋階段を描くようにぐるぐるとしており、それまでもが黒で一貫されている所を見るとその美しさに惚れ惚れする。


 「オレの能力は、いうなればドローンだ。最大5機まで飛ばせるぞ。さらに、オレはただの機械オタクじゃない。オレのドローンにはカメラが付いている。これでお前らにもオレに見えている情報が行き届くと言わけだ。フン、分かっただろう。オレは戦闘に不向きだ。誠に遺憾だが、そこの固城に戦闘は一任せねばならない、誠に遺憾だがな。こんなところだな。聞きたいことがあれば何でも聞くといい」


 それを言い終わると、片桐は、フンスと息を吐いて、またディスプレイの前に座ってポテトチップスを箸でつまみ始める。

 それを見てサトーはぼくに声をかける。


 「まあ、こういうやつだ。自己紹介が聞けたし彼のことも少しわかっただろう。それじゃあ、本題の情報の提供とこれからの話をしようか」


 そう言ってサトーはぼくと彼女をこの指令室の中央の机に集める


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