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1-1 

 パチパチパチと、(カード)で鳴る音が教室の片隅で聞こえる。

 教室の端には、ぼくを含めた5人ほどのグループが向い合せた二つの机を囲んでいる。

 そこでぼくはカードゲームをしつつそのグループで談笑している。


 「なあ~、お前も『刀剣神歌伝(とうけんしんかでん)』やろうぜ?」

 「え、なにそれ?っていうか、タイトルが今どき漢字で古風な物って見ないよ?最近は横文字ばっかりでさ~」


 ぼくはカードをプレイしながら、対面に座って相手をしている友人の海翔(かいと)に言葉を返す。


 「いや~?そう思うじゃん?これがね~、違うんだよ。めっちゃリアルなゲームでレイドでエネミー倒したり、タイマンでやり合ったり……。マジで楽しいんだよ!」

 「あ?VR?持ってないぞ、そういう機体。ゲーム筐体とかエネミックムーバー2で止まってるが?」

 「マジ?……十、二年前?」

 「ん~、大体そんなもんじゃない?」


 海翔のこわばった表情を見ながらぼくはそう答える。


 「あ~、いや、VRじゃねえし、そういうのは気にしなくていい。まあ、何だ。スマホがあればどうにでもなるからな。インストして一緒にやろうぜ?」

そう言って、海翔はぼくの肩をたたく。

「……あ、じゃ、(ドラグーン)(ジャック)(エレメンタル)でチェックメイト宣言」

 「あ?」

 「対抗は?」

 「……負けだよ、負け!」


 そう言って、ぼくが鋭い目を向けると、海翔はさっとカードを片付ける。

 

 「まあ、気が向いたらな。入れておけよ?」


 そう言って、海翔はまたぼくの肩をたたいて机をもとの位置に戻して、自分の席に戻った。

 これから午後の授業か……。

 授業中は、ずっと、海翔の言っていたゲームのことを考えていた。

 実際おもしろそうだって思う一方、所詮ソシャゲだろ、とも思う。

 いや、これで有料ゲーム紹介してたらブチギレだけどな?

 そんなことを考えつつ帰宅したぼくは、速攻でそのゲームのPVを鑑賞した。


 「あなたがいないと……この世界は……」


 そんなセリフから始まったこのゲームのPV早速画面に打ちしだされるは荒廃した世界。

 こんなのはごまんと見た。

 正直使い古された設定だ、例えるなら、そう、異世界転生的なあれだ。


 「私を使って、世界を救うの!」


 そう言って画面目いっぱいに映し出されていた、このゲームのアイコンになっているメインキャラクターだろう少女は、姿を剣へと変え、一人称視点で描かれたこの視点の下から生える手に握られる。


 「ああ、そういう系か」


 思わず声が出る。

 だって、そういう系なんだもん。

 そして、バッタバッタと快調に敵を斬っていくシーンが描かれてこのPVは終わり。

 まあ、設定的にはありきたりって感じもするけど、無料のゲームっぽいし一回入れるだけなら損はないだろう。

 そんな風に思ってぼくはそのゲームをインストールした。

 そのゲームは軽かったのかどんどんとダウンロードが進んでいく。

 2分もたたずしてそのゲームはぼくのスマホにインストールされた。

 ぼくはそれを確認して、ゲームのアイコンをタップしそのゲームを開く。


 『生年月日を入力してください』


 いつものやつだ、年齢確認。

 年齢に応じて課金限度額を決める奴だろう。

 どうせ課金する気もない、正直に入力しようか。

 そう思ってぼくは正直に年齢を打ち込む。


 「17歳、8月8日……よし」


 ぼくがそう入力し、確認とボタンをタップすると、赤い文字で『警告』と表示される。


 『本当にご自身の生年月日ですね?』

 

 普通のソシャゲなら嘘ついてもなんともって感じだが、どうやらこのゲームは違うらしい。

 まあ、嘘ついてないしいいな、問題なしと。

 再度ぼくは確認のボタンをタップして先へと進める。


 『登録完了だよ~!じゃあ、これからは君の世界を救う物語のスタートだ!頑張ってね』


 そう、案内人であろう子が言うと、画面にはこの地域一帯のマップが映し出され、それと同時に画面の中央にはぼくを表しているであろう、透明なピンが立っていた。

 レイド~が云々とか言っていた割には、マップを見た感じそんなものは発生していない。

 まあ、偶然起こっていなかっただけだろう。

 ぼくはそう一人合点して、今までグデグデしていた体をベッドから起こして、まあ歩いてみっか、と声に出して言って自室を出る。


 「に、しても、GPS連動マップお散歩系か~、刀剣ゲーでこういうのは見たことないな。ま

 

 あ、まだ面白さとか全然わからないんですけど」

 そんなことを言いながら、ふああ~とあくびをして、ぼくは玄関で靴を履く。

 ぼくには妹がいるのだが、彼女の靴がそこにはあるにもかかわらず、声が聞こえない。

 いつもは友達と電話やら、FPSゲームだのなんだのでうるさいはずなのだが……。

 次の瞬間、家を出ると同時に真っ先に目に入ったものにぼくは驚きを隠せなかった。


『あとがき』

あとがきと言うよりかは私自身の補足というべきか……

なにぶん初めてでして、このようなものをさせていただきますのは……


できる限り一か月以内での更新を目指しております(目指してるだけです)

良ければ反応のほどをいただけると、自信やらモチベやらにつながりますので、是非よろしくお願いします

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