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初めて恋に落ちました。  作者: はかなし儚
4/4

1ー④  初恋そして

 嘘だろ。

 まさか委員長と白石さんの仲が良かったなんて思ってもいなかった。


 でもよく考えてみれば、成績トップクラスの二人。これがもし同じ中学出身であれば接点がない訳がない。


「白石さんと宮崎さんじゃん。久しぶり〜」

 後ろから、俺の苦手な属性の女子の声がするので、振り返ってみると三人組の女子(見た目かなりチャラそうなギャル)が仲が良さそうな感じで二人に声をかけ近づいていった。


 まさか、白石さんと委員長もイケイケ系なの。


 俺は彼女たちの方に聞き耳を立てる。

 もともと白石さん、委員長と俺の距離は少し離れている(柱越しに俺がいる)ので何の会話をしているか聞き取りづらかったのだが、ギャル達の声が大きいのでなんとなくだが話の内容が汲み取れた。

 

 どうやら白石さん、委員長、ギャル三人組は元々同じ小学校出身らしく、中学は別だったが今の高校で再開したようだった。

 そして俺の予想は当たり、白石さんと委員長は中学も一緒だったみたいなので、そりゃ仲が言い訳ですなと納得できた。


 ちなみに俺のしていることがストーカーっぽいって言わないでね。


 そして彼女たちはしばらく雑談したのち、ギャル三人組の方が離れていった。


 でも、このことから俺は一つ思った。

 委員長と仲良くなることで自然と白石さんと仲良くなれるのかもしれないと、しかしほぼコミュ障の俺が気軽に委員長と仲良くなれるのかが第一のハードルだなと思う。同じクラスだからなんだかんだ関わりは作り易いとはいえ根気がいるような気がする。

 う〜んと深く悩んでいると昼休み終了のチャイムが鳴った。

 

 さて、掃除があるから教室に戻るか。ってそういえば、昼飯食べるの忘れてた。

 俺は移動しながら慌ててカロリーメイトを口に放り込んだ。だが途中、生徒指導の先生に見つかり、歩きながら食べるなと軽い説教をくらった。

 こんなはずじゃなかったのに。


 午後、俺は授業にもあまり集中(毎度のことだが)できずに昼休みの作戦?の続きを考えていたのだが、結局答えが出ずにいた。

 授業も終わり、部活動に急ぐ者がいる中、俺は荷物をまとめ教室を出た。

 明日もまた考えようそう思い帰宅していると後ろから声をかけられたような気がした。


 俺は後ろを振り返る。そこには委員長がいた。


「あれ、委員長?何かよう」

 今朝のプリントはちゃんと渡したし、不備はないはず。

「秋山くん、昼休みのことなんだけど」


 ギクッ。(これって本当にギクッて思うんだ。)


「柱の物陰でずっとこっち見てたけど何してたの」

「えっ、いや〜それは・・・」

 やばい。完全にストーカーだと思われてる。

 これって返答次第じゃ嫌われるよな。どうしよう、いっそ本当のことを言ってしまおうか。


「秋山くん?」

 委員長は俺を不思議そうに見つめる。

 返答に困っているその時、委員長の後ろから数人の漢たちが近づいていた。


「先輩、あいつですよ。この前俺らに喧嘩売ってきたの」

 どこかで見たことあるような、絵に描いたチンピラAが俺を指さす。

 そして1人の大柄な男が俺に近づいて来る。

「これはこれは、うちの弟分がお世話になったようで、しかも女連れとは調子に乗ってるみたいだな」

 パキパキと拳を鳴らす。


 いやね、皆さん。

 何度も言いますけど、ここは田舎だからまあヤンキーも居ますよ。でもね、今俺の置かれている状況、一昔前にタイムスリップしたのかなと俺は思うよ。

 え、今って昭和だっけ?令和じゃなかった?


「ねえ、秋山くん。あの人達になにしたの?」

 俺の後ろに隠れた委員長が不安そうに尋ねる。

「ごめん、俺が聞きたい。全く見覚えないもんあの人達」

 

「んだとてめー。この前俺らにガン飛ばしてたじゃねえか」

 チンピラAが言うと続いてB、Cそうだそうだと言わんばかり。

 ガン飛ばしてたって言われても、覚えがあるとすれば・・・。


「俺の目つきってやっぱり怖いかな?」

 委員長に聞いてみる。


 少し間が空いて(多分考えていたと思う)、委員長は口を開いた。

「ちょっとだけ」


 やっぱり〜(泣)

 何か、顔ですごく人生を損してる気分だ。


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