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デリ嬢を好きになれますか?  作者: ごっちゃん
一章 新人嬢で素人
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新人嬢で素人 2

2018年 11月10日 午後5時


「お疲れ様でしたぁ」


 藍原千歳あいはらちとせはデパートの地下のスイーツを作る仕事をしている。

 実家が和菓子屋で自分もお菓子作りが好きなことから高校卒業後に専門学校へ通い、お菓子作りを勉強してきた。今はデパ地下のスイーツ作りのスタッフにバイトで働き、自分の腕を磨く毎日だ。


「今日も生地作りだけかぁ……」


自分が考えたスイーツをお店に出してもらうためには毎日与えられた役割をこなすだけ。そのうちチームリーダーが自分の考えたスイーツをお店に並べさせてくれる日を信じて。

 けど、バイトに入ってから毎日生地作りと同じ職場の男性スタッフからの食事やデートの誘いばっかりで近頃うんざりしていた。


「男って馬鹿ばっかね」


 藍原千歳にとって恋愛は邪魔でしかない。

 千歳の目標、大事な目標を達成するのに恋愛は障害と変わらない。

 今は1日でも早くバイトから正式スタッフに昇格して目標の金額までお金貯めるのが千歳の目標。

 それには自分を犠牲にしてでもお金を稼がないといけない。


(待ってて、おじいちゃん………)


千歳の決意それはー。





ー2018年 11月10日 午後8時ー



「藍原………千歳?」

「あなたは確か…業務スタッフの後嶋……さん?」


 これは一体どういう状況なんだっ!?

 デリヘルを呼んだら職場の同僚が来るなんてどんな展開だよっ!

 あのS級美女で色んな男からアプローチをかけられる藍原千歳がデリ嬢とか天地がひっくり返るほどの真実だぞ!


「えっと……藍原さー」

「誰ですか?」


藍原は俺の質問を食い気味に否定してきた。

 否定したいのはわかる。普段より化粧濃いし、髪も後ろをまくり上げて纏めてあるから一瞬見ただけじゃ戸惑った。

 だが間違いない。ここにいる超美人の可愛いデリヘル嬢は紛れもなく藍原千歳ご本人だ。


「いや間違いなく藍原千歳さんですよね?」

「人違いです」


いやさっき「ちとせです」って言ってたし。


「なんで風俗嬢なんかやってるの?」

「だから違うって言ってるじゃない!!」


 ここまでシラを切り通そうする藍原を俺は凝視していた。

 俺の知る藍原千歳は、愛想良く誰にでも優しい聖女のような女だと思っていた。

 だけど今俺の目の前にいる藍原千歳は、足を組んで態度悪いし睨むような目付きだし着ている薄い紺色のランジェリーワンピースがマジで色気を出している。


「ん!」

「? なんだよ」


藍原は右手を差し出して来た。


「お金よ! お・か・ね!」

「あ、ああ! そうだったな」


藍原が求めてたのはお金だった。

 俺は急いで財布から16000円を取り出し藍原に渡した。

 藍原は「どうも」て言って受け取ったお金を財布に入れ、お店のスタッフに電話した。


「電話も済ましたし、じゃあシャワー浴びるわよ」

「浴びるって、一緒にか!?」

「そうよ。体を洗ってあげて薬でうがい。確かこういう手順だったかなぁ」


 あのS級美女の藍原と一緒にシャワーだとぉ?

これは一生に1度しか体験できないかもしれないこと。藍原の裸を見るチャンス!


「ずっと見られてると恥ずかしいんだけど……」

「わ、悪い! ていうか今から一緒にシャワー浴びるんだろ?」

「そうだけど……ガン見されるほうが恥ずかしいのよ」


そう言って藍原は身体を守るように両腕で胸を抱く。


「ていうか、藍原…新人なのか? そういう知識あるの?」

「はぁ……もういいわ。そうよ、新人。知識は一応漫画読んだから大丈夫」


情報元漫画かよっ!

藍原は諦めた感じで言い回し、お風呂にお湯を溜め始めた。


「ほんとにしてくれるのか?」

「当たり前じゃない…。お金もらってるし。一応お店の方針で何回でもいいけど、そんなに何回もできるの?」


無理だ


「そんなに性欲強い方じゃねぇし……」

「そっ」


なんの暴露大会なんだよ……。


「ちなみに出来ないプレイってあるのか?」

「そうね…。大体全部?」

「ほとんどかよ!」

「当たり前でしょ? 自分の身体に好き放題触るとか持っての他よ!」


ガード堅すぎだろ……。よくそんなんで風俗嬢やる気になったなぁ。


「私がしてあげるんだから手で十分じゃない」

「まぁ………な」


 あのS級美女の藍原が手でしてくれるんだ、これ以上にないサービスだよ。


「あなたも早く脱ぎなさい」


そう言って藍原は自分のランジェリーワンピースを脱ぎ下着も全部外すした。

 今俺の目の前には全裸になった藍原がそこにいる。後ろ姿でも良くわかるスタイルの良さー


「なんでバスタオルまいてんだよっ!」

「見られたくないからに決まってるじゃない」


 俺は渋々服を脱ぎ、さっきまでやる気MAXだったはずの萎んだ息子を隠しながら風呂場に入った。

 バスタオルを巻いた藍原はお湯の温度調整をし、ボディソープを両手に付けて俺の体を触ろうとしている。


(いいのか? ほんとうにこのままいいのか!)



新人嬢で素人 2 完

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