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デリ嬢を好きになれますか?  作者: ごっちゃん
一章 新人嬢で素人
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新人嬢で素人 1

2018年 11月10日 午後19時半



「あたし、将来の事を考えてるの。結婚しないなら別れよ」


 俺はバカだ。自分の欲に素直になり過ぎて、千尋が言った事、言葉の意味、彼女の気持ち、全てを振った。

 なにが「遊んでたい」だ。何が結婚はまだ早いだ。色んな感情が巡ってその場で5分くらい固まってた俺は、この場に彼女がもういなかった事に気づいた。

 南口のバスターミナルでバスを待ってた俺は、スマホがバイブした事に気づき取り出した。ホーム画面には彼女ー河幹千尋かわみきちひろからー


『今まで楽しかった ありがとう さよなら』


別れとお礼の文章が映し出されてた。

 こうして俺は、リア充フリーターからただのフリーターになった。

 だが、俺には彼女と別れて未練がない事になんの疑問も抱かなかった。本当は、彼女のこと、河幹千尋のことを本気で好きじゃなかったのかもしれない。好きだったら、慌てたはず。なのに俺の心境は、不思議と普通だった。


「なんなんだろうなぁ………」


 俺は自分の感情がわからなくなった。

 千尋とは2年間デートや旅行をした。もちろん楽しかったし、彼女も俺から見た感じ楽しそうだった。


「……じゃあなんで、なんとも思わないんだ?」


もうすぐバスが来る。このまま帰って寝る。


「………………」


 ほんとだったら、飯食った後にホテルでするはずだった俺の息子は完全にやる気で、立っているわけじゃないが感情的な部分がキリキリしてた。

 もし俺が童貞だったら家で自家発電なんだが、1度してしまうと誰かにしてもらいたい気持ちが出てくる。さすがに風俗嬢にしてもらうぐらいだったら……。

 俺はスマホでデリヘルを検索してみた。地元は広い。地域によってお店も分かれていて、どれにすればいいか迷ったが自分と歳が変わらない学生系のお店を開いて女の子を見てみた。


「正直誰でもいいんだよなぁ……」


 俺は駅近くのホテルに向かう。その途中でお店に電話した。

 女の子は特に決まってなく、お店のスタッフからは、


「ーでしたら、今日入った新人の女の子はどうですか? 初めての方だったら女の子も安心しますし」

「じゃあその子で」

「ありがとうございます」


 駅の近くにあるホテル(休憩2時間5000円)の部屋に入って俺は女の子が来るまで待つ。

 コースは1時間で14000円。移動代はかからず指名料の2000円だけ。女の子が嫌がる行為は禁止だ。

 別に襲うわけでもないし、ただ1回それでいいと思ってる。彼女と別れた後にデリヘル呼んでしてもらおうなんて、我ながらクズだ。


(初めてのデリヘル、いったいどんな子が来るんだろう……? 風呂溜めたほうがいいかな? シャワー浴びといたほうがよくないか?)


と初めてのデリヘルにあたふたしている時、


「???!」


部屋の電話が鳴り出した。

 俺は受話器を取り、


「お連れ様がお見えになられました。通してもよろしいでしょうか?」

「お、お願いします」


動揺を抑えきれず電話に対応した。

 俺は部屋のソファーに座り深呼吸しながら入り口の方を見つめる。


(初対面の人と……。めっちゃ緊張してきたー!)


コンコン。


 入り口の扉をノックする音が部屋に響き、ドアノブが回って扉が開く。

 そして中に入って来た人物は、


「お、お邪魔します。ちとせ……で………す」


まさかのあのS級美女の藍原千歳あいはらちとせだった……。


新人嬢で素人 1 完

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