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1話 誕生と現状

ふわふわ浮かんでいる感覚。心地良い、ずっとこのままで居たい。目を少し開けると、眩しい光が差し込んできた。



「旦那様、奥様、元気な男の子ですよ!」



頭から声が降ってくる。私は生まれ変わったのか、男の子に……?


周りがザワザワしているが、その声は遠くなって……考える暇もなく、私は深い眠りについた。




生まれて4年がたった。この4年間、本当に何も無かった。目が覚めて、乳母さんらしき人がお乳くれて、メイドさんがお風呂入れてくれて。離乳食が始まって、たまにお父さんみたいな人が会いに来て、メイドさんと話して帰っていく。


そんなのが続いて、立てるようになって、私は4歳になったらしい。


それまでに色々考えた。どうやら私は願った通り、フェリシアに転生したようだ。豪華な部屋、メイドさんと執事さんが居ること。鏡を見ると、サラサラの銀髪に蒼目の美少年であったこと。決め手となったのは……



「フェリシア様、旦那様がお呼びです。一緒に行きましょう」

「はーい!」



私の名前はフェリシアなのだ。死ぬ直前に願ったし、ラノベでよくある悪役転生だろう。フェリシアはフロレンティーノ公爵家の三男。魔法の才能が物凄いチートだったと思う。


私は子供らしく返事をして、考えながらメイドさんについて行き始める……ゲームの中でのフェリシアはあざとくて可愛らしい、そして腹黒い。私もそんな風に生きて行けたら良いのにな。


お父さんとは赤ちゃんから1回も会ってない。……これは、放置パターンの毒親か?顔も覚えてないが、かなりの美形だったはず。そもそもお母さんがいない。2人の兄も会いにこない。2人とも攻略対象だった様な……


そんな事を考えている内に執務室の前に来た。



「旦那様、フェリシア様をお連れしました」

「入れ」



中に入ると、威厳のある美形お父さんって感じの人が居た。若いな。20後半と言ったところか。老け顔だから前半かも……



「えっと……おひさしぶりです。お父さま……?」

「……ああ。久しぶり、フェリシア。今日お前を呼んだ件についてだが、これから本格的に勉強が始まる。その前に、教会にステータス測定に行く」



?もう勉強が始まるのか……抜け出して図書館の本読みまくって魔法についてとか頭に入ってるんだけど……ステータス測定とかテンプレですね。



「それと……お前を兄弟に紹介する」



と言うか……まだ知らせてなかったの?……フェリシアの兄ってどんな感じだったっけ……?


よくよく考えてみた。確か、長男がシルヴィオ・フロレンティーノ。優しいフェミニスト。魔法や剣の才能は無かったが頭が良く、私の父様、宰相の後を継ぐために勉強していた。攻略対象としては優男枠。


それで次男が……クレート・フロレンティーノ。性格に難アリ。んーと確か……魔法の才能は無いけど、体格が良くて騎士を目指してる。勉強が大嫌いで、授業からも逃げ出すやつで悪ガキで……ゲームでは……ほら、あれだよ。第一印象最悪なやつ。ツンデレからデレを抜いたような人だった。


うわぁ……次男面倒くさそう。

あれ?そう言えば……



「お母さまは?」

「……実はな」


渋々話し始めたお父さん。要約すると、私のお母さんは元々体が弱く、私を産んだ衝撃に耐えられず亡くなってしまったらしい。えー、急にシリアス……




「……お兄さまはどんな方なのですか?」

「上の子は穏やかな子だ。フェリシアともすぐ打ち解けられるだろう。下の子は、剣術などは優秀なんだが……少々手のかかる子でな……。お前が産まれてからは荒れに荒れて……酷いことを言ってしまうかも知れないが、許してやってくれ。悪い奴では無いんだ」



何も知らないフリをして聞いてみた。私が産まれて荒れに荒れる……?ああ、そりゃお母さんが亡くなったんじゃ荒れるわな。


クレートと会いたくない……

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