第三話 学院長室
「はあ?そんなの聞いてどうすんだよ」
「日本のチューユーバーがよく経験人数を聞いて回っているのは知ってるよな?」
「まあな、たまに見るよ」
「そこでだ、長寿のエルフに聞いてみるんだよ」
「あっ…」
「そう。長寿ってことはそれだけ経験人数も多いんじゃねえかってことさ。日本ではお目にかかれないような人数が聞けるんじゃないかと思ってね」
「なるほどなー、でもエルフってプライドが高いから経験人数なんて聞いたらぶっ殺されるんじゃねーの?」
「ばーか。何のためにお前がいるんだよ。お前が僕を守れ」
「は、はあ」
問題はどこでエルフに会うかだ。エルフに会うには森にあるエルフの里を探すか、奴隷落ちしたエルフを探すか、国内で探すか。だが、国内にいるエルフは大体高い地位についている。普通のエルフが国内で生活することは認められていないが、魔法の才があるエルフは軍の指揮官や宮廷魔法師、または学校の教師として働くことが許されている。
あっ。そういえばこの学院の学院長はエルフだったな。
「学院長…」
「え?」
「学院長に聞こう。彼女はエルフだ。他にも動画撮影に協力してくれるエルフを紹介してくれるかもしれない。それでもダメなら里を探そう。奴隷はダメだ。トラウマを思い出させてしまうかもしれないからな」
「いや…え?まじ?学院長に?経験人数を?殺されるよ?頭沸いてんの?」
よし、これでオーケー。いざとなったらこいつを盾にすればいい。募集のポスターを貼ってから学院長室に行こう。
「よし。行くぞ」
「お、おい。待てよ!!無視すんな!」
後ろでなんか喚いてるが聞こえない聞こえない。
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ポスターを貼り終えた僕たちは学院長室を訪れて、ノックをしていた。
「すみません。一年D組のポールとボブです。部活動のことで学院長にお話があるのですが、入ってもかまいませんか?」
「構いません。入ってらっしゃい」
「が、学院長!!」
ん?中からなんか聞こえた気がするがまあいい。
「「失礼します」」
ドアを開けると学校長の他になんかいた。う〜わっ、なんか睨んでくる。多分A組の連中だな。何?僕たちなんかしたの?
「学院長」
その中で特に偉そうなやつが口を開いた。
「この者です。この者がこの学院に相応しくない部活を作ろうとしている者です。このような部活は認めるわけにはいきません」
え?そんなこと話してたの?てかもうそんな広まってんの?
「だから、先程も言ったでしょう。もう部活は作られたのです。今さらなかったことにする理由はありません。それに顧問さえいれば部活は成立します。私の関与する所ではありません。」
「しかし、ここは魔法学院です。どの部活にも魔法はある程度使用されています。しかもこの者はD組。その中でも特に魔法が苦手な奴だと聞きます。そのような連中の部活動がこの学院に利益をもたらすとは思えません」
「それを決めるのはあなた方ではありません。部活では必ず魔法を使用しなければならないなどという規則も存在しません」
「ぐっ…。わ、私はプロクター家の長男ですぞ?父に頼めばこんな学院…」
「言っていることが支離滅裂です。あなた自身がこの学院に不利益なことをもたらそうしてるではありませんか。それに、学院内で権力をむやみに使用することは禁止されているはずですが」
「ぐっ…」
「くだらないわね。庶民に先を越されたのがそんなに気にくわない??」
まずいな…。なんとかしないと。
「ちっ。エルフのくせに…。人間にっっ!」
すぅぅぅぅぅぅ。
「学院長!!!!!!」
叫んだ。思いっきり叫んだ。みんな目を見開いて僕を見てる。ボブもハラハラしてる。見てろよお前ら。
いっくぜえええええええ。
「学院長の経験人数は何人ですか!!!!!!」
シーーーーーーーン
で、ですよねー。