明けました(異世界
初投稿で気ままに書きます、基本はのんびりしたいなぁ
大晦日、アルバイター渡良瀬流は、コンビニの夜勤アルバイトへの移動中、酔っ払同士のトラブルに巻き込まれ遅れる、と連絡を入れると時間を確認した。
「もうすぐ年明けか」
なんとなく何時もの道から少し外れ、目に付いた小さな神社で御祈りすることにした。
それが彼の人生を変える事になる。
「はじめまして。そう言うべきかな異界の人の子よ」
「うぇ!?」
神社でお祈りしようと五円玉を投げ入れ、手を合わせていたはず。
なんで自宅の部屋にいるんだ俺は。
そして誰だこの女の人。
「ふむ・・・最近の書物はよく書かれているのだね」
部屋に適当に積まれていたラノベを手に取ったその人はペラペラとページをめくっている。
というか本当になんなんだこの状況。
後土足だこの人、あ。俺もだわ。
「あー・・・いいですかね?」
とりあえず靴を脱いで適当に置いて座る。
夢か異常現象か知らないけど見知った部屋だからか、何故だか落ち着けた。
「ふむ。やはりこの国の子はすば抜けて適応力が高いですね、まあ、その分感情のタガが外れやすいようですが」
ラノベを閉じながらこちらに視線を合わせてくる。
今気がついたけどそれ異世界ものじゃないか。
後綺麗な人だ、生まれてこのかた恋愛経験なんて無いけどそれでも綺麗だと思える。
見た感じの年齢は20いくかいかないくらいだろうか?
銀色の髪、左右の目の色が銀と白の二色で身長は多分150くらいだろう。
体の凹凸はなんというか、ゆったりとした白いクロースみたいな服なのでわからない。
「それほど性的ではない視線ですね、ふむ。どうやらそこまで面倒な事態にならなくてよさそうですね」
改めて。と彼女は本を閉じて元に戻すと座る。
というか自室が狭いから近い。
「えーっと、結局あなたは誰で俺はどうしたんでしょうか?」
とりあえずなんか某(異世界モノ)のテンプレみたいだな、なろうでよくあるやつみたい。
なんて頭の片隅で考えながら質問する。
「詳しく説明する必要もなさそうですね。まあある程度はその状況に近い。といっておきます」
そう言うと、彼女はどうぞ。と、どこからか高そうなそれっぽいコップを出すとこちらに渡してくる。
学も無い俺がそんな紅茶飲む専用のコップの名称なんてわかるわけが無い。
むしろこんないい匂いしなきゃ紅茶の専用カップの事なんて思い出せなかったわ。
「そこは気にしなくても大丈夫かと、所詮知識は知識。生きていく上で必ず必要なことならば覚えるでしょう」
「はぁ」
ため息にも似た声が出た。
まあとりあえず声に出してないのに色々察してる時点で色々考えることがある。
「このような書物が増えているのは色々と都合がよいですね、まあ色々と弊害もありますが」
言いながらちらりと視線をラノベの山に視線を飛ばしつつ優雅に紅茶を飲んでいる彼女。
良い匂いのするにそれにちらりと目を落とし、薄茶色の液体に自分も口をつけた。
「美味いな。それで僕はどういう感じなんでしょう?」
ある程度流れの当たりをつけながら、美人さんで話も通じる人が来てくれてよかった、と安堵する。
「まあ。そこは当たり外れがありますから、人間も神も変りません。八百万を認識しているこの国では馴染み易いはずです」
そう言いながらラノベ、転移物をひとつこちらに見せるように胸元に掲げた。
「転移、ですか」
こくりと頷くと一口紅茶を飲む彼女。
「しかしながらある程度の誤差などありますから、そこは理解していただきたいです」
お付き合いありがとうございます