少女の記憶2
気がつくと私は、見慣れた自室の天井を眺めていた。
木目が人の顔に見えないこともない少し不気味な家の天井。
私の頬には、一筋の涙が伝っている。
ああ、なんだ。私は本当に生き返ったのか。
嗚咽が漏れる。
机の上には震える字で書いた粗末な遺書。
足元には小学校の入学祝いに祖父母から買ってもらった学習椅子。
私の首元には倉庫に転がっていた縄紐が括られ。嗚咽を漏らすたびに少しずつ締められていった。
永遠とも思える落下時間。考える時間は腐るほどあった。なんで私はこんなことしたんだろう。とか本当に生き返るのだろうか。とか。
結論として私は、途中で考えることを辞めた。ガリレオのことはわかったけど、元々そう頭が強いわけではない。あのまま考えていたらどこかで間違いなくパンクしていただろうから。
ただそうして考えたおかげでか。一つ今、思うことがある。
確に私は絶望して首を吊った。だが、今となってはどうだろうか? シチュエーションはさっきとまったく変わらない。だが今の私には大きな希望が溢れてる。
確かに私は一度死んだ。心底この世を恨んで一人で死んだ。けど私は死んでいないのだ。
正しい意味での死は知らない。だがここに今私はここに存在している。そのことがこの上なく嬉しかったのだ。
とりあえず、目先の不安はこの状況を両親に見られること。
涙を拭った私は、急いで首元の縄を解くことにした。




