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8話 因果応報って言葉は大概現実そのもの

この回を書きながら飯食ってる時に豚肉を喉に詰まらせて死ぬかと思った。

はっはっは、死にそう。精神的にもうマヂムリ。

なんでだ!俺何もしてねえだろ!ウィンドがバカやらかしただけじゃんかよ!

帰る!俺を帰らせてくれ!


「さ、行こうか」


「......」


そんな、未だ嘗てない程の笑顔見せんな。

お前コレで俺がPTSDになったらどうすんだ。

毎年夏にガクブルして過ごすなんて嫌だよ。


「いやぁ、お前の心霊嫌いは酷いな、まあ知ったこっちゃないから行こうな」


「ごめんなさい許して下さい既に空気がもう無理というか怖いというかこの一歩を踏み出すともう戻れないっていうか不定の狂気で日常生活が出来なくなりそうというか生命体としての危機を伝えてて纏めると怖いのでやめてください頼むから」


「一口で言えたのが凄いな、それでも行くんだ....俺が素材欲しい」


「...GO」


「あっちょっやめて、鷹は死んじゃう」


許さない、この鬼畜野郎を俺は死んでも許さない。

素材なんて鷹を飛ばすだけで良い。入る必要性皆無。

だから俺は帰る、帰るんだ!


「あ、それとこのMAP一旦入ると一層のボス倒さないと出られないぞ若しくは敵モブの攻撃で死ぬか」


「なあ....お願いだから辞めよう?もうお菓子とかどうでも良いから.....」


「良いんだ、アレは俺が悪かった。だから逝こう、なぁ?」


ドSが、ドSが怖い....

もうなんか恥も何もかもを捨てて泣きたい。

だが鬼畜野郎は多分半泣き状態の俺を引き摺り、墓の乱立している心霊マップに連れ込まれる。


この悪魔まじで許さん。


そんな、威勢を持てたんだ。

今は(・・)な?


□-□-□-□-□-□-□-□-□-□


「えっぐ.....ひぐっ....」


「すいませんでした」


無理だった....カラカラ音鳴らす妙に生々しいスケルトンとか。

ハリウッドの特殊メイクばりのゾンビとか、空っぽの瞳孔をした【ハニワ】とかいうやつとか。

怖い、開始10秒で泣きました。


恥も外聞も知ったことじゃない、先ずプレイヤーが他に居ない。

それでも怖いんだよ、二度とこんなところに来ない。


「そ、それにボスも近い筈だし!?」


「本当か....?」


人間不信になりそうな自分、故に問う。

そして嫌な予感と恐怖で足が動かない。


「前、βで来たんだが。ボスが居る広場でボスじゃ無くてレイス系に囲まれて死んだ...」


「トラウマになりゅぅ!」


「もちつけぇ!あ、違う落ち着け!鷹がもうお前の精神状態に左右されてスッゲェバッサバッサモンスター殺して大惨事なんだよ!モブに同情するぐらい作業で死んでるんだよ!」


そう言われて気付いた、辺りにモンスターどころかカラスすらも。

オブジェクトの枯れ木や墓石しかないという事に。

.........うん。


「やっふぅ!奴ら餓鬼共死に損ないが居ないのなら話は別だ!さあ行くぞ!ボスを倒して帰還する為全速前進DA★」


自分でも驚くくらいの声を出して走り出した。

多分、精神が擦り切ったが故にこんなに吹っ切れてたんだろうな。

走りながらそう思った、明星達が仕事し過ぎたからか、敵モブの気配は無し。

ウィンドとかいう諸悪の根源を置いて突き進む。


そして見えた、ボロボロになった煉瓦造りの広場。

そこに佇むナニカ(・・・)本当に何かが解らない、ドス黒い靄のような物。

気付いた時にはまあ、遅かった。


「逃げろぉ!死ぬぞ!主に精神的な意味で!」


「なんかキタァ!」


黒い靄が飛び掛かり、咄嗟に回避した時に見えた。

今まで会ったモブとは格の違う、今までの西洋系とは違う。

耳のような位置まで裂けた口に赤いナニカが塗りたくられた顔で不気味に笑う。


日本の、精神の奥底に響いてくるその形相に。

無理だと悟り、即効精神がヤられる前にその場で睡眠に突撃した。


「起きろ!起きるんだフィー!」


「俺は何も見ていない!もう寝る!寝てやる!」


駆け付けてきたウィンドと、既にいる鳥達をガン無視決め込み夢の世界に二重ダイブしようとする。

俺は寝る、なので応戦頑張ってくれ給へよ。


だが、そんな幻想は10秒と続かない。


「良いから起きろ!このエリアで死ぬと三分間強制的にホラー映像見せられてからリスポーンするんだよ!それも飛びっきり恐ろしい奴をな!」














は?


そんなん聞いてないし、そんなん嫌だし。


ぬらりと、不貞寝決め込んだ体を起こして死に損ないの【コープスパーティー】に近寄る。


なんで動かねえんだろうなぁ?


まあ、いいだろ。


死に損ないを掴んで呟く。


「恐怖ってさぁ......ねじり潰すもんだよなぁ?」


□-□-□-□-□-□-□-□-□-□


「お前は追い詰めないほうがいいって学んだわ」


「怖かった......怖かった.....」


何が起きたかは知らない。

ウィンド曰く『今まで俺が見た中で一番ヤバい眼をして【コープスパーティー】に殺害宣言したらMPとHP兼用だからか、【コープスパーティー】がガクブル震えながら死んだ』らしい。


気づけばスキル欄に【威圧】Level9が追加されてた.....

何だよコレ、俺が何してたってんだ。


そして召喚モンスターに関しても『【コープスパーティー】が忠誠を誓った為召喚要求討伐数が0になりました。【コープスパーティー】を召喚出来ます。』

うん、天地ひっくり返っても絶対しない。

なんであんなの召喚せねばならんのだ、絶対嫌だ。

あんなの召喚するぐらいなら死んだほうがマシ。


ウィンドもLevel13になり【ハイソーサラー】に進化、白露と同じく下位魔法を全て使えるように。

回復魔法は使えない代わりに魔法攻撃にプラスが掛かるらしい。

まあ...俺と明星はLevel18、白露もLevel15、式戦はエリアボスだったからなのかLevelが中々上がらなかった物のLevel9になった。


「なんか、色んな意味で疲れたからもう落ちるわ」


「リアルでも落ちてしまえ」


「どれだけ根に持ってんだよ....」


「学校の端から端まで『八雲 宗馬に俺の大事な物(精神)を犯されかけた』って叫んでやりたいぐらい根に持ってる」


「家族会議&停学若しくは退学処分不可避なんで止めてくださいお願いします」


くっくっく、頭擦り付けて謝罪する様を見るのは気分がいい。

うん、冗談なんだけどさぁ。

しかしこれだけで許すのもなあ....


うーん、そうだな。


「じゃあ【調合】スキルの取得方法を教えてくれたら許してやる」


「うん?それならジョブが【薬師】のプレイヤーと共同でポーションを10個作れば取得出来るぞ、俺も持ってるしな」


「だったらお前の伝手でその人に連絡取れよ、そして俺が取得したら許してやる」


「それは良いんだがな.....その人ってのがさ.....姉ちゃんなんだわ」


......さて、どうしたもんか。


「1日....考えさせて」


「仕方ないよな.....姉ちゃんだもんな」


うむ、俺の電脳世界での危機とスキル取得、どっちを取るか.....

あの人かぁ、これはひどく悩むな......

一先ず、よく寝て人間として後悔しない選択をしよう。

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