6話 魔法じゃなくて魔砲だった
人気が....しゅごい、しゅごいのぉ!
ブクマが投稿から3,4日で1000いきそうな事に驚きと喜びを隠せません。
日間2位、皆様のお陰です!今後ともよろしくお願いします!
「ちょっ!どうするんですかコレ!」
「逃げろ。」
「無責任過ぎるゥウ!」
今何してるかって?
見りゃわかんだろ、サン・ファルコンから逃げてんだよ。
プレイヤー3人の戦力外戦力通達は早かった。
まず、サン・ファルコンが出現。
明星と白露での迎撃を開始、なかなかにいい勝負を今も繰り広げてる。
その途中、サン・ファルコンのストーンバレットの流れ弾がウィンドに直撃。
HPが4分の3削れた、まあ後はわかるだろ?
このパーティーのプレイヤーで勝てねえw
笑い事じゃないけど、そんな訳で前線を明星と白露に任せて俺たちはトンズラかます。
ロクデナシだって?言いたきゃ言え、これがサモナーよ。
というか俺たちが行っても足手纏いにしかならねえし、だから前線の二羽の後方支援に徹する。
「ルリ、今すぐポーション量産、前線の回復するぞ。」
「はい!わかりました!」
「俺は前線の後退時の支援だな。」
俺はここから【指揮】を使って確実に敵を削る。
一羽でも墜ちたら確実に前線突破されて死ぬ、故にヒットアンドアウェイの一撃で削っていく。
【指揮】で攻撃力が倍増してるのもあって倒せない敵じゃない。
「ん、明星は低空に急降下、標的を引き付けて離脱。白露はその途中、ウィンド・カッターでの支援。」
なぜウィンド・カッターかといえば、ウィンド・カッターは不可視なのだ。
普通に考えて風が見える訳がない、よって威力は低い物の【指揮】で強化されている今なら申し分無い威力となる。
「!!!!!~~~!」
だが、そんな俺の思惑とは裏腹にサン・ファルコンは明星以上の速度で土魔法のストーンバレットが炎上したような弾を機銃のように連射、明星に大ダメージを与える。
チッ、流石に苦戦するとはわかってたけど思ってたより面倒だな。
「フィー、撤退の援護は?」
「頼む、白露は墜ちた明星を回収!後退しろ!」
「ポーションは用意済みです!」
準備を整え、白露が全速力で明星の回収に図る。
しかしまあ奴さんもそれを安安と見逃す阿保でも無いようで、白露に攻撃を開始する。
だがなぁ、流石にこっちだって応戦するんだわ。
「ウィンド・カッター!ファイア・ボール!俺だって鷹にだけ良いとこ取られてたまるかっての!」
「ウィンド、MPポーションです!」
ウィンドはMPガブ飲み脳死プレイ中。
白露は....その内ステータスを見ればわかる。
そんな白露が明星の回収に成功。
直ぐにルリの用意したHPポーション風呂に入れる。
このポーション風呂は回復の泉みたいにすぐにHPが回復するが、これを錬金術士無しでやると金が速攻で消える。
だが、コレのおかげで安心して戦える。
白露も治癒魔法を覚えてはいるがまだレベルが低く、有用性も低い。
回復しても2~5だ、それならポーション風呂に放り込む。
「~~~!」
ポーション風呂で全快した明星が再び飛び上がり攻勢に出る。
剣翼での牽制で敵の態勢を崩す。
だが、それでも敵は落ち無い。
もっと....決定打になる攻撃を....
高速機動の中で、一撃で決めれるような、若しくは後に繋げられる一撃を....
「待てよ?高速機動....いける!ルリとウィンド!今すぐ土壁でもなんでもいい!壁になる物を作ってくれ!」
「え?はい、わかりました。」
「悪いが俺は無理だ、他に何かあるか!?」
「無い!ポーションを纏めておけ!」
ルリが地面に手をつけると、突如地面が盛り上がる。
....これどっかで見た事あるな。
錬金術の応用技らしい、だがこれで良い....
「明星!白露!今すぐ最低限の回避で、直線飛行、最高速度でこっちに帰ってこい!」
指示を受け、格闘戦を繰り広げていた明星と、援護射撃をしていた白露が、突如方向を変えこちらに飛んでくる。
それを追い、一度は明星を瀕死に追い詰めた魔砲攻撃を繰り出してくる。
しかし直線的で、小さな的である二羽はターンや降下を駆使して回避していく。
俺たちまで、あと100メートル。
決めてやる....この一手で!
「今ッ!速度落として降下しろッ!」
コンマ単位で指示を受け入れ二羽がさらに急降下する。
サン・ファルコンはこの急な機動に対応できずそのまま突撃してくる。
「かっ飛ばッセェエイ!」
突撃してきた、サン・ファルコンを杖で、打ち返す。
首に直撃し、動きを止めたサン・ファルコンに追い討ちとばかりに二羽を飛ばす。
サン・ファルコンは機動が、完全に固定翼機の類。
ならば、固定翼機のマニューバも効くということだ。
高速で直線飛行する物体を回避する。
ただ、それだけで慣性に乗って奴は吹き飛んでくる。
『エリアボス【サン・ファルコン】を討伐しました。山岳地帯第二層を解禁します。』
『【サン・ファルコン】が召喚可能になるまで、後29体です。』
「よっしゃ勝ったァアアアア!」
「本当に倒せるなんて....」
「....喜べねえ。」
本当なら、喜ぶべきなんだ。
わかってる、わかってんだよ。
それでもな?残り29体倒せっていう苦行を考えると仕方ないと思う.....
『パーティーメンバー総員のレベルが上がりました。』
「やっぱりか、って!めっちゃ上がってる!レベル9だと!?」
「私なんて3から8に.....」
ああ、良かったね。
君ら、俺と鷹たちはこれからの苦行を考えて頭が痛いよ?
「あ、フィーよ。これドロップ品、ほぼお前らの活躍だし渡しとくぞ。」
「あ、私もです。一時的なパーティーでしたけど、楽しかったです。」
「嗚呼、君ら...少し帰ってもらって良いか?殺る事が....あるんだ。」
「.....頑張れよ。」
そう言い去っていく2人を見送りながら、苦行に耐え得る精神を練っていく。
今日は隼素材がたんまりだな(白目
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サン・ファルコン?
まあ...良い奴だったよ。
あの後リポップして来たサン・ファルコンを全く同じ手法で延々繰り返してましたが何か?
作業として精神を限りなく統一させてたんで気づいたら50体討伐。
レベルも上がって、休む間も無く進化が来そうだなって思ってる。
【召還】はLevel6に、そりゃそうだろうよ。
戦闘が延々続くんだから。
でもまあ、ようやく隼確保。召還するぞ!
「サモン・モンスター【サン・ファルコン】」
そう言って、出てきたのは先程まで乱獲していたサン・ファルコン。
名前は決めてある、【式戦】大した理由じゃない、一式戦闘機《隼》からなぞらえた。
【式戦】Level1
HP 30/30 MP 25/25
攻撃 13
防御 8
魔力 20
精神 15
速さ 14
スキル【魔砲】Level1【爆薬生成】Level1【索敵】Level1
何から突っ込みゃ良いんだ。
これなぞらえたどころかマジモンの一式戦闘機だろ。
魔砲は最初、明星を墜とした奴だろう。
なんだ、爆薬生成って、基地空襲でもすんのか?アァ!?
ステータスも初期から高いし、ボスキャラなだけはある。
しかし....
「......」
静かな奴だなぁ。
でも、カッコ良いな、クールビューティーとか、そんな感じで!
うむうむ、これから明星と白露とも仲良くしてくれよ?
「.......ん」
あ!?今喋った!?喋らなかったか!?
おい!おい!
「......」
むぐぅ.....
まあ、いいかな。愛くるしい奴め!