5話 山だ!森だ!隼だ!...え?
朝に小説情報確認して。
帰ってきてまた確認したら、全てが2倍になってるんですが。
何があった(困惑)
「よっ、宿題終わったのか真尋?」
「たりめーよ!そんなお前はどうなんだ?」
「......見せてください。」
「いやー!でも昨日、何処かの誰かに見捨てられたからなぁー!」
ここぞとばかりに責め立てる!
俺はねちっこいのだよ....異様にな!
「解った!抹茶ケーキに桑の葉アイスも付ける!」
「よかろう、思う存分写したまえ。」
桑の葉アイスは美味いぞ、怖いもの見たさで食ってみたらハマった。
これは、土日の甘味が豪華になりそうだ...
「くっそ、財布が涼しくなる....バイト探さないとな...」
「我が家で畑仕事手伝うか?」
「おう....頼む、お前と幼馴染みで良かったと思う反面、未だにお前を理解出来ん。」
「この俺を理解しきるなど不可能なのだよ、ふっふっふ...」
「おっ、そうだな。」
くっくっく、畑に来たらこき使ってやる。
謀反を起こされない程度にな!
「ところで真尋、お前召喚モンスターは今後どうするんだ?」
「鷹一色で染めますがなにか?」
「ああ、そうか。じゃあ今の内に教えておくが、山岳地帯のエリアボス、隼だぞ。」
ガタッ、手に取って読んでいたあの子の成長日記を落としてしまう。
ヤバいヤバい、傷は.....付いてないな。
それにしても、隼だと?
「どういうことだ?宗馬、詳細あくしろよ。」
「あ、ああ。βの情報だから今はわからんが、βの時にとあるパーティーが山岳MAPの1層エリアボスとの戦闘に偶々なったらしく、結局負けたらしいがボスの名前が【サン・ファルコン】常に飛び続けて、プレイヤーの剣とかが届かない低空から魔法で即死させられたらしい」
「ほほぅ....」
「そのパーティーは魔法使いも居たんだが、敵が早すぎて詠唱も間に合わない、詠唱が終わっても当たらないってよ。」
「明星なら大丈夫だろ、体そのものが武器だし。」
「アレは明らかに可笑しいw」
サモナーは地雷職じゃねえから!
パーティー人数食う代わりに十分な戦力あるから!
過剰戦力とは言うな、大は小を兼ねると言うだろう。
「うぃーっ、席付けぇーHR始めんぞー」
「あっ....」
「なんだ八雲、お前また宿題忘れたのか?先生そんな奴に育てた覚えはありませんってか?」
ざまぁw親友を裏切るからこうなるんだw
さてさて、流石に可哀想だから助け舟を出してやろう。
「先生!八雲は日曜、兎の群れに襲われています!だから持ってこれなくても仕方ないんじゃないでしょーかね?」
「んぁ?そうなのか八雲?」
「え?あ、はい襲われたといえば襲われてます。」
「んじゃぁ仕方ねえから国語の評価から少し引くだけで許してやる。」
あり?適当に流したけど、許しちゃうのか?
助かったっぽいし良いけどさ、先生...そういや子供の頃に兎に指齧られて大怪我したとか言ってたな。
成る程、納得だ。
「真尋、スマン助かった。」
「気にすんな、コイツはカウントしないでおいてやっから。」
なんだかんだ言っても親友だからな、こんぐらいはしてやるさ。
俺も英語で世話になる事は多いし、英語とかイラネ。
日本語を世界共通語にすれば良いと思うんです。
まあその後ホームルームやって、いつも通り授業終わらせて。
さっさと下校して鳥達の様子見てログイン、隼の確保だ。
「真尋、お前今日はどうせ隼確保しに行くんだろ?」
「うむ、勿論だ。」
「それなら、俺ともう一人行ってもいいか?」
「無論問題無しだ、どんどん来い。その内召喚モンスターと俺でパーティー一杯になるだろうけどな。」
「知ってる。」
隼確保、どれだけ苦戦するかね?
今日が楽しみだ。
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「健康状態、餌の減り、問題無しだな。」
何してるかって?
鳥舎回って鳥達の点検だよ。
何かが起こってからじゃ遅いんだよ、普段から様子を見てれば不調にだって気付ける。
だから我が家の人間は猛禽類に関しては獣医師と同じぐらいの知識と技術を持ってる。
じっちゃとばっちゃは免許取ったらしいけどな、俺は取らんよ。面倒だし。
あ、そういえば最近ヤケに鹿が増えて畑荒らされるからな、実地調査と鳥たちの棲息域確認のために今度潜るか。
「さて、仕事も終わったしログインするか。」
俺の家は昔ながらの古民家、クッソでかいけどな?
自室に戻ってゲームを開始する。
んじゃ、ログインっとな。
「おうこら、おせーよ。」
「仕事あるんだから仕方ねえだろ。」
「ウィンドさん、その人が?」
ログインしてすぐに文句言われた、解せぬ。
というかその女の子誰だ。
「まさか....お前、誘k」
「ちげぇよ!」
バシッと、割と本気で叩かれた。痛い....
そんな冗談だってのに、酷い。
「ふふっ、面白い人ですね。」
「ぐむぅ、痛い。それでウィンド?その子は誰?」
「βの時のパーティーメンバーでルリだ、今回はまあ頼む。」
「ルリです、ちっこいですがこれでも大学生なのでよろしくお願いします。」
「うむ!サン・ファルコン討伐が目的だから頼む。」
これで大学生....137センチぐらいしかない気がする。
まあそんなモンはどうでもいい!
「ところで俺はサモナーだけど、ルリは?」
「サモナー...ですか?あ、私は錬金術士ですが。」
「錬金術士ってどんな職だよ...」
そしたらウィンドが解説してくれた。
錬金術士はヒーラーみたいなもので、薬師ジョブと違って【錬金術】スキルを使ってフィールドでもポーションを作る事が出来るらしい。
その代わり薬師が作ったものより効果が低いとのこと。
「あの、フィーさん...失礼ですけど、サモナーは地雷職ってよく聞くんですが....」
「あールリ、こいつに限っては地雷どころかグレネードランチャーで敵を吹き飛ばしてるから。」
「人を爆発物みてえに言ってんじゃねえぞウィンド。」
ちくしょう、いつかサモナー地雷職のイメージを払拭してやる。
サン・ファルコンは山岳地帯の一層だっけか!?
今すぐ出撃だ!
「サモン・明星、サモン・白露、ウィンドとルリ、今すぐ行こう。さあ行こう。」
「あ、はい。」
「興奮し過ぎだろお前...」
サン・ファルコンか、どんな名前にするかね?
いや、まだ早いか。召喚してから考えよう。
そんな事を考えながら山岳地帯に向けて歩いていく。
モンスター達の断末魔を響かせながら。
「なんなんですか、コレは....昨日の私達より経験値が入ってきますよ...」
「白露、MP回復するから戻っておいでー」
「作業効率ェ...」
ルリ達にとっては非常識でも俺にとっては当たり前だから。
召喚モンスター、マジ有能。
そんな感じでわんこやら兎やら野良の鷹やらを経験値にしながら山岳MAPの一層に到着。
あれだね、岩山を想像してたけどここら辺はまだ木々が生い茂ってる。
奥の方に行けば段々変化していくんだと思う。
でも.....
「これは主戦力2羽が活動し辛いな。」
木々で生い茂っている為、低空飛行は至難の技。
明星は翼で枝を切り裂きながら飛んでるから関係ないかもしれんが、白露がなぁー
ウィンド・カッターで明星みたいにして飛ぶにしてもMPが有るので却下。
....待てよ?
「なあウィンド、一つ聞きたいんだが。」
「嫌な予感しかしないが、なんだ?」
「火属性魔法ってさ...森で使うと引火するんだよな?」
「そうだが、おい...まさかとは思うがお前...」
ふっ、やる事は決まった。
「白露!森に向かってファイア・ボール!」
「ちくしょォオオオオ!やると思ったわ!逃げろルリ!焼け死ぬ!」
「え!?あ、はい!」
「これから毎日森を焼こうゼェ!?」
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やらかした。
反省はしている、後悔はしていない。
「完全に焼け野原じゃねえか。」
「まあだけどよ....お目当てのモンスターは出てきたみたいだぜ?」
そんな俺たちの前では、翼と体に合計4つの赤い丸模様を付けた緑色の隼が怒りに体を震わせ、敵対の意を示していた。
隼です。
タイトル詐欺にならないか不安、まあ似たようなもんだし良いだろ。(違います