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ある戦士たちはある苦悩と共にある

えっと 今日は明日だ。ある日に光がとろんとなってそれはちょっとまつげが暗い、それはね?いつかさかさまに嘶く力こぶ、折れる木々、丁度良いダンスになかされて暗がりなの。ああそれはね、詠歌が下に居て悪魔の血であってよくわからん照れるんだ。大きい島と小さいネコがスキップしながらお湯を沸かす。あれ?そこに居るのはアレックス?ちょっとわかってその中身に綺麗な砂糖。鉄のような神妙なつま先にちょっとジェラシーを覚える。今日から鍋物にはビーズが合ってると思うんだ。濁った暗闇からの肉片が今銀色の光となって僕の栄光の道から消えていったんだ?え?それはね?・・・えっとね?

                           ・・・・・・・・・・・・あれ?何だっけ?



        ふと気づくと私はフォークを握り締めてここに居た。

 よく知ったテーブル、よく知った風景。みんなで頻繁に頼むポトフとか言う煮込み料理・・・この味・・・間違いない。そしてここは私が拠点としている宿。そこの一階にある食堂に私はいた。

 目の前には良く知った仲間。ブロンコ、ヘスの顔もある。

 そう、それはいつもの光景だ。

 だからわけが分からない。

    確か私たちは「共同墓地」に挑むために薬を嗅いだはずだったんだが?

        混乱する私に二人は優しく肩をたたいていった。


「・・・おかえり・・・」


 ・・・もう何がなんだか分からなかった。とりあえずただいまと言った方がいいのだろうか・・・



「・・・アレから10日以上経っているだって?」

     その事実にマートンは絶句する。

 意識が戻ってすぐに3人は自室に戻って現在の状況を確認することにした。

 だが聞いたからといってすぐ納得できる内容ではなかった。


 薬を嗅いですぐ3人組は「共同墓地」に入っていけたという。

 薬の効果はともかくその臭いは筆舌に尽くせぬ代物で一時は全員凍り付いていたという。

 だが薬の効果はあったらしい。・・・というかアレより酷いというのはもう考えられず、その臭いがずっと続いていたこともあり、どんな臭いの状態でも今更になったらしい。

 今回の探索の目的は「地下迷宮に挑んで帰ってこなかったとある冒険者の遺留品の発見」

 3人は特徴を照合し、既にゾンビとかしていた「元冒険者」を発見・・・。

                 迷うゾンビになったの魂を冥府に送り、遺留品を手に無事帰還したのだという。

 その後同じような依頼を3件受け、いずれも成功しているという。お陰で当座の生活費はなんら問題ないらしい。


「そこで死ねば自らも新たなモンスターとなって永劫モンスターを製造し続ける・・・まるで工場だ」

 ブロンコがお手上げと手を上げて笑う。だがその笑みには以前ほどの力はない・・・。

「臭いを克服してみても・・・あそこは地獄だな・・・なんてったってもししくじれば私たちもあそこの仲間入りかと思うとにゃー・・・」

 ヘスからもいつもの軽口が出ない・・・苦しげに笑う姿を見て胸が締め付けられる。申し訳ない・・・

 こんな苦しい思いをしていたのに自分はのんきに寝ていたというのか・・・


「・・・すまん・・二人にばかり任せてしまって・・・」

「「・・・は?」」

             「?」

 ・・・妙な反応だった。

「・・・いや・・・おまえもちゃんと参加してたりゅん?」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は????



 ・・・あまりにも信じられない話だ。マートンはこの10日普通に過ごしていたという。

 一緒に飯も食べていたし会話もしていた。受け応えにもなんら不自然さは・・・まあ何かおかしいと2人は感じたが決定的なものは感じなかったらしい。騙されているのか?そう思ったが、依頼達成の報告時に書く書類にしっかりサインを入れているのを見せられてはもう信じざるを得ない。


 マートンは10日以上意識をなくしていたまま生活を送っていた・・・ということだ。

 原因は・・・まあアレしか考えられんか・・・

 「畜生!!とんでもないもんよこしやがって!!」

マートンは苛立ちを隠しきれない。しかし今考えると何故あんないかがわしい男を信じてしまったのか・・・「店に出せない」という意味を深く考えなかった自分にも腹が立った。本来ならあの男を無礼討ちしたいところだが今はまずい・・・今の自分の立ち位置が口惜しい・・・今は耐えねばならないのだ・・・

 ・・・と、私がこんなにも悔しい思いをしているというのに・・・

「あ~・・・うん・・・そうだな」

「あははっ ひどいなりよねぇ まったく」


           ・・・なんだろうこの二人の軽さ・・・それどころかなんかこいつらニヤけてないか?


「・・・いや、実はあの時帰ってすぐだけどな?『フェニックス薬局』から正式な謝罪が来たんだにゃん」

「それもアナさん直々に、だ。」


    「う そ だ ろ ま じ か よ 」

 

 察した二人から知らされたその事実ことに思わず歓喜の声が出た。

 フェニックス薬局の美人店長アナスタシア=フェニックス嬢。彼女は冒険者の間では有名な憧れの君だ。

 すらりと細く長い手足

 身長は高い方だというのにまるですぐにも手折れそうなほど儚い花の様

 輝く長い黒髪に切れ長で長いまつげの中に輝くは翡翠を思わせる翠の瞳

   どこか悲しそうで今にも泣きそうにも見えるあの笑顔は多くの冒険者達を魅了してやまない。

                                聞けばファンクラブまであるという。

「守ってあげたい女性No.1」

「膝枕をして欲しい女性No.1」

「一緒にお酒を飲んで欲しい女性No.1」

「禁断の愛が似合う女性No.1」

後ろの一つが気になるものの彼女に恋焦がれている男は多い。あの人に「がんばってください」と言われたいが為だけに薬草を買い求める人もいる。

・・・正直なところマートンも行ったことがある。何のかんの言っても3人ともまだ男の子なのだった。

 そんな女史がなんとわざわざ宿に足を運び、謝罪と共に慰謝料としていくばかりかの謝罪金と高級魔法薬ポーションを置いていったという。

 なるほど!こいつらが終止笑顔なのも納得だ!私もそれでは納得せz・・・・・・・・・・・・・・

       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あっ

「きおくがねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?ぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

さ・・・さいあくだ・・・そのときの記憶が・・・全く・・・かけらも・・・ない・・・

 記憶が飛んでいたと知った時よりもショックだ!!

 色々不安だったり後悔だったり憤りであったりともう自分の感情が状況についていっていないところでこれは強烈だった。もはや神様に恨み言を言う考えさえ思いつかない。

 「あーまぁ・・・しょうがないにゅんねぇ」

「もういっぺん謝れって言うわけにもいかんしなぁ・・・」

『まあ運がなかったということで』「それですますなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

                   そもそもさっきから何なのだそのおかしな語尾は!!無性にムカつくわ!!


  なんかもうわけもわからぬまま2人に飛びかかり乱闘になった。




「お客さん・・・客室で暴れるのは禁止・・・」

                           「「「・・・はい」」」

 

 小狸亭ココの部屋係とかいう真っ黒の衣装の少女が部屋に入ってきてようやく3人の喧嘩は終わった。時々見かけるがいつみても不気味な少女だった。

  なんだか気まずい沈黙の中3人はとりあえず荒れた室内を片付けていく。

全く・・・これ以上はまずいというのに自分たちはこの宿に大分失点を重ねている。これ以上おかしな目を向けられては「本当の目的」に支障が出てしまうというのに・・・


 彼の本当の目的・・・それはこの町に隠された秘密を暴くことであった。

           彼らはこの地を調べに来た「間諜」なのだ。

 

 大迷宮が発見されたのは今から20年前。

 ここバァル領は王国・・・というより周辺諸国からみても最東端の位置にここはある。

 更に当時辺境のやせた畑しかない貧乏田舎領・・・いや、領というよりもはやそこは消滅寸前の閑村といったところだった。

 そんな時発見された大迷宮はこの地に住まうものに絶望を与えたらしい。只でさえ辺境のこの地で更に魔物の湧き出す大迷宮の存在・・・。

                         住民はこの地を捨てる決心を固めていたという。

 その時一人の男が声を上げたという。

「何言ってんだ!これから此処は冒険者たちの一大拠点になるぞ!!」

 そう叫んだ男は住民たちから土地の一角を買い取ると、この地に「冒険者の宿」を作った。

 更にあちこちの知人友人に声を掛け、冒険者のための店も作った。

 そしてあれよあれよという間にここは冒険に必要なもののあふれる一大拠点となり、

                             それに伴い物流の拠点ともなった。

 今ここにいる人々にここは20年前は一面の畑だったんだと言われてどの程度信じられるか分からない。


 この町を生み出した立役者の一人「ヨウスケ=ミカムラ」

 そしてこの町の初めての冒険者の宿「小狸亭」である。


 現在でも彼は謎だらけの人物として語られている。 


 まず何故彼はあの時そこにいたのか。彼は領の人間ではなかった。なのにそこにいて発言し、

                             多くのものが彼の発言に耳を傾けた。

 次に一体建設資金はどこから出てきたのか。彼はこのあたりの土地を買い漁り、

                             最初の頃は無償で提供したという。

 また、今でもこの地に流れてくる香辛料の数々・聞いたこともない料理

        信じられないことに王侯貴族ですら難しい砂糖や胡椒がここでは普通に机に乗っている。

 最後に彼はそれをするに当たって彼は何を得ていたのか。

             様々な方向から鑑みても彼が損をしているとしか考えられないのだ。

  興味の尽きない所ではあるが、目下重要なのは「調味料」だ。このことを暴き、この情報を持ち帰るために彼らは潜入調査を行っているのだ。

「『イソガイ商店』ってところから調味料を購入してるって言ってたにゃん。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「・・・世間話で聞けたの?」

「・・・うん・・・」

・・・・・・・・・・・・本当に何なのだ!普通はもっと厳重に情報が隠されてるもんだろうに!

         あー・・・いや・・・もうどうでもいいや・・・

    おそらくここにいる連中は胡椒も砂糖も当たり前・・・

    そんな状況に慣れきっていてそれが異常だと気がついていない・・・

                            早い話ここの連中はアホなのだ。

                 それがマートンの出した結論だ。

 後はその商人を押さえればいい。考えられるのは「密入国」「密輸」「脱税」・・・まあいくらでも思いつく。それらを奪い取り、自らの主君に献上する。これにより我らの権力はなお増すこととなるだろう。


 そしてこの生活は・・・終わる・・・それは嬉しいことのはずなのに何故か3人の心は晴れない・・・

 ここですごし、自分たちは鍛えられたという実感がある。何より・・・楽しかった・・・

             いや、考えまい。マートンにとってここで冒険者をやっている自分は嘘なのだ・・・

「・・・俺はここで多くのことを学んだ・・・」

ブロンコはつぶやく。

「・・・俺はな・・・ここで一人の限界というものを思い知らされたんだ。最初俺は迷宮の突破なんてお遊び程度のつもりだった。それがどうだ?二階層に降りるだけであの体たらく・・・正直その下に行くのが・・・怖い・・・」

それはブロンコが初めて見せる弱音だ。ああ、皆思いは同じだったのだな

 それはマートンも感じていた。「冒険は6人で行うのが定石と語った男がいたらしいが今ではその言葉に納得だ。狭いダンジョンに入るのに大人数はまずいとはいえ、最低その人数は必要であった。せめてそれだけの仲間がいれば更にその先が見れたかもしれない・・・そう思うのだ。

「で、実はな?この間別の冒険者と接触する機会があって前衛をなくしたパーティーがあるらしい。」

「!!」

「マートン・・・その・・・俺は彼女たちとパーティーを組むべきだと思うんだが・・・」

    ーーーー彼女・・・だと?----

「・・・ぶろんこもしかしてそれはその・・・」

ブロンコがにやりと笑う!!思わず2人は抱き合う!

「マジか!」

「マジだ!」

「イイのか!!」

「さ い こ う だ !!」

「さいこうかぁーーっ!!」

               ついに念願の女性めー・・・違う!

                       後衛陣営が入る!採用だ!その3人採用だ!!

「あーそれとにゃあ?」

今度はヘスだ。君もか!君も何かあるのか!!

「俺、どうやら魔術の才能があるらしい。この前アルヒトから力を授けるっていわれてるんだみゅう」

「----な!!!!」

 魔術を使う戦士?いや、いないことはないが俺たちの中でそんな奇才に恵まれる奴が出るとは!!

「俺はこれを生かして魔法戦士の道を行こうと思うんだ。・・・だめかにゃん?」

「何がだめなものか!!勿論いいに決まっている!!」

 マートンには二人が一回り大きくなったように感じた。きっとそれは間違いないのだろう。

「じゃあ明日、俺は向こうのメンバーとあってこようと思う」

「俺も明日その人のところに行って学んでみるよ」

「分かった!二人ともがんばってくれ!!」

3人は互いの手をしっかり握り合う。

我々はあとどれだけ冒険者として活動できるかは分からない。

 だがそれでも2人はこの経験を活かして更に大きな力を得ようとしているではないか。マートンはその姿をまぶしく見て誓う。自らも何かを掴もう・・・と。

 



         ーーー翌朝私が目が覚めるとそこに仲間二人の姿はなかった。ーーー

 室内には二通の手紙


 「すまん。実はああいってたけど抜けたのは一人で誘われてるの俺だけなんだ。」

                                ブロンコ

                             ・・・ブロンコ!!

「わたしはまほうのおうこくまじかるらんどのおひめさまでわるいまほうつかいとのたたかいがるのでしばらくかえれません」

                                まじかるぷりんせす

                                ・・・ヘス?


凍る私の背後にはあの不気味な少女がまるで何かを見透かすような笑みを浮かべてこちらを見ていた。


「・・・お客さん・・・逃げる?」


                  ・・・「私は」逃げません・・・

                   あれ?私の声ってこんなにかすれてたっけ?

 

最近この書き方って切り時が難しいことを思い出した。いっぺん編集した方がいいと思いますね・・・

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