プロローグ
あの日、オレは権力に弓を引いたと逮捕された。
しかし、それは今でもでっち上げだと思っている。
なぜなら、逮捕される必要があったのか、今も納得がいかないからだ。
人の人生に汚点をつけた輩を許す訳にはいかない。
これは、一人の黒歴史を、あからさまにして心の傷をえぐりかねない事態を避けつつ、
警察の横暴を暴くために立ち上がった、一人の男の正直な思いを書きなぐった、
真実の物語である。
中野咲夜は、夜は夜で確かに別の顔を持っている、不真面目なところが目立つ
ごく普通の青年だった。
しかし、この男は、なぜか必要以上に警察に狙われていたのだ。
何年か前に、前の職場の時、うっかり後ろポケットに入れていたカッターナイフ
を咎められ、発狂して、仲通りの交差点で大騒ぎになった。
行きたいところも行けず、帰ってきてしまったのだ。
ホントなら、新宿でネットカフェでも、逃げ込めばよかったろうに…
また別の日には、仕事中にシャブを拾ってしまい、「捜査協力」ということで、
警察と絡むはめになり…。
嫌いだった警察と絡んだのだった。
それだけではない。
川崎市内の、中原署、多摩署では、事情聴取…。
高津署では落し物をしてしまうという失態で
と立て続けに何らかの案件でお世話になることになり、
ただでさえ警察嫌いなのに…。
と、嘆くこともあった。