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守護霊との出会いは涙の先に

 「ぐわっ、ぐ、げっ。」

穴に落ちたときに身体がビクッとなって飛び起きたら

ベッドから落ちて右肩を強打した。

痛い。テニスが出来なくなったらどうするんだ。

そう思いつつ目覚まし時計を見て今日の曜日と時間を確認する。


「げっ、まだ六時半じゃん。今日は日曜日か。

早く起きすぎちゃったな・・・。」

普段の私にしては早すぎる。なんとか寝直したいけれど心臓はバクバク、

右肩はズキズキの擬音語のオンパレードで眠れない。


「あー・・・牛乳でも飲むかなぁ。」

私は日頃から牛乳を飲んでいるから背は高いし骨は硬い。

一回美術室の机の上にのって

天井に吊らされているクリップに版画を掛けようとしたら

バランスを崩して落ちた。


美術室の堅いコンクリの柱や壁やなんやらに頭と肘をぶつけたが、

頭はたんこぶ、肘は多少の打撲で住んだのだ。

うっはっは、硬いぜあたしー。


「ふんっ・・あれ、おろろろろ・・・。」

立とうとしたら肩に力が入らず床に這いつくばってしまった。重症だな。

「やっばいなー、これは。牛乳はおろか、立つ事さえ出来ないなんてー。

やっべーやっべー。やばぁいわぁ。」

眠いこともあってテンションが可笑しくなってきた。

もうこのまま寝ちゃおうかなー。


フローリングの床の冷たさが心地いい。

立つ事ができないのなら、立たなければいいじゃないか。

両親もまだ寝ているだろうから、助けを呼ぶ事さえ出来やしない。


それなら今この私に出来る事はただ一つ!寝るっきゃない!

目を閉じて夢の世界へこんにちは。おやすみなさ・・・

「なにが寝るっきゃない!だよもう!

起きてもらわないと困るから穴に落ちたのに!」


あれ、台詞を遮られた。気を取り直してもう一度。おやすみな・・・


「あああもう!!寝ちゃ駄目なんだって!起きろよ!」

もうなんなんだ。さっきからおやすみなさいの一言さえ言わせてもらえない。

ていうか誰だよ、さっきから私に話しかけているのは。真っ暗でだれもいないのに。


「いや、それはあなたが目を閉じているからだよ!目を開けなってば!」

うるさい夢だなあ。夢で起きろなんて言われたのは初めてだよ。

あたしの夢だからアタシが決めたっていいじゃないか。


「だぁからぁ、あなたはまだ夢にいってない!

まだ意識はこっちにあるの、眠ってないの!」

うるさいなぁ、私の部屋に他人がいるわけないんだから、夢に決まってるじゃん。

「もう、聞き分けわるいなぁー。とにかく目を開けて!」


うるさいって・・・「あだだだだだ!痛い痛い!目が攣る!」

まぶたを誰かに引っ張られてる!痛い痛い!そんなに強く摘まないで!

ちぎれちゃうってば!

「じゃあ目を開ければ良いでしょう!」

「分かった!開ける!開けるから!涙でてきた!痛い痛い!」

そういって涙で潤んだ視界の先には。


夢に出てきた巫女さんが私の顔を覗いていた。


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