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プロローグ 〜 夢が終わって物語が始まる瞬間 〜 

自分の守護霊が見えた!でもなんだか、喧嘩をしているみたい。たよりなーっ!

私は夢を見ていた。いや、今も夢の中だから見ている、かな。

あまりにも現実的な夢過ぎて夢の中にいるっていう感じがない。


その夢の中の私は学校の校庭でランニングをしていた。

私は今硬式テニス部に入部しているためトレーニングをしているのかもしれない。

しかし、周りに友達の姿が無い。


いつもは仲のいいまーちゃんと太田と走るんだけど、今回は私一人で走っている。

そして周りには、なぜか大勢の私がいた。

でも、いくら私が大勢にいても私だから多分一人とカウントするのだろう。

だから私は一人で走っていた。


 大勢の私はなにもしていないし、なにもしてこない。ただ淡々と走っている。

(話かけてみようかな・・・。

でももし私が話しかけた瞬間に全員が話しかけてきたら怖いかも。)

と、もやもやと考えていると、隣の私がフラフラしている。

顔色もなんだか白っぽい。というか全体的に白い。


今の私は年中外にいたおかげで黒い。

そして靴下焼けと短パン焼けがすごい。

日焼け止めを塗っても汗ですぐとれてしまうのだ。

それに面倒くさくて足には塗らない。

そうこうして小学校五年生からテニスを始め、今は高校一年生。

その五年間ですっかり黒くなってしまった。


だから隣にいる私の白さは本来あり得ないはずなのだ。

日焼け止めを塗りたくっていない限り。

(それになんだか幼いし・・・。髪の毛も短いんじゃないか?)

今の私の髪はおろすと腰まで届くほど長い。

去年の春から伸ばし始めて、一年でここまで伸びた。

それまではずっと肩甲骨あたりまでしかなかったけれど、

長い髪の毛に憧れてずっと伸ばしている。


 しかし隣の私の髪は肩甲骨より少し下の辺りまでにしかない。

(今の私とは別人なのか?過去の自分とか、そういうことなのか?)

私はそういった類いの話はあまり興味が無い。

しかし、この状況になるとやはり少しは気になってしまう。

(ま、自分だし、何を言っても大丈夫だろう。)

そう思い、フラフラしているし、大丈夫か?と無難に声をかけてみよう。


「おい、大丈夫か?顔色悪いぞ。」

すると、

「大丈夫。所詮、夢の中。それにこれはあなたの夢。

私達はあなたのお人形さんも同然なの。」

いやいやいや。ぶっ倒れそうな顔でそんな事いわないでよ。

それにお人形さんて・・・。

前の私はこんなに中二病的発言が多かったのか。恥ずかしいなぁ。


「あ、いや、そうなのか。ま、夢だからな・・・。ハッ、ハッハッハ・・・。」

きゃー。すごい顔で睨まれてるぞーい。

もしかしたら私の考えがバレているのか?

言わない方が良かったかも。たっはー。


「これはあなたの夢なの。

自由に発想して自分の思う通りに構成して行っていいの。分かる?」

あれ。過去の私の顔がいつの間にか中学校の担任の顔になっている。

背景もいきなり生徒指導室に。

 私はこの先生とこの教室が大嫌いだった。


何度も何度も畳み掛けるように「分かる?分かる?」と聞いてくる。

反抗期のまっただ中だった私は一回マジギレして、

「るっせぇーよ!このくそババァ!

そうやってしつこく聞いてくるから生徒に嫌われるんだよ!

思春期と反抗期ナメんなよ!」と巻き舌全開で一気に怒鳴って

タバコ臭い教室から一気に飛び出して行った。

そして突き当たりにある階段で滑って捻挫して

三週間部活に出場させてもらえなかった。


その後はその先生に運んでもらった。

170㎝もあった私を担いで行くのは相当キツい事だと思う。

その時、なんであんな事を言ってしまったんだろうと後悔した。


そんな苦い想い出でまみれた記憶の一ページが

まさか夢の中で出てくるなんて!

あれ、もしかしていまの私も相当ナルシストなのかも。

なーにが記憶の一ページだ。不覚。


 とりあえずこの教室から抜け出したい。ここは嫌だ。息が詰まる。

呼吸器官が上手に機能しない。そのせいか、なんだかフラフラする。

き、気持ち悪い。それに自分がフラフラしているんじゃなくて、

世界がぐらぐら揺れているように見える。

おうぇえ、なおさら気持ち悪ぃ。


「だ、だめだ。ちょ、限界・・・。

吐きそう、吐く?いやいやいや。それは駄目だ、吐いちゃ駄目だ。」

ぐーるぐーるゆーらゆーら。

「ぁあ、地球は回っているんだ・・・。」ぐーるぐーるゆらゆら〜。


スポッ!


「ん?スポッ?て、ぎゃぁぁぁあああぁぁぁああぁあ!!!!!!」


目を開けて周囲を確認しても一面の闇。

頭上には丸い穴からのぞける生徒指導室の天井。

しみがたくさんついている上にくすんでいる。汚ねっ。

耳にはゴウゴウと風が擦る音。髪の毛がばっさばっさと顔に当たって痛い。


この状況で。確認出来た事は。


今私は夢の中で、穴の中に落ちているという事だ。

そして何故か必死になって足にしがみつく小さな子供と、

ぎゃーぎゃー叫びながらお腹や首や腕に巻き付いている着物を纏った男の子。

それに巫女さんのような少女。


どっからついていたんだろう。


ていうか誰?


私は暢気にそんなことを考えながら、

三人の人物にあちこちを締め付けられながら

深い深い穴の奥へと落ちて行った。


残暑お見舞い申し上げます。


雨が多い中、いかがお過ごしでしょうか。


こんばんは、粒コショウです。


なぜかぶっ飛んでファンタジーを書いてみました。


楽しんでいただけたら幸いです。


ごらんいただき、ありがとうございました。

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