表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

とある異世界シリーズ

とある異世界の給食の時間

作者: はやな
掲載日:2026/03/07


『キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン」


「ふぅ、ようやく給食か」

 僕は、最近できた学校に通っている一年生。

 名前はソルト。

「はぁー、やっと給食かぁ、一時間目が実技の魔術基礎だったから魔力が空っぽなんだし、二時間目も実技の剣術で体力へとへとだし、しかもその後二時間続けて聞いてるだけの座学って、終わってんだろ、なぁソルト」

 この子は同じ班の、ヘリスギ君っていう名前で、いつもは、やんちゃでうるさいが、優しい人である。

 僕は一度家から離れた森で魔獣に襲われた時があった。

 その時助けてくれたのが、ヘリスギ君である。

「そうだね、ヘリスギ君。たしか、今日の給食は、カレーっていう名前の料理が献立表に書いてあったよ」

「かれー?何だそれ、ソルトは食べたことあんのか?」

「いや、僕もないよ、できるならしょっぱい味がいいなー」

「ソルトは、しょっぱいもんが好きだよなー」

「何話してるのー」

「あっ、ヘルスちゃん」

「!!!」

 この女の子も同じ班で、ヘルスちゃんっていう名前。

 とっても元気な子だ。

 ヘリスギ君の幼馴染でちっちゃい時から一緒にいるみたい。

 そして多分、ヘリスギ君は、ヘルスちゃんのことが好きだ。

「今日の献立のことを話してたんだよ」

「そ、そうだ」

「へー、ちなみに何が出るの?」

「カレーっていう料理が出るみたい」

「へ、ヘルスは、た、食べたこと……、あるかっ?」

「食べたことなーい、聞いたこともなかった」

「そ、そうか」

 ふふっ、ヘリスギ君の顔が赤いや。

「ちょっと、あなたたち、今日は私達が配膳する係でしょ」

「あっ、そうだったごめん、シュカちゃん」

「べ、べつにいいわよ、ソルト君は……。二人は別として」

「なんでだよ」

「なんでー」

 そして同じ班の最後の一人が、シュカちゃんっていう女の子だ。

 いつも本を読んでて大人しい子だ。

 でも、僕も本が好きだからいつも一緒に、本の話をする。

 本の話をしているときのシュカちゃんはとても楽しそうで、その時の笑顔がとってもきれいだ。

「っていうか、本当に早くしないと、先生に怒られちゃうよ」

「そうだね、早く配膳室に行こう」


 ‐‐‐


「失礼します、一年二組の2班ソルトと」

「ヘリスギと」

「ヘルスと」

「シュカです」

「給食を取りに来ました」

「はいよくできました。献立は見てくれたかな、今日は校長先生が考えてくださった、主食のカレーとデザートのプリンです」

 この人は給食のおばちゃん、どこか温かくて、親しみやすい人だ

「じゃあ早速、男の子には、重い方のカレーのルーとご飯。女の子には、軽い方のプリンとミルクを持っていてもらおうかな」

「はいわかりました」

「俺は、これだな」

「私はこれ」

「私はーこれかなっ」

「よしっ、こぼさないように慎重にクラスへ持っていこう」

「そうだなっ、前の班がこぼしてて大変だったみたいだしな。それにしてもいい匂いだな」

「そうだね、なんかスパイシーって感じの匂いがする」

「スパイシーってことはしょっぱい!?」

「ま、まぁ、似たようなもんではあるんじゃないか」

「そうか、早く食べたなー」

「ふふっ、ソルトくんは本当にしょっぱいのが好きなんだね」

「うん、やっぱりいいんだよなー。あっ、そろそろ教室に着くね、入ったらはやくよそっちゃおうね」

「おう」

「苦手なんだよー」

「ソルトくん、家事はまかせてね」


 ‐‐‐


「もってきたよー」


「おー」

「はやくはやくっ」

「んっ、めっちゃいい匂い」

「あーやべ、腹減りすぎて○ぬわ」

「も、もう無理だ我慢ができん」

「わたしは、お腹なんて空いてないんだからねっ」

「領域展開 昼飯の流儀」

「かれーってどんな味なのかな〜」

「まだかよー」

「ぬん」

『ぐーっ』

「もうお腹の音がとまらねーよ」


「よしっできたっ!みんなー、全員分できたから一人ずつ持っていってー」


「わー、いい匂いで美味しそう」

「なんか、茶色くて、う○こみてーじゃねーか」

「…お前まじで、○ね」

「なんだ、この黄色いの」

「ぷりんっていうデザートらしいよ」


「みんな、準備はできましたか?では、黙想………」


「おいっ、お前、目ぇあけるなよー」

「お前こそ開けてるじゃねーか」

「男子、うるさい」

「………」


「やめ、手を合わせて、いただきます」


「「「いただきます」」」


「おお、うめー」

「なんだこれ、すぱいしーで、うめー」

「やばい、ご飯がめっちゃ進む、うめー」

「男子、もう少し静かな声で感想言え。………おいしー」

「これもう、飲み物じゃねーか」

「俺、もうなくなったんだが……」


「あっ、まだたくさんあるから、おかわりしていいよ」


「まじかよ、やったー」

「ちょっと、あんまりいっぱい取りすぎないでよね」

「はいはーい」


「ははっみんな、美味しそうに食べてるね」

「そうだな、っでソルトお前的にはカレーは何点だ?」

「百点、正直これほど美味しいとは思ってもいなかった」

「だよなー、誰かが言ってたが本当に飲み物みたいだぜ」

「私もそう思う」

「ソルト君、私、毎日作ってあげるよ」

「えっ、毎日はいいけど、作ってくれるのは嬉しいな」

「えっ、うん、ふふっ」

「?」

「あっ、そろそろデザートの時間だぜ」

「あっ、本当だ。プリンだっけどんなだろー」

「おー、プルンプルンしてるな」

「うん、プルンプルンしてるね」


「おーこのデザートうめー」

「甘くて美味しいね」

「あっ、もうなくなった」

「俺もだ、私も」

「「「………もう一個食べたい」」」


「あーみんな、今日の休み二人いるから二つ余ってるよ」


「「「………」」」

「「「殴り合いか?」」」


「いやそれは、だめだよ、先生どうしたらいい」

「そうだなー、あれがいいんじゃないか」

「あれ?」

「まえ全校集会で、校長先生が言ってたやつ」

「あー」


「「「じゃんけん!」」」


「よっしゃー、ぜってー負けねー」

「みんなかかってこい」


「はーい、食べたい人前に来てー」


「えっとー、一三人か」

「まぁ、なんとかなるか………それじゃっ、手を出してっ」


「最初はっ」


「「「グー」」」


「ジャンケーン」


「「「っぽい」」」」


「あいこでしょっ」

「あいこでしょ…」

「あいこでし……」

「あいこで…」


「よかったね、ソルト君とヘリスギ君」

「うんっ」

「今日、配膳したからだな」

「それもあるかもね」

「勝利の味を噛みしめるぜ、……うめー」

「…あっ、シュカちゃん少し食べる?」

「えっ、いいの?」

「うん、今日みんな頑張ったし」

「ありがとう、嬉しい」

 あっ、今僕が一番うれしい顔をしてくれた。

 ……それと。

「ヘリスギ君」

「おっ、おう。へ、ヘルス、食べるか?」

「!うんっ、食べるー、ありがとう」

「お、おう」

「ふふっ」

 僕とシュカは顔を見合わせた。


 これが、僕らの日常だ。



 ‐‐‐



「―――みんな美味しく食べてくれてるかな」


 こっちの世界に転生してから約三十年。

 俺には子供たちの先生をになって笑顔にする、という前の世界の夢があった。

 

 俺が転生してきたこの世界はもう、壊滅寸前だった。

 もちろん誰も笑顔じゃない。

 子供なんかほぼいないに等しかった。

 俺は、この世界を救いたいと思った。街の人と協力をしていろんなことをしてきた。

 魔法もあったから想定していたよりもはやく復興ができたと思う。

 それに伴い子供が増えてきた。

 しかし子供は笑っていない。

 そこで俺は、日本のようなみんなが行ける学校を作った。

 そして笑顔にするという夢がかなった。

 そして、改めてこう思う。

 

 やっぱり子供の笑顔が絶えない日常が一番いい、と。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ