表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【毎日お昼12時更新!】万物の聴手と異世界のガラクタ〜魔力の糸で想いを繋げる再構築師(リストラクチャー)〜  作者: 境知屋


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/23

幕間 愛の戦斧(前編)

今日から新エピソードです!

更新時間をお昼12:00に変更しました!

「クッソ……(かて)ぇな……。どれだけ放置されてたんだ……」

『マスター・アルド。戦禍の残骸(スクラップ)から「あ゙あ゙ー……気持(ぎぼ)ぢい゙い゙〜」とお墨付きを頂いていますが』

「この前の鞭みてぇなこと言ってやがるな……」


『不動の二輪』の一件から数週間が経った。広場の二輪は皆の『足』となりアルドが決めたルールに従って大切に乗り回されている。

物の声を聞く武器職人アルドと、アルドが声を聞いて再構築した界外遺物(オーバーパーツ)レイの日常もまた戻ってきた。

今は『六角の杭』の形状となった機織蜘蛛(アラクネー)の織針を使い、戦禍の残骸(スクラップ)を直している最中である。


「これで……よし。ガチガチに締めたから、もう刃が取れるこたぁねぇだろうよ」

『マスターの手の感覚から接合部の締まり具合を確認。……恐らくですが問題ないかと』

「……あ?『もう少し可愛く』だ?……新しい主に頼めよ」

『マスター。「彼」はリボンやビーズによる装飾(デコレーション)を希望されていますね』


今回アルドが直した戦禍の残骸は戦斧である。

本来、戦斧とは文字通り戦うための武器であり、可愛さとは真逆の存在だ。しかし、この戦斧は戦いの中に可愛さを求めているようだった。


「ハッ、可愛さを求めるのもいいが、お前らは本来魔物を倒す存在だろうが……。そこを履き違えるんじゃねぇよ」

『マスター、流石に言い過ぎかと。ワタシがいた世界では、モノに装飾をする文化がありました。ソレは実用的なモノへの装飾も含まれます。せめてリボンを結ぶのは如何(いかが)かと』


レイが得意げに以前いた世界での文化を解説する。アルドは内容に頭が痛くなってきたのかこめかみを抑え始めた。


「リボンだぁ? 刃に絡まったらどうすんだ。……っつーか、戦斧にリボン結んで戦場に出るバカがどこにいる」

『ですから、リボンが絡まらないように持ち手部分への装飾を行うのです。モノの個性を尊重するのも重要ではありませんか?』

「『個性を尊重』だ? 斧の個性は『よく斬れること』だろうが。それ以外に何が必要なんだよ」

『マスター、それはあまりに即物主義的です。持ち手に目印があれば、乱戦時に自分の獲物を見失うリスクも低減します』


レイが珍しく反論する。『鏡』の駆動音もいつもより音が大きくなっていた。

 

『……それに、何より「強くて可愛い」というのは、ワタシのいた世界では1つの強力なステータスでした。それはモノに限らず人物にも当てはまります』

「……、……あーっ!わかったよ!やりゃいいんだろ!やりゃあ!」


アルドは根負けし、作業台に置いてあった革の端切れを乱雑に掴み、持ち手部分へ結ぶ。

そうして出来上がった装飾は、おおよそ可愛さの欠片もないが個性的な結び目の革装飾となった。


『…………マスター、ソレは「リボン」というよりは、どちらかと言えば「補強材(サポーター)」に見えますが』

「……うるせぇ。あとは買ったやつのセンスに任せる……。ほら、オババの店に行くぞ。これ以上こいつのワガママに付き合ってられるか」

明日は後編です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ