item3 不動の二輪(Ⅷ)
おまたせ!
毎日更新が崩れてます。
連載終わって疲れてたんや……!
「丁度効果時間が終わったか……タイミングばっちりだったぜ!」
フェインが満足げに鼻を鳴らす。
『フェインの時間感覚は素晴らしいですね。マスターも見習っていただきたいモノです』
「おっ、レイちゃんが褒めてくれた!なんか照れるなー」
『――今のワタシの発言を一部修正します。時間感覚「だけ」は素晴らしいに変更』
「おい!言葉を付け足すなよー!」
レイたちのやり取りを背中で聞きながら、アルドは若草色の車体をそっと叩いた。
結界が解けた市場の隅から、物音を聞きつけた人々が恐る恐る顔を出し始めている。
「見て!不気味な赤い紋様が消えているわ!」
「アルド凄ぇなー!直したのか!?」
広場には驚きと称賛の声が上がる。
アルドは少し照れくさそうに顔を背け、携帯しやすいサイズになった『六角の杭』をホルダーに仕舞った。
そんな空気を察してか、フェインがここぞとばかりに前に出る。
「よーし! 皆コイツのことが気になるだろうし、オレが試しに乗ってみせるぜ!」
得意げに鼻を鳴らし、若草色のボードへ飛び乗るフェイン。
野次馬たちからも「おおっ!」と期待の眼差しが向けられる。フェインは格好良く片足で地面を蹴り飛ばした。
「……あ、あれ? おいアルド!動かねぇぞ!? ピーピー鳴ってやがる!」
ボードは軽快な警告音を鳴らすだけで、一歩も進もうとしない。
首を傾げ、何度も地面を蹴るフェインの滑稽な姿に、市場の連中から失笑が漏れる。
「あー……。面倒くせぇな」
アルドは呆れたように吐き捨てると、自分の頭を指差した。
「おいフェイン。……頭、守ったか?」
「頭ぁ!? 何で守れってんだよ……。えーっと……!あー、もう! お前のでいいや、ちょっと貸して!」
「えぇっ……なんですかいきなり!?」
フェインはアルドの言葉が終わる前に、近くにいた見知らぬ冒険者の兜を強引にひっ掴んで頭に深く被った。
冒険者本人は、いきなり装備を奪われて呆然と立ち尽くしている。
その直後、『二輪』の表示器が柔らかな緑色に灯り、澄んだ駆動音が響きブゥゥン……と静かに動き始めたのである。
「うぉー! 動いた! 動いたぜ! ゆっくりだが、すげぇ滑らかだ!」
兜をガタガタと揺らしながら、広場をスイスイと走り回るフェイン。
その光景に、驚き、笑い、そして最後には人々からドッと大歓声が沸き起こる。
「おいアルド! それ、俺たちにも貸してくれよ!」
「市場の買い物に役立ちそうだな!みんなの『足』になってくれそうだ!」
人々が次々とアルドに詰め寄る。
アルドは「やれやれ」と溜息をつきながらも、嬉しそうに口角を上げる。
『マスターの体温上昇を確認。……人から認められたことによる自己肯定感の上昇と推測』
「ふん……お前も口が減らねぇな」
『客観的な「事実」ですから』
「ほっとけ」
不器用にレクチャーを始めるアルドの背中で、若草色の『二輪』がポーンと澄んだ音を鳴らした。
『……風の温かさ、思い出させてくれて……ありがとう……!』
それは、自分を縛り、守ってくれる新しい主人への、心からの感謝の言葉だった。
えー、色々考えた結果
新エピソードから更新時間を変更することにしました
お昼12時更新とします!
「氷の令嬢〜」と同じ時間ですね。
ということで
明日からはお昼12:00更新です!
なかなか進みが悪くてすまない……。
ということで明日からもよろしくお願いします




