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【毎日お昼12時更新!】万物の聴手と異世界のガラクタ〜魔力の糸で想いを繋げる再構築師(リストラクチャー)〜  作者: 境知屋


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13/21

item3 不動の二輪(Ⅱ)

続きです。


「おい。居るか。コイツを買い取って欲しいんだが」


ぶっきらぼうないつもの調子で店に入る。すると、パチパチと計算機(そろばん)を弾いていたオババが手を止めてこちらを向いた。


「……おや、アルドじゃないかい。最近来ないから、野垂れ死んでたかと思ったよ」

「ふん……相変わらず口が減らねぇババアだな」


オババは計算機を脇に置くと、身を乗り出してアルドの手元を覗き込んだ。

 

「それで? 今日は何を持ってきたんだい?クソみたいなモン持ってきたら承知しないよ」

「……鞭だ」

「鞭ぃ!?……アンタが?」


アルドは多節鞭をカウンターへ置いた。オババは驚きと困惑の表情でそれを見つめている。


「……驚いた。……まぁ、見た目は確かに一級品のそれだが……。アタシの鑑定眼(アプレイズ)は誤魔化せないからね。アルド、わかっているだろうね」

「わかってるからとっとと視てくれよ」


オババはスキルを発動し、多節鞭のあらゆる情報(ステータス)を自身の目に映す。


 名称:風斬の大蛇【ウィンド・サーペント】

 現在の推定市場価値:金貨287枚

構成精度:99%

 特殊効果:軽量化(小)、急所当て(大)

 ………………。



「……何だいこの出鱈目な情報(ステータス)は……!何で重量級の鞭なのに()()()がついていなきゃいけないんだい!?アンタ、今度は一体何をしでかした!?」

「何って……いつも通り「声」を聞いて直しただけだが」

『マスター・アルドに代わり補足します。マスターは戦火の残骸との会話から鞭の関節部の軋みを発見。それを機織蜘蛛(アラクネー)の織針で調整、多節鞭の関節部分の軽量化及び急所(クリティカル)を実現しやすい調整を施した形となります。』


レイが主の代わりにオババへ追加の説明をした。人との付き合いが苦手な彼にとってはある意味ありがたい部分でもある。


「あの不格好な『鉄筆』の形になった織針が?……いや、ちょいとお待ち。そういやアンタ、最近魔法ギルドで起きた界外遺物(ガラクタ)の大暴れを止めたんだってね。ギルドの研究員が言ってたよ。……まさかとは思うが、ソイツが原因かい?」

「原因かどうかは知らんが……織針の形は変化したな」


そういってアルドは『平針』と化した織針をカウンターに置きオババに見せた。オババはまじまじと針を見つめている。


「……成る程。この前の『鉄筆』とは違い、この形状は確かにあの多節鞭の節の調整にはうってつけの形だね。元の形は紡ぎ編む、『鉄筆』は押し当てる……。今回の形は接合部を調整する……か。アンタ、針の形が変わるたびに技術も身についてきているんじゃないかい?」

「……ふん……余計なお世話だ」

『マスターの体温が0.6度上昇。オババ殿に自身の腕を褒められたことによるものと思われます』

「……余計なこと言うんじゃねえ、レイ。……ほら、とっとと帰るぞ」

 

アルドは照れ隠しに金貨の入った革袋をバッと受け取るとすぐに背を向けた。背後でオババが「不器用な男だねぇ」と笑う声が聞こえたが、それは無視して店を出た。


 

なんだかんだでアルドは褒められると嬉しいのです。

明日の更新もお楽しみに!

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