最終決戦!アドニムーンの陥落
星界の最深部を目前にして、空は真っ赤に染まっていた。 行く手を阻むのは、アドニムーン機関の本拠地である巨大浮遊要塞。無数の魔導艦隊が、アルビレオ号を包囲する。
「……ここまで来て、引き返せるわけないじゃない!」 キマリアは操舵輪を握るソラの隣で、魔導杖を高く掲げた。
一方、地上のフィレンツェ。 魔導炉が沈黙したピッコロッソの周囲を、機関の息がかかった《聖花騎士団》の精鋭たちが包囲していた。
「逆賊、星月および葉月! 直ちに投降せよ!」
暗闇の店内で、星月は静かに予備の魔導弾を装填した。 「……葉月、無理はするな。お前の心臓はまだ安定していない」 葉月は青白い顔で、それでも不敵に微笑む。 「何を言ってるの。……最高の一杯を出すまでは、オレは倒れないわよ」
地上の戦いの火蓋が切られた。 星月は単身、騎士団の装甲車へと突っ込む。かつての仲間たちを、殺さず、だが圧倒的な技量で無力化していく。 「……これが、私がピッコロッソで学んだ戦いだ!」
空の上でも、アルビレオ号が猛攻に晒されていた。 「敵の結界が厚すぎる! このままじゃ特攻しても届かないわ!」 結月の叫び。その時、キマリアの胸元で星月のパーツが、かつてないほど激しく明滅した。
それは、地上の星月と空のキマリアの、魂の同調。
「──神月! 通信を繋げ! 出力はどうでもいい、ただ『道』を見せろ!」 星月の叫びに応じ、神月は破壊された魔導網を強引にバイパスさせ、フィレンツェの街中の魔導ランプを爆発的に発光させた。
街中の光が、巨大なビーコンとなって星界のアルビレオ号を指し示す。 「……見える。星月さんの、みんなの光が……!」
キマリアは杖を突き出した。 「全エネルギー、魔導砲へ! 撃てえぇぇぇ!」
地上の星月が放った最後の一撃と、空のキマリアが放った魔導砲が、次元を超えて重なった。 《双星覚醒・オーバーライザー》
純白の閃光が要塞の核を貫き、機関の野望と共に崩壊させた。 爆炎の中、キマリアたちはついに《アストラル・コア》の入り口へと到達する。
だが、そこには一人、静かに佇む影があった。 機関の首領であり、かつて葉月と星月を陥れた男。
「……おめでとう、少女たち。だが、ここからが『本物』の絶望だ」
次章『アストラル・コアの守護者』 物語は後半戦へ。星界の真実と、母の「本当の姿」が明かされる。




