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僕は掃除夫。

作者: 一色 赤

僕は掃除夫。綺麗好き。


僕が掃除しているココは、この街で一番危険なビルの前。


ココは狭い入り組んだ路地裏で、そんでもって、自殺の名所なの。


このビルに入っている闇金さんは、十日一利トイチなんだって。


みんなそれで苦しんで、飛び降りちゃうらしいんだけど、僕には何のことだかさっぱり。


ココに落ちているゴミは、タバコの吸殻、割れた酒瓶、グシャグシャの新聞紙、腐った何かの食べかす、人間の死体。


などなど汚いものが山ほど。


毎日、毎日、片付けても、片付けてもゴミはなくならない。


今日も三体あったけど、家族だったのかな~?


でもそんなの気にしない。さあ、はりきって片付けましょう。


だって僕は掃除夫。ゴミは綺麗に排除します。


けれども、今日はあれれ。。ゴミがない。。


うう~ん、どうしよう。困ったぞ。


丁度そこに、『ああ、ホームレスのおじさん、こんちわ。』いいところに来てくれた。


おじさんはいつも汚い格好でココを汚すから。



『空を見に行きませんか?』



笑顔でおいでおいでをする、僕。





。。。えいっ。。。。。。グシャ。。。



ああ~、やっぱり死ぬときも汚れちゃうんだ。


でも、おじさん、仕事を手伝ってくれてありがと。


さあ、早くお掃除、お掃除!!


僕は急いでビルの屋上から駆けおりる。


やっぱり、ココはこうじゃなくっちゃね。


僕は掃除夫。綺麗好き。だけどたまにはゴミを作るよ。人間だもの。



最後まで読んで頂いてありがとうございます★

トイチは暴利のことですね。10万円借りたものが10日たつと、1割りの1万円が付いて11万円になってしまうという恐ろしいシステムです(´Д`;)ナンマイダ。。。

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― 新着の感想 ―
[一言] こんばんわ~。お邪魔します。 久しぶりながら拝読させて頂きました! 読みながら・・・ 「うわっ、これは確かにホラーだ・・・」と(@_@;) びっくりのような・・・・・心臓がざわざわと落…
[良い点] はじめまして♪ ドキドキしながら読ませていただきました! 文体とは裏腹にシュール…というかえぐい(?)お話で、けど最初から最後まで作品に引き込まれていく気がしました こういうの大好きです…
2010/01/29 14:17 退会済み
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