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第90話 墜ちていく英雄たち1

巨大な鳥の群れに近づきつつあったパイロット達はその全貌をすでに確認することに成功していた。


 翼長8~10mほどの巨大な鷹のような鳥型怪獣。全身に生えた羽がまばらに抜け、特に頸部から頭部にかけてはかなり羽が抜け落ちてしまい、まるでハゲタカのようだった。総数は約200羽と推察できたが、正確な数はわからなかった。そしてお互いの距離はもう数百mまで縮まっており、方向転換し、基地へと撤退する必要があった。


「司令部、巨大な鷹のような怪獣です。翼長8mほど、総数はおそらく数百羽だと推察します。」リーダーは目の前に広がるすさまじい光景から目を離さず司令部に報告を行った。


「了解した。では全機基地へ帰還せよ。」司令部はそう短く返答した。


「お待ちください。この怪獣達はA市の方向に進んでいます。現在N市、A市に派遣している兵力で対応可能ですか?」リーダーは司令部の指令を実行する前にそう質問した。


「いや、現在の兵器では対応が難しいのは間違いない。」司令部はそう答える。


「なら、私たちにやらせてください。全部を駆除することは難しくとも、一部ならなんとかなるかもしれません。」そうリーダーは告げる。編隊の誰も口をはさむことはない。


「だめだ。現在その怪獣達の目的が分からない以上、下手に刺激することで被害がさらに起こる可能性がある。今すぐ帰還せよ。」しかし、その提案は却下され、改めて帰還指示をだした。


「わかりました。直ちに帰還します。」そうリーダーは返答し、編隊に進行方向を変え、基地に帰還するように伝えた。実際のところ、現在所持している機関銃だけで200羽を超える怪獣を駆除することは難しかった。


 方向を変え、群れから離れる方向に飛ぼうとする戦闘機達。だが、その時群れの一部、50羽ほどがこちらを追うような動きを見せた。その速度は戦闘機にくらべると遅かったが、現在のルートだといずれ交差しぶつかることが確定していた。回避行動も可能だったが、それでも編隊の一部は衝突する可能性が残っていた。

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