第82話 救出作戦2
横並びに整列した隊員たちは、部隊長の指示のもと発砲を開始した。今はすでに現場レベルでの戦闘開始の判断を許されており、わざわざ司令部の判断を待つ必要はなかった。また、銃弾に関しても使用に制限はなく、初手からアサルトライフルを使用していた。
空気を引き裂き、音を置き去りにする速度で飛ぶ弾丸の雨がすぐさま怪獣たちに着弾し、体中に穴をあけていく。怪獣たちは発砲音に気づき、弾を浴びてから隊員達に近寄ろうとしたが、数歩歩いたところで限界を迎え地に倒れ伏した。また、その音を聞きつけぞろぞろと校舎内から怪獣たちが現れるも、同じ運命をたどった。結局20体の怪獣を撃破し、この避難所での駆除が完了した。その後は3人ずつに分かれ校舎内を探索。30分ほど探索し結局誰も生き残っていないことを確認した。
落胆しながら、隊員たちは再度トラックに乗車し、避難所を後にした。まだ行くべき場所はある。連絡が取れていない避難所は約10か所あり、それを3チームで回る必要があるのだから。彼らはトラックを発進させ、次の避難所で生存者を見つけられることに期待した。
結局、この3チームで訪れた避難所はどこも虐殺が起きており、生存者が見つからなかった。
だが、最後に訪れた避難所は少し様相が違った。ここでも怪獣を15頭駆除したが、探索中に校内で不自然に死体が集まっている場所を見つけたのだ。そこは給食調理場の最奥にある小型のエレベーターの前で、その前には棚が二つ倒されており、何かを中に閉じ込めたか、または何かを中に隠したかのように見えた。
隊員たちは緊張しつつも棚を片付け、扉をこじ開ける。すると、中は床が血だらけで、その中央には血だらけのおくるみにくるまれた、真っ青な顔の赤ん坊を抱いた小学生の女児が倒れていた。隊員たちは急いで子供と赤ん坊を抱きあげる。赤ん坊は弱いが、かすかに呼吸をしており生きていることがわかった。だが、子供は背中に穴が開いており、すでにこと切れていた。
ここで何があったかは定かではないが、大人たちが身を挺してこの子供たちを守ろうとしたのは間違いなかった。隊員たちはその目的を達することが出来た勇者たちに短い黙祷をささげ、赤ん坊を連れ急いでその場を後にした。赤ん坊自身も体調がよくないのは間違いなく、急いで医療機関に搬送しなければならない。彼らは赤ん坊を救出したことを司令部に報告し、その場を後にした。




