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第67話 男の話3

だが、結局このざまだ。本来守るべき二人の傍にいれず、彼女たちを守ることが出来ない。今こうやって必死に走っているが、体中が悲鳴を上げている。肺は焼けるように熱く、息を吸うのも吐くのも痛いくらいだったし、足はまるで鉛でできたように重かった。仕事を始めてからスポーツなどやめており、久しぶりに走ったせいだ。これでは彼女たちのもとに向かうのにどれほどかかるか。

 それでも彼は走るしかなく、ただただ自分の体に鞭を打ち、走り続けた。


 そうして20分ほどの時間が過ぎ、何度も走るのを止めようとしつつ、走り続け、もう限界が近づいていたころ、電話がかかってきた。スマートフォンのディスプレイに映る名前をみてすぐに電話を取り、息も絶え絶えになりながらも言葉を紡ぐ。


「由美!!無事なのか?よかった!」彼は愛する女性の返答を聞き、涙をこらえながら言葉を続ける。


「隼人は?隼人は無事か?そうか、よかった。助かったんだ。今どこにいるんだ?迎えに行くから待っててくれ。」そう伝え、彼女の返答を待つ。そして帰ってきた言葉に青ざめた顔になった。


「そうか、わかった。俺がなんとかする。だからそこで待っててくれ。」彼はあたりを見まわす。廃墟と化し、暗闇に包まれた街の中、何か役立ちそうなものがないか、あてもなく、祈るかのように探し回る。


「これは・・・」


そうして、少し進んだ先でビルの陰にあるものを見つけた。


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