第48話 避難所の戦い 第2作戦1
田上も下田も共に無事その役目を果たすことが出来た。今度は自分たちの番だ。そう思いながら残った警官たちは気を引き締め、第2作戦に移行した。
第2作戦では怪獣を4階に誘導することになっていた。この誘導は階段を上らなければいけないという点を除けば距離は短いものだった。というよりもそのためにこのような校舎を回り込むような誘導を行ったのだ。3階には住民たちが避難しており、防火扉を閉め、そこにさらにバリケードを築いている。あとは作戦を完了させるだけだった。
誘導役を担った警官2人は階段を駆け上がる。階段も今までの廊下などと同様、ランダムに障害物が置かれており、怪獣の進行を妨げるように工夫が凝らされていた。
バリケードを破壊することを諦めたカマナシ、一足早く階段まで来ていたメナシが階段を進み始める。廊下とは違い、階段を上るのは人間にとって苦労することだが、怪獣たちはあまり速度が下がらない。みるみる距離が縮んでいく。
3階を折り返し、4階に上がり始めたところでほとんど追い付かれてしまった。メナシが鎌を振り上げる。カマナシも階段の一番下まで来ている。
あと少しで絶体絶命。そんなタイミングで上からロッカーが降ってきた。ロッカーは警官の背中すれすれをかすめ、2頭の怪物を押しつぶし、階段にその体をたたきつけた。上の階に待機していた警官たちが階段の手すり部分から落としたのだ。
小学校のロッカーというのは、子供でも体格がいい子なら動かせる程度には軽いものではあった。そのため、中には図画工作室で見つけた石膏細工などの重そうなものをたっぷりと詰め込んでおり、怪獣のバランスを崩すのに十分な重さが確保できていた。
だがそれで崩れたバランスはすぐ立て直された。2頭はその程度の重さのものならはねのけられるのだ。怒りに狂い、体を起こして再度追跡を開始しようとしたところ、上からさらに何かが落ちてきた。
それは家庭科室や備品倉庫を探索した際に見つけた小麦粉や石灰の粉を包んだカーテンであり、丁寧にも所々が裂いてあり網のような構造になっていた。落ちてきたカーテンから粉は舞い上がり、怪獣の上に降り注ぎその視界を奪った。怪獣たちは視界が急に奪われたことに混乱し、さらに怒り狂いその場でやたらめったらと暴れまわった。そしてそうすることによりカーテンが体の様々な部分に絡まり、転倒した。
そのすきに危機一髪、ぎりぎりのところで助かった警官たちは階段を上り、最終地点での仕上げのために移動を開始した。




