第47話 避難所の戦い 第1作戦5
カマナシは怒り狂い、自分よりもはるかに小さな教室の扉をこじ開けようと体当たりを始めた。元々小学校の横開きの木製の扉であり、耐久性はないに等しかった。1回の体当たりで扉は壊れ、カマナシは教室内に突入できた。
ただ、その時の勢いが強すぎたせいか脚部を障害物に取られ、前のめりに転倒してしまった。後から入ってきたメナシは転倒することなく彼らを追いかけたが、今度は出口の扉で足止めを食らった。
田上も下田も全力で駆ける。もうすぐで西の階段に到達する。まだ怪獣とも距離がある状況であった。西の1階と2階をつなぐ階段にもバリケードが設置してあった。これもかなりしっかりと作られていたが、人間が一人なら這って通れる穴が設置されていた。
下田がその穴を通る。田上はその後ろについており、下田が通り終わるのを待っていた。だがメナシがすぐそこに迫っていた。怪獣と田上との距離は5m。すでに怪獣は鎌を振り上げていた。すでに自分はかがみこみ、穴を通ろうとしていたが、もう間に合わない。
来るだろう自分の終わりに目をつぶりかけた時、銃声がした。打ち込まれた銃弾に気を取られ目標を外した鎌が自分の足のすぐ後ろの廊下に突き刺さる。そしてバリケードの隙間から見えたのは上の階から覗き込むように銃を構えている警官の姿だった。自分たちが立候補したときに代わりになろうとしてくれた人だった。穴を這いずり通り抜けながら、今まではなしたこともなかった彼に感謝しつつ、バリケードを通りぬけることに成功した。自分の後ろではバリケードを壊そうとしているカマナシと上りの階段に向かおうとしているメナシが隙間から見えた。
時間はないかもしれない。そう思った二人はそのまま階段を下り、玄関を出て校舎の外の闇に向かって走り出した。




