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第46話 避難所の戦い 第1作戦4

 校舎の東端に到達したメナシとカマナシはバリケードのない階段には興味を示さず折り返して西に向かおうとした。その時銃声がし、メナシの欠けた目に銃弾が命中した。階段の手すりから覗き込むように田上が拳銃を打ち、それが幸運か不運か命中したのだ。

 メナシはひるみ、その音を聞いたカマナシが階段の上にいた人間を視認した。自分たちが探していた獲物がいたことに歓喜したのか、2頭の怪物はすさまじい勢いで階段を上り始めた。それを確認するや否や二人は2階の廊下を西に向かい駆け出した。何をおいても校舎の反対側に到達する必要がある。彼らは後ろを振り向くこともなく自分たちの出せる最高の速度で走り出した。

 

 今までの動きから怪獣の出せる速度は人間の全速力よりも速いことが分かっていた。そのため、司令部は廊下にロッカーや机を散らばらせ、人間の進むスペースは確保しつつ怪獣の進行を邪魔することを提案した。カマキリ型の怪獣は移動に使う脚部が4本で、荷重の割合も後脚が大きい。そのため、高さの違う様々な障害物で前後左右の脚部のおける高さを乱すことで進行を遅くできる可能性があった。

 実際、この作戦はある程度の効果を示した。ロッカーや机にぶつかり、跳ね飛ばしながら進む怪獣の速度は先ほど見たそれよりもずっと遅かった。それに、カマナシの方が遅いのにメナシよりも前にいたことで邪魔になっていたのも大きい。

 それでも彼らと怪物たちの距離は少しずつ縮んでいった。あと少しで追いつく。カマナシは田上の背中を射程にとらえ、残った左の鎌を振り上げ、そして振り下ろした。一閃。振り下ろされた鎌は小学校の廊下に突き刺さった。

 鎌が降り降ろされるタイミングで2人は教室の中に逃げ込んでいた。教室内部には廊下と同じように教壇や机がまばらに置かれていた。

 元々、障害物による遅延でも間に合わない可能性があった。そのため途中にある教室内にもコースが設定されており、教室の入り口、教室内の障害物でも怪獣の足止めを行うことになっていた。二人は間一髪で間に合ったことに安堵しつつ息を整え、再度走り始めた。


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