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第39話 虐殺2

 移動することを拒否した住民、愚かにも自分たちで避難すると学校外に移動を始めた住民、彼ら以外の住民達は校舎内に避難を完了していた。50人ほどが体育館には残っていたが、彼らも避難した住民にも今やすさまじい地鳴りのような轟音が聞こえていた。

 

 今まで自分たちが住んでいた住宅地の方から黒い影が波のように押し寄せている。明かりのついている住宅、建物が波に飲み込まれ明かりが消えていく。その光景を高い場所から見ることが出来た住人たちは恐怖におののき、パニックに陥った。だが、その一方で一部の冷静な住民、警察官たちは机や棚などを動かし階段にバリケードを築いていた。

 

 そして数分ののち、黒い波は小学校の塀に衝突した。すさまじい轟音、振動、電信柱の揺れる様子、それらを見た住民はパニックとなり、バリケードをほとんど築き終わっていた住民や警察官も唖然とした様子でその光景を見ていた。運動場に設置されていたライトに照らされ見えたのは巨大な虫の群れ、おぞましく、感情の読めない目を持ったグロテスクな造形をした怪物の群れであった。

 不均一な大きさ、不均一な形、進行の最中に欠損したのか体の一部が欠けたものも少なくはなかった。彼らは学校の塀にぶつかるとその進行を一時的に止め、学校を迂回していった。その光景をみて住民たちはほっと胸をなでおろした。

 

 だが、その次の瞬間、数頭の怪獣が背部の甲殻を広げた。そこには二枚の羽が存在しており、その数体の怪獣は飛びあがり、学校の塀、その上にあったネットを超えて敷地内に侵入してしまった。ほとんどの怪獣はもうすでに方向を変えて学校を通り過ぎていたため、侵入したのはこの数体で済んでいたが、それでもその数体は運動場の中をゆっくりと動き、何かを探しているかのように動き回っていた。

 

 住民たちがあまりの事態に言葉を失っていると、怪獣たちがすべて体育館の方向を振り向くのが見えた。そして、体育館の裏口から狂乱し、逃げようとする一人の中年女性の姿とそれを呼び戻そうとする幼い子供の姿が見えた。

 そして、次の瞬間にはその光景に気づいた怪獣たちがその女性と裏口に殺到した。女性は数秒のうちに見るも無残に切り刻まれ、物言わぬ屍の塊に変わっていた。呼び止めようとしていた子供もすぐに顔をひっこめたようだが、間に合わず、裏口にどんどんと怪獣が吸い込まれていくのが見えた。誰もがその光景に対し恐れおののき、一言も声を出すことが出来ないでいた。

 

 おそらくもう体育館は・・・誰もが口には出さなかったし、一言たりとも言葉を発することが出来なかったが、何が起こっているかは明白だった。


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