第34話 終わりの始まり1
健太達の住んでいるN市は山岳地帯からも離れ、海のない県の広い平野に位置していた。また、ここ最近の怪獣の襲撃の多くは山岳地帯からのもので、海や河川からのものが混じる程度であった。一番多かったのは昆虫型の怪獣で、巨大化した昆虫が、1,2頭ほど出現し、市街地や住宅街を破壊するパターンが多かった。
水棲生物型の怪獣に関しては、海外では爬虫類型の怪獣の報告があったが日本ではほとんどが魚型または甲殻類型であり、人的被害は少なかった。撃退に関しても自衛隊の練度の上昇、市民の避難に関するプロトコルの運用の洗練、各機関での調査に基づく作戦の改善などで以前にくらべ速やかな排除が可能となっていた。
以前の襲撃後から、山岳地帯に隣接する都市には山岳への入り口にあたる部分に監視カメラが設置され、自動での動体検知を行っていた。今までの傾向から、襲撃する動物の大きさが尋常ではないことが分かっていたため、これらの動物を自動で探知すると各都市に設置された中央監視部がそれを確認、報告を行うこととなっていた。
当時の自衛隊は襲撃の報告を聞くと、最も近い基地に作戦本部を設置、その時点で作戦の実行部隊を編成し、防衛大臣の出動決定を待つ。防衛大臣の命令が下りた段階で出動し、現地まで移動を開始する。到着を待つ間は警察が主に住民の避難を担当し、場合によっては警察の特殊部隊の出動も要請し、怪獣の足止めを担当する。
人員不足に悩む自衛隊、警察が行っている対応はこのようになっていた。
N市は平野に位置しているが、隣接した市はすべて山岳地帯に隣接しており、時々襲撃が起こっていた。今回はN市の隣に存在するK市で襲撃が起こり、2頭の昆虫型の怪獣が出現した。夜も更けてきた頃に山岳地帯から市街地へと降りてきた段階で自動検知に引っ掛かり、通報され、存在が確認された。
ほぼ同時期に北海道でも同様の襲撃があり、こちらの作戦が実行中であったため防衛大臣も報告を聞きすぐさま対応を命令することができた。出動した自衛隊員は10人。N市が元々基地から近い位置だったため、襲撃場所への到着はこちらの方が早かった。




