表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/114

第29話 女の話3

ある日いつもは息子たちばかりに熱を上げている母親が話しかけてきた。いつも父と話す時や兄達に話す時は猫なで声というか、甲高い声を使って話している彼女は、私と話す時だけは声のトーンを下げる。というよりもこれが地声なのだろう。話してきた内容は私が学校でいじめにあっていないか、つらいことがないかということであった。

 自分のことを気遣ってくれるなんて珍しいと思いつつ、特に困っているようなことはないことを伝えた。そうすると、そう、それは良かったなどと抑揚をつけずに言いつつ、歩み去ってしまった。でも、その時にちらりと見えた彼女の眼というか、表情には残念さと悔しさが垣間見えた。わかってはいたが、多分私は母から嫌われていたのだろう。それもひどく。

 

 兄たちはあまりかかわりがなかった。小さい頃はともに遊んだが、兄たちは塾に習い事が忙しく、自然と会話が減っていった。長男は口数が少ない、というか自我が薄いのか親の言いなりだった。自分のことを妹とはわかってはいたが、特に何も思っていないようで、かかわってくることはなかった。次男は事あるごとに私にやさしかったけど、長男と同じで親に行動を支配されていた。

 

 高校をでて、父が希望する、何のためにもならなかった短大をでて、私はこの前まで勤めていた会社に就職した。その会社ももとは父の会社の取引先で、ただのコネ入社だった。父としては結婚までのつなぎのつもりだったのだろうか?今となってはよくわからないが、そこでは卒なく過ごせていたと思う。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ