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第23話 死にゆく者の過去2

 そこからの二人の人生は幸せなものではあったが、順風満帆とはいえなかった。二人はアミットが大学を出たときに結婚した。当初は一般の企業に勤めるつもりであったが、その当時師事していた教授から大学院への進学を提案され、アミットは進学を選んだ。プリヤはアミットの両親の店で働きながら家計を助け、彼の大学院卒業の間家計を切り盛りしていた。

 彼はその後無事大学院を卒業し、役職を獲得した。給料がまだ低かったため、プリヤは仕事を続け、旦那を支え続けた。アミットの深海生物におけるミトコンドリアの働きに関する論文が高い評価を受け、彼が講師として他大学に招かれたときアミットは32歳、プリヤは28歳であった。


 彼らにとっての最大の不幸はなんだったのかというと、子供ができなかったことだ。大学院進学の後から何度も妊娠はしていたのだが、そのたびに流産を繰り返していた。一縷の希望を託し、自分の勤めている大学の産婦人科を受診したが、特に原因がわかることもなく対処のしようがないとのことであった。そのうちに、アミットの両親はプリヤと別れ、次の女性を紹介することを提案してきたが、アミットはこれを拒否した。彼にとってプリヤはかけがえのない女性で、彼女と別れるなどとは考えたこともなかった。

 しかし、アミットが37歳、プリヤが33歳の時にプリヤの方から離縁を申し入れてきたことがあった。アミットはその時点で高い評価を受け、いずれ他大学に准教授としてのオファーをもらうことが内々に提案されていた。その日は二人で朝になるまで話し合い、プリヤがいなければここまでアミットは来れていなかったことを伝え、最後には二人で抱き合い号泣しながらお互いの愛を再確認した。その日から今日まで、二人はお互いの愛を大切にし、幸せに過ごしてきた。


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