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第100話 飢餓
彼らにとって予想外だったのは、鉄の鳥ではなくてカマキリ共があらかた焼け死んでしまったことだろう。腹いっぱい食べて栄養を貯えるつもりだったのに、気が付いたらカマキリ共は火に焼かれ、今や所々にはぐれた小さい奴らがいるだけだった。これではみんなの腹は満たせない。彼らは不満であった。
特にリーダーである一番体が大きい怪獣はこういうことになってしまった理由がわからず、怒りに打ち震えていた。先ほどの鉄の鳥が何かをしたのだろうか?壊したら中からまずくて小さい何かが飛び出してきたので、少しは腹の足しになったが、それだけでは足りなかった。群れのためにも何とかしなければ。そう考えて上空を飛んでいたが、ふと、とある巣のような構造物の中にうごめくような何かを見ることが出来た。多分さっき食べたまずい奴だ。形が一緒に見える。だが、一か所に集まっているのはよい。狩りやすい。
そう考えたリーダーは群れに指示し、目の前に見えていた小学校に向かって突き進むのだった。