出会いと衝撃
「いいか、イスカリオテお前だけでも行くんだ」
暗闇の中一人の白衣を着た30代位の男が話をしている、もう一人は暗いこの場所では暗くよく見えない、身長が低い、子供なのはわかるその子はイスカリオテと白衣の男に呼ばれている。
「よく聞けこの先を抜ければ外だ、町があるがそこに留まるな出来るだけ遠くに行くんだいいな?」
白衣の男は、暗闇でよく見えない中イスカリオテの肩に手を当てて話を聞かせている、その男は余りにも必死の形相であり額からは汗が出てそれが床に落ちている。
暗闇で顔は見えないが頷くイスカリオテ、それを見た男は笑顔を作り、そっとそのイスカリオテの背中を押す、真っ暗な穴に滑り落ちていく。
「いってらしゃいませ晴春様」
扉の前でメイド服を着た女性が青年に向かって頭を下げている。
「行ってきますよ真奈夏さん」
少し起こりぎみな感じで青年遠月晴春は門を出て行く。
時刻は12時手前で外灯の光に照らされながら晴春はババ抜きで十連敗をした罰ゲームとしてコンビニにアイスを買うため歩いていく。
5分位でコンビニが見えてくる晴春は少し足取りを速めて歩く。
お馴染みのファミがつく音楽が流れて自動ドアが開き店に入る、店員のいらっしゃいませが聞こえなかったが気にせずアイス売り場に向かう。
「お、ハーゲンの限定ほうじ茶味があるぞ」
晴春は、お高いアイスを自腹で2個手に持ちレジに向かう。
「なっ、何だこれ」
晴春の目の前には、おにぎり、弁当、菓子パン等が、宙に浮いていたそれぞれが自由に飛び回る、視線を落とすと白銀の長髪が目に入る、おにぎりは、その周りをぐるぐると漂い白銀の長髪をした少女の手のひらに落ちる。
「本当になんなんだ」
晴春は、ただ呆然とその光景に目を奪われ、立ち尽くす。
「はなた、もぐもぐ、だれ?」
少女がおにぎりを食べながら晴春に話しかける。
問いかけから2分以上が、経過していた。おにぎりを食べ終わている。余りの長さに、少女の顔色が変わり、顔を上に向けて晴春の顔を見ながら、息を大きく吸う。
「お前は、だれ!!」
声は、コンビニに響きわたる。晴春の身体がビクッと震え、
静寂な時間がほんの少し流れる。
「あ、あの」
声が言葉が詰まるその筈だその少女の顔は片時も忘れる事がない最愛の妹と瓜二つであるのだから
晴春の頬に涙が伝う手を少女の顔に近づけ触ろうと近寄る
「な、触るな」
少女は、叫び声をはっして晴春を睨むがそのまま顔に手を当て少女を優しく包み込むようにして抱き晴春はただ無言で涙を流す。
「何で私に触れるんですか、今止まるように能力を使ったのに」
少女は、もじもじと体を動かして離れようとしているが少女よりも大きな男の力に動く事が出来ない