8月29日 最後
もうすぐサッカー部の全国大会ということもあり、盛り上がりを見せていた。俺たち野球部は、あっという間に負けてしまい、夏が長くなることはなかった。一方、サッカー部は約1ヶ月も伸びている。このままいけば、秋に行われる国体にすら出れるんじゃないかというレベルだった。野球部とサッカー部の一番の違いは、スター選手がいるかどうかだろうな。
俺 「俺たちも応援行くから頑張れよ」
井川「それは、ありがたいけどあんま期待すんなよ」
思わず笑ってしまった。
俺 「なんでだよ?」
井川「俺が試合出れなかったら恥ずかしいだろ?」
少し照れくさそうに話す井川がいた。
俺 「どんなフォーメーションなの?」
サッカーは、野球と違い団体競技感が強いと個人的には思っていた。
井川「どうだろうな、、、」
何かを考えていた。
俺 「まだ、決まってない感じ?」
井川「沢田が出るかによってだいぶ変わるかな」
俺 「なるほどな」
沢田は野球でいうピッチャーみたいなものなのかもしれないな。
井川「まぁ、でも大体は決まってるよ。フォワードは、宝来と中沢だろうな。二列目に、辰巳、工藤、唐沢。三列目に、原田、野木、富山、相田。キーパーに川上ってところだろう」
俺 「そんな感じなんだ」
今のフォーメーションだと、沢田がいないバージョンかぁ。
俺 「あと一人いるんじゃないの?」
井川「ああ。沢田がいれば沢田のワントップになるし、いなければ中沢の横に俺がいるって感じだろう」
俺 「それ、めっちゃ大変だな。お前!」
つまり、沢田の代替が井川ってことになる。
井川「まぁ、そうなるな」
俺 「出ても出なくても嫌だな」
井川「その通りだな」
たしかに、同じ状況なら俺も嫌だろうな。沢田の代わりというだけでもう嫌なのに。
俺 「でも、試合は出たいだろ?」
井川「当たり前だろ?そのために3年やってきたんだから」
俺 「だよなぁ」
そういえば、沢田と井川は同じ中学校だったはず。昔から、ずっと比べられてきたのかなぁ?
井川「まぁ、勝てばまだまだ試合に出れるちゃんすはあるしな」
俺 「それは、そうだな」
井川「まぁ、楽しみにしといてくれ」
負けたら終わり。それは、3年生の宿命だ。最後にサッカー部の本気を見せてもらおうと思っていた。




