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日常で世界を変える(八幡編)  作者: mei


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7月31日 淮南高校戦3

 試合から3日が経ち、少しずつ切り替えられるようになっていた。


 ー7月29日ー

 初回に点を取れなかった俺たちは、守備についた。マウンド上には、初先発となる田中が上がった。特別速い球を投げるわけではないが、緩急をつけながら、打者を打ち取っていく。それが田中のスタイルだった。正直、竹田や葛西を差し置いて投げるとは思わなかった。

 しかし、淮南高校の打線は、田中のスライダーやチェンジアップに翻弄されてしまっていた。1番村田をサードゴロ、2番賀川と3番園山を三振に打ち取るなど最高の出だしをしてくれたのだった。俺は、ピッチャーの田中とグラブタッチを交わし、ベンチへ戻っていく。向こうは、なんだか浮き足立っているように見えた。今のうちに攻めていきたい。俺は、そう思った。

 俺は、ペットボトルの水を飲み、ベンチから攻撃を見守った。この回は、5番の佐伯からか。最近、佐伯は当たりがとまっている。マウンド上にいる湯浅は、表情を変えずに淡々と投げこんでいるように見える。夏の日差しの強い新友戦球場。ピッチャーの湯浅がボールを握り、バッターの佐伯に投げこんだ。佐伯は、リズミカルにバットを振り出した。ベンチに座る選手たちの声が掛かり合っていた。選手たちの雑音も、野球場の緑に混ざって、静けさを壊すことはない。

 今日は、ベンチにいる中でも、永谷が特に声を張り上げていた。永谷は、キャップを深く被り、眉間にシワを寄せていた。当然、試合に出たいのはあるだろう。しかし、そんな気は全く見せずに、ただただチームを鼓舞する。手拍子を打ちながら、6番の早川に指示を出していた。早川は、この夏、初めての先発出場だった。不振の小川に代わっての出場ということもあり、なんとか早川のシュアなバッティングに期待していた。早川は、パワーこそそこまでだが、バッティングだけであれば、橋本と同等のセンスがあると思っていた。フリーバッティングでみせる綺麗なバッティングフォームが俺は忘れられない。「先輩の意地みせたれ、悠太!」。横にいた健太郎が大きな声を出した。

 初球、低いボールを見送った。「ナイス、ナイス。よう見てるよ」。健太郎の声はとまらない。ヘルメットを被りに手袋をつけた健太郎は、今か今かと自分の出番を待っている。「しっかりボール見ていけよ!」。後ろから、声が聞こえてくる。すると、大きな金属音が聞こえてきた。打球は、レフトの方向へライナーが飛んでいく。ナイスバッティング!!。俺たちは、出塁した早川に声をかけたのだった。

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