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日常で世界を変える(八幡編)  作者: mei


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7月27日 渡邉祐奈

 明日は、いよいよ二回戦。海美高校を破った千川第二高校が対戦相手。前回同様、負けたら終わりという一戦になる。先発ピッチャーは、一回戦同様、橘が投げるみたいだ。スタメンも大きな変更はない。唯一変更となったのが、外野の布陣くらいだ。一回戦は、レフト安田、センター侑大、ライト早川、明日は、レフトに小川、センター侑大、ライトに安田になった。

 セカンドやピッチャーが変わるとサインや守備位置を変えることが多いから大変だけど、外野の変更は、あまり影響がない。とりあえず、明日も勝つだけだ。聖徳高校は、26日から夏休みに入った。そのため、明日からは、応援に駆けつけてくれる人もいるんじゃないかと期待を寄せていた。俺の彼女である祐奈も、友だちを引き連れて応援に来ると言ってくれていた。祐奈のためにという想いはなかったけど、チームが勝てるようにプレーしたいと思っていた。祐奈は、あまり野球に興味がない。正式に言えば、野球というよりスポーツに興味がない。俺と付き合ったのもただのステイタスな気もする。そんな祐奈に対して、どんな気持ちでいればいいのかあまりよくわからなかった。

 周りからは、お似合いと言われるけど、祐奈は心底俺のことはなんとも想っていないと俺は勝手に想像していた。俺は、それでもよかった。ただの高校生活だし、俺も祐奈も周囲から羨ましがられるのは気分がよかった。かと言って、祐奈に対して想いがあるかと言われると微妙だ。なんとなくだけど、祐奈の一つ一つの行動を見ていたらわかる。欲しいのは、俺じゃなくて野球部のそこそこのヤツと付き合っているというステイタス。でも、それもわからなくもない。

 俺が欲しいのは、祐奈じゃない。誰かと付き合っている野球部である自分。その野球部の立ち位置がなんとも面白く、他の人にはないものだからだ。付き合っていることで周りからいじってもらえるし、面白くもできる。この野球部には、そういう存在が必要なのだ。それは、俺しかいない。よくわからないけど、勝手にそう思いこんでいた。

 今日は、いつもより早く練習が終わった。永谷たちが戻ってくるまで、部室からグラウンドを眺めていた。明日は、どうなるかと。このメンバーでもっと長く野球がしたい。もっと、みんなとふざけあっていたい。その欲求が日に日に強くなる。部室に貼られたトーナメント表と「目指せベスト4」という文字を見て、より一層気合いが入った。左手にはめたグローブにボールを入れ、俺は立ち上がった。

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