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日常で世界を変える(八幡編)  作者: mei


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7月24日 明日

 いよいよ、明日から大会が始まる。もう、他の高校は、すでに始まっている。現に、淮南、守田などは初戦を突破していた。俺たちも同じ地区として負けられない。夏の陽が燦々と照り付ける、このグラウンド。そこに位置するこの古き良き聖徳高校だった。これまでベスト16が最高成績。だから、今年こそ、なんとか。みんなそんな想いをかけた大会が目前に迫っていた。

 野球部は、大会に向けて練習も熱を帯びている。その熱狂はどこのクラブにも負けていなかった。風もなく高温多湿な日が続工藤中で、その暑さにもめげず、俺たちは声を出し合っていた。グランドでの練習は毎日のルーティンだが、選手よっては体育館の2階や外周をしている人もいた。厳しい指導の下、練習は続いていく。

 高校野球は、運営側にとっても大きなお金になるし、広告にもなる。だから、それなりに準備をしているのだと子どもの俺にもわかった。すると、マネージャーから大量のドリンクが持ち運ばれた。その数、約100本。保護者やOBたちから資金集めをして購入したのだろう。この光景は、昨年も見た気がする。どうなら、これは、毎年恒例の行事みたいだ。

 練習は、止まり水分を補給する。俺は、セカンドの健太郎たちと何度も打ち合わせをする。ショートというポジションは意外と頭を使う。最後だし、できるだけ練習して、ミスした時に後悔だけはしたくなかった。そして、俺たちは練習がほとんど終わり、最後のランニングとなった。

 練習に明け暮れた選手たちは、スパイクを履き替えた。俺も首回りについた汗をタオルで拭き取り、みんなと同じところに合流した。今日は、最後の練習になるかもしれないということもあり、何人かの保護者たちは見にきていたのだ。その保護者たちからは、温かい励ましの言葉と拍手が送りこまれた。

 おそらく明日は、グラウンドに立てば、多くの野球ファンや保護者たちが応援に詰めかけてくれるだろう。試合終わりは、取材に来ていたスポーツ新聞の記者たちからのインタビューも向けられるだろう。俺は、明日の初戦をイメージしながら、走っていた。試合前には両チームの選手たちが、相手チームや審判員、そして応援に来た観客に丁寧な挨拶をして始まるだろう。俺は、2番ショートでスタメン出場すると思っていた。最後のランニングは、まるで夏の陽を浴びる花々のように輝いていた。俺は、一周戻ってきた時、なんだかやり切った気持ちになっていた。

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