7月14日 練習試合(群馬北高校戦)
今日は、大会前最後の練習試合となった。相手は、群馬県の名門校である群馬北高校だった。群馬北高校は、3年連続で決勝に進むなど、最近実力をつけてきた高校だ。そんな高校と対戦するために、俺たちは、はるばる群馬県までやってきていたのだ。ここまで、約2時間50分かかったのだ。
俺は、健太郎から受け取ったボールを握りかえた。1試合目は、群馬北高校。2試合目は、東宝高校。この強豪高校とやるために、監督はたくさん電話をかけてくれたことを聞いていた。キャプテンの川中の声とともに俺たちは、ベンチに戻ってきた。
今日は、野球日和と言ってもいいほど、いい天気だった。聖徳高校は、先攻で、群馬北高校の選手がポジションについていくとこを見守った。今日は、6番ショートでの先発出場。今は、とにかく、試合に出て夏の大会で勝つことしか考えていなかった。
群馬北高校の中西は、なかなかボールが入らないみたいだった。1番侑大、2番健太郎を連続で歩かせてしまう。そして、打席には、調子を落としている3番の橋本が入った。1回裏、無死1.2塁。打席に入った橋本は、ゆっくりピッチャーの方を見つめた。なんと、監督からのサインは、送りバントだった。
あれだけ、打っている橋本にもバントかぁ。それだけ、1点を大事にしていくということなのだろう。バンドの構えをした橋下は、バットをひいた。ボール!!俺は、バットを触りながら橋本を見つめた。ネクストバッターサークルに入っている川中は、手袋をしていた。
そして、1回、2回とスイングをする。再び、橋本へのサインは、バント。今度は、きっちりとバントを3塁線に転がした。ベンチへ帰ってくる橋本は、とても喜んでいた。プライドが高い橋本だから、納得はしてないのだろうけど、チームのことを考えてのことだとはわかっていた。
俺は、橋本とハイタッチを交わすと、ヘルメットをとりに、バットが並べているところまで歩いた。負けたら、終わり。これが公式戦の緊張感なのだろう。俺は、まだ練習試合にもかかわらず、いつの間にか、緊張で手汗が出ていた。この緊張は、久しぶりに味わう感覚だった。
群馬北の中西は、エンジンがかかったのか、2球で川中を追い込む。そして、最後もストレートで三振に仕留めたのだった。おっしゃあー!!!相手ベンチからは、とても大きな声援が聞こえてきた。さすが、名門校。ヘルメットを被り、ネクストに向かった。




