7月1日 聖淮戦13
今日は、初戦であたる取手高校のデータを見返していた。俺たちは、名門校ではないだけに、決してデータがたくさんあるわけではない。でも、練習試合をしたことがあり、たまたまスコアブック残っていたのだ。スコアブックを見ながら、ピッチャーで投げるだろう山田と利根の分析を始めていた。
ー6月19日ー
一塁側から、大勢の観客が声援をおくってくれた。保護者だけでなく、試合が終わったサッカー部やバレー部も見にきてくれていた。試合が終わり、俺たちは、観客に向かって挨拶をした。こんな大勢の中で試合をしていたことを改めて実感させられた瞬間だった。試合後は、監督とミーティングを行い、聖淮戦の試合が全て終わるまで自由時間となった。俺たちは、監督の話が終わると、スパイクを履き替えながら、話し始めた。
橘 「おい、バスケ部の試合見に行こうや」
橋本「ええよ。行こう」
橘 「お前らも行こうや」
試合に勝った俺たちは、とても気分がよかった。
俺 「まだ、やってんの?」
橘 「女バスは、まだやってるらしい」
橋本「出た、高田さんや」
橘 「バレた?」
俺たちは、笑い合っていた。女子バスケ部キャプテンでBIG3の高田真波か。
橋本「橘、行こうや」
橘 「おっけ。八幡、永谷とかもう行ける?」
準備をしていた佐伯や田畑たちは、すでに上に行きそうだった。
俺 「おう。後で行くから先言っといて」
橘 「了解」
スパイクを履き替え、準備が整った、橘、橋本、永谷たちが先に向かった。俺は、ベンチで、スパイクの切れかかった歯を気にしていた。
定本「おつかれ!」
俺 「おつかれさん」
近くに来たのは、健太郎だった。今日は、久しぶりの二遊間を組んでいた。
定本「ナイスバッティングやったな」
俺 「ありがとう。久しぶりやったよ」
グータッチを交わしながら笑い合った。
定本「狙ってた?」
俺 「ああ。インコースストレート。それだけ。あとは、諦めてたよ」
普段ならしなかったのかもしれないけど、今日だけは狙い球を絞らないと打てなかった。
定本「やっぱ、あそこで打てるんだからすげぇよ」
俺 「そんなことないよ。おまえこそ、打ったじゃん」
定本「まぁ、打ったけど。俺の場合はたまたまだよ」
俺 「そんなことねぇよ」
健太郎は、近くにあったスコアブックを開いた。




