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日常で世界を変える(八幡編)  作者: mei


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6月30日 聖淮戦12

 今日の抽選結果、俺たちは、Bブロックに入った。Bブロックには、先日戦った、淮南高校や守田工業高校も入っていた。そして、注目の初戦の相手は、取手高校という学校だった。


 ー6月19日ー


 ここで、アウトにならなければ、点が入る。9回裏、2死満塁。こんな場面で打順が回ってくるなんてすごいな。いろいろ打席で考えていた。

 マウンドの湯浅は、すごい目つきでキャッチャーを見ている。俺は、高ぶる気持ちを抑えながなら、監督からサインを受け取った。湯浅の球種は、ストレート、スライダー。大きく2種類だろう。俺は、どちらに山をはるか考えていた。

 湯浅が投げた初球は、外角低めのストライクゾーンに決まった。これは、打ってもアウトになるだろう。すぐに気持ちを切り替えて2球目を待った。2球目は、スライダーだった。俺は、スライダーに山をはっていたので、見逃した。低めにはずれてボール。一塁側ベンチから大きな声がとんでくる。ベンチ最前線には、キャプテン川中や橘が俺たちを見つめている。湯浅が投じた3球目は、インコース高めに外れる。1ストライク2ボール。バッター有利のカウントとなった。ブルペンで投げていた葛西も戻ってきた様で、だれも投球練習するものはいなかった。振らないきゃ。焦る気持ちが心臓を動かしていた。次の一球は、とても大事だ。迎えた4球目。ちょうど真ん中付近にきた。いける!!俺は左足を踏みこんだのと同時くらいにバットを振り始めた。しかし、バットには、当たらなかった。2ストライクとなり、いよいよ追いこまれ、後がない状況となった。

 俺は、短く持っていたバットを長く持つことに変えた。本来なら逆だろうが、追いこまれたことがかえって開きなおることができた。どっちにしろ最後。思いっきり振らないと。おそらく、2ストライク3ボールにしたら、ファーボールになる可能性が出てくることをおそれて、ストライクゾーンに投げてくる。しかし、真ん中付近には、こない。

 マウンド上の湯浅を見ながら、大きく息をはいた。最高のメンバーとこんな青空の中で野球ができる。一塁側ベンチの頭上には、母親の姿も。そして、バックネット裏付近には、彼女の祐奈、友だちの辰巳や横山。こんな最高の場面で負けれるかよ?湯浅は、足を上げ、第5球目を投げこんだ。"高い"インコース高めのボールにバットを構え、左足を踏みこんだ。その、5秒後、みんな歓喜の輪の中にいるなんて、この頃は、考えられなかった。

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